エクセルで販売管理する方法
エクセルは誰にでも操作できるインタフェースが用意されており、汎用性にも優れているため、販売管理にも活用できます。まずは、エクセルを使用して販売管理する際の具体的な手順について解説します。
1.必要な管理表とデータを洗い出す
エクセルで販売管理を行うためには以下の3つの表が必要です。
- ■売上管理表
- 商品の売上状況を管理するための管理表。売上データを日々記録し、集計やグラフ化することで、売上データの効率的な分析に役立てられる。
- ■顧客管理表
- 企業名や住所、電話番号など、顧客情報を管理するための管理表。顧客情報を効果的に管理することで、購買履歴や行動データを元にした効果的なマーケティングや、顧客対応の品質向上に役立てられる。
- ■在庫管理表
- 取り扱っている商品の種類と数量を正確に記録し管理するための表。商品や資材の在庫を効果的に把握できる。
また、商品情報や顧客情報などの基本データを管理するためのマスターデータを作成する必要があります。管理するデータ項目はビジネス形態や販売管理を行う目的によっても異なるため、自社のビジネスに必要な項目を洗い出しましょう。なお、基本的な管理項目は以下のとおりです。
- 【顧客マスタに必要な項目】
取引先名
取引先番号
取引先の住所
連絡先
【商品マスタに必要な項目】
商品名
商品番号
単価
原価
仕入先名
2.フォーマットを作成する
エクセルで販売管理表を作成する際は、正確な販売データ管理ができるよう、見やすいフォーマットを作成する必要があります。必要な管理項目や項目数などを整理し、シート内のセルや列の配置を考えましょう。
また、ネット上で公開されているテンプレートをダウンロードして活用する方法もおすすめです。フォーマットの作成にテンプレートを用いれば、見やすい管理表が効率的に作成できます。なお、テンプレートの管理項目や項目数などをカスタマイズすることで、自社に適した販売管理システムを作成できます。
3.数字関数を入力する
作成したフォーマットに数字を入力し、関数を設定します。数字を入力する際は、各セルに間違いなく正確に入力することが重要です。入力する数字を間違えてしまうと、全体に影響をあたえるので慎重に行いましょう。
また、関数を設定することで数値データの計算や集計を自動化し、データの正確性と作業効率を向上できます。以下で、販売管理に役立つ関数の種類をいくつか紹介します。
- ■COUNTIF関数
- 条件に合うデータの個数を数えてくれる関数。顧客名簿から〇〇県在住の人数を知りたい場合などに活用できる。
- ■SUMIF関数
- ある条件に合致する数値の合計を計算する関数。売り上げのうち、カテゴリーに属する商品だけの売上額を計算したい場合などに活用できる。
- ■AVERAGE関数
- 指定したセル範囲の平均値を求める関数。毎日の売り上げ平均を出したい場面などで活用できる。
- ■ RANK関数
- ランキングを計算するための関数。年間売上ランキングを作成したい場面などで活用できる。
エクセルで販売管理を行う際の課題
エクセルでの管理には課題もあります。どのような課題があるのか解説します。
管理画面の設計と複雑な関数
販売管理には入庫や出庫などの在庫の管理も含まれますが、エクセル内でそれぞれの情報を連動させる必要があります。異なるシートやファイルにあるそれぞれの数値を高度な関数やマクロを使って統合するため、一定の知識が求められます。商品が少ない場合には対応できることもありますが、数百、数千という製品の対応は難しいでしょう。
データベース設計
エクセルはデータベースソフトではないため、過去の販売データの蓄積に限界があり、参照や分析が困難です。データが蓄積すればするほど動作が重くなるという弊害もありますが、データが重いからといってデータを分断すれば、過去のデータを参照するときに不都合が生じるかもしれません。
業務の属人化
エクセルは関数の取り扱いや入力のルールが属人化されがちです。作成者が異動や退職をしてしまうと操作方法がわからなくなってしまう可能性もあります。さらに、エクセルは複数人での同時編集に向いておらず、リアルタイムにデータ更新ができません。そのため、チームでの共有がしにくく、円滑に事業を展開するのが難しいでしょう。マニュアルを残すことも考えられますが、マニュアルの更新は非常に手間のかかる作業な上に、引き継ぎができずマニュアル自体の存在が忘れられてしまうことも多くあります。
エクセルで販売管理を行う前に、自社の課題を解決できるかを検討しましょう。また、販売管理システムを活用または併用することで課題の解決を促せます。具体的な製品は以下のボタンより資料請求をして比較してみましょう。
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エクセル管理の課題を解決する販売管理システムとは
事業規模の拡大などで販売管理業務が増加したり複雑化したりするとエクセルでは対応が難しくなります。データ量が増えてファイルに負荷がかかれば、エクセルファイルの破損リスクなども生じるでしょう。そこで、販売管理をより効果的に行うためには、「販売管理ソフト」の導入がおすすめです。販売管理システムとは、受注から納品までの商品やお金の流れを管理する販売管理業務や在庫管理業務、購買管理業務の機能を搭載したシステムです。
販売管理システムを導入することで、データ入力が自動化され、手作業による記入ミスや確認の手間がなくなり、スピーディーかつ正確な販売管理が実現します。また、販売管理システムではリアルタイムで情報を共有できるため、全社でスムーズな連携が可能となり、事業を円滑に展開していけるでしょう。
以下の記事では、人気製品の価格や特徴、機能などを紹介しています。導入を検討する際にはぜひ参考にしてください。
無料の販売管理システムは活用できるのか
無料の販売管理システムを活用して販売管理を行うことも可能ですが、利用にあたってはいくつかの課題があります。
無料の販売管理システムの課題
無料販売システムの最大の難点は、サポートを受けるのが難しい点です。操作方法などについての質問であれば、インターネットで簡単に調べられるため、特に問題ないでしょう。しかし、「業務フローが変わった」「外貨対応が必要になった」といった際に、サポートを受けられない場合が多く、販売業務に大きく影響する可能性もあります。
また、データの補償やバックアップ、セキュリティについても不安が残ります。無料ソフトを利用する場合には、バックアップをとり、安全なシステムであることを確認してから使いましょう。
信頼できるソフトを無料トライアルから活用しよう
無料の販売管理システムは、販売管理システムがどのようなものか、自社に必要かどうかを見極めるためにトライアルとして利用するのがおすすめです。
無料の販売管理システムでは自社の業務フローに対応できない場合や、ハイセキュリティな製品を求める場合、有料の販売管理システムを検討してみましょう。比較的安価な製品やコストパフォーマンスが高い製品もあるため、導入コストや工数を考慮すると有料システムを導入したほうがよい場合もあります。
なお以下の記事では、無料で利用できる販売管理システムを紹介しています。注意点についても紹介しているのであわせて参考にしてください。
販売管理システムの選定ポイント
販売管理システムの導入を検討する際の選定ポイントを紹介します。
業種業態に即したテンプレートがあるか
企業の販売管理の仕組みはさまざまです。業種業態によって幅広い業務フローに対応できることが求められます。自社に即したテンプレートなどが用意されているかを確認しましょう。各業界に特化した製品であれば、業界独自の商習慣に対応した機能を搭載しているため、カスタマイズやオプション機能の追加をせずとも導入が可能です。
iPadやスマートフォンに対応しているか
iPadやスマートフォンに対応している製品であれば、操作性が高く導入の研修期間が最短で済むため、即戦力として活用可能です。また、アルバイトやパート社員が多く、PCの整備に課題がある場合にも、タブレット端末やスマーフォンに対応している製品を活用するとよいでしょう。
バーコード入力に対応しているか
バーコードによる商品管理は、主に入出庫データの入力作業で活躍します。項目の手入力や、伝票入力の手間を減らし、入力の精度や作業スピードを向上させられます。正確な在庫引当により機会損失を防ぎたい企業には欠かせない機能でしょう。
なお、製品によってはバーコードのほかQRコードでの管理に対応したものもあります。
データを経営に活用できるか
専用の販売管理システムにはデータベースが用意されており、過去のデータを活用できます。また、在庫や顧客の管理と販売業務は密接に関連しているため、既存の在庫管理システムや顧客管理システムと連携することで、蓄積されたデータをより効果的に活用できます。販売管理システムを選定する際は、他のシステムと連動し、経営や販売を支援してくれるかを確認しましょう。
事業効率を上げるために販売管理システムを検討しよう
販売管理はエクセルによる自作の管理表でも対応できますが、リアルタイムでの更新が難しいことや、情報量が増えると扱いづらくなるなどの課題もあります。部署をまたいだ横断的な処理や、受発注システムや会計ソフトとの連携には販売管理システムの導入が望ましいでしょう。
以下のボタンより、販売管理システムの一括資料請求が可能です。資料請求した製品を効率よく検討できる比較表も作成できるので、ぜひ活用してください。