営業部門におけるこれまでの課題
一般的には、以下のような課題があるといわれています。
- 1.営業部門内で経験知を共有できていない
- 営業担当者が商談情報や進捗情報を個別に把握しているだけでは、営業力の強化にはつながりません。ほかの人のアドバイスや経験知を生かせれば成功していたかもしれない商談が、いつのまにか失敗していた、という事態にもなります。
- 2.顧客情報が共有できていない
- 顧客情報が営業担当者ごとで管理されているため、担当者が外出や転勤、退職などによって不在となった場合に、顧客からの問い合わせに適切な対応ができなくなります。その結果、商機を逃す恐れがあります。
- 3.仕事量の配分が適切ではない
- 営業担当者ごとでのスケジュールの混み具合や、抱えている案件の負担が把握できていないと、担当者ごとで仕事の負担に偏りが生じます。
- 4.顧客とのミスマッチが生じている
- それぞれの営業担当者が現在アプローチしている業界、成功実績が多い業界を把握できていないと、その業界と関わりがない営業担当者を割り当ててしまうことがあります。その結果、顧客と営業担当者のミスマッチが起きてしまいます。
従来の営業は、顧客管理が個人に依存してしまい、結果的には仕事の量も多くなってしまいます。さらにこのような状況下だと、担当者の退職や転勤時の引き継ぎがあったさいに顧客とのミスマッチや大切な顧客を放置してしまう可能性もあります。これに対してSFAはどのようにこれらの課題を解決するのかを次にみていきましょう。

SFA導入のメリット4つ
こうした営業の課題を解決できるツールが、SFA(営業支援システム)です。SFAを導入することで、具体的には以下のメリットがあります。1.営業の情報資産を有効活用できる
有益な人脈、事例など、営業活動の過程で得た情報は企業にとって貴重な資産です。しかし、担当営業者が個別に情報を管理している状態は、その資産を十分に生かしきれているとはいえません。SFA(営業支援システム)を利用する大きなメリットの1つが、こうした情報資産の活用です。
例えば、これまでの訪問記録や提案内容、商談情報といった顧客情報を共有できるようになることで、顧客の状況に応じてより的確かつ効果的なアプローチが可能になります。また過去の成功事例を共有することで、類似した案件に臨む際に営業のコツやヒントを得ることができます。
情報の保有の仕方を変えるだけで、顧客情報のより効果的な活用が可能になり、商機の拡大や営業力の向上につなげることができるのです。さらに、営業情報を共有できる環境を整えることは、もし、担当者の異動や退職などがあった場合でも、情報を失うリスクの軽減になります。
2.最適な営業プロセスへ改善が可能になる
営業活動を改善するためには、“営業活動(営業プロセス)の見える化”が有効です。しかし、口頭や紙ベースで業務報告を行っている企業では、プロセスまで含んだ細かな情報の共有、リアルタイムでの更新ができないという課題も多いようです。
SFAを活用すれば、この“見える化”が実現できます。SFAでは日々の営業情報を蓄積し、細かなプロセスを含む様々なデータを効率的に保存できます。その情報をさまざまな形で表示・提供することで、社員に負担をかけることなく、営業の進捗状況が誰でも分かるようなるのです。
また、経営層においては、一連の営業プロセスを全体的に見て、営業担当者がつまずいたポイント、失注や受注までの経緯が把握しやすくなり、的を絞った指示や的確な指導を行えるようになります。その結果を生かして最適な営業プロセスを構築すれば、企業全体の営業力の強化も期待できます。
3.戦略の検討に役立つ情報収集と分析ができる
マネジメント層にとって、正確な情報の把握は、判断ミスを防ぐ上で重要な要素です。しかし、多くの部下を抱えれば抱えるほど、個々の業務の詳細把握が困難になるのもまた事実です。そこで、SFAの活用は、こうしたジレンマの解消にも役立ちます。
SFAで集めた情報は、単に閲覧できるだけではありません。グラフや表組みなど視認性の高いデータとして表示され、比較検討が容易にできます。そのため、分析の効率アップにも貢献します。示された情報を正しく把握することで、商機を逃さないための戦略立案やムダのない生産計画の構築などにつながります。
4.個人と組織の営業力を強化できる
SFAのメリットの恩恵を受けるのは、管理者だけではありません。情報を入力する営業担当者にとってのメリットもあります。
スマートフォンやタブレットからも利用できるSFAは、時間や場所を問わず、移動中などのすき間の時間を利用して情報入力ができます。その情報は管理者側にリアルタイムで伝わるため、状況報告のために会社に戻る、上司の都合に合わせて時間を作るといった手間が不要になります。
こうして空いた時間で、営業担当者は、顧客とのコミュニケーションや新規顧客の開拓などの本来業務に時間をあてることができるようになります。また、上司と随時情報を共有していることで、的確な助言やサポートが受けられる点もメリットといえるでしょう。
また、営業活動を共有する化することで、営業担当者が、これまで把握しにくかったほかの営業のプロセスを知ることができるようになります。そこから、成績のよい営業担当者のノウハウを学ぶ、類似するケースの成功事例を参考にすることも可能になります。その結果、組織全体での営業成績アップにつながることも期待できます。
SFA導入で組織営業を実現しよう!
営業部門の立場が相対的に高く、ベテランの営業担当者が多いという企業もあるでしょう。こうした、一見すると営業部門の体制が整っていそうな場合でも、各々がマンパワーに依る営業を行っていると、営業ノウハウが共有されず、非効率になりがちです。
SFAは、このような古い営業体質に「組織営業」というチームプレーを促すツールです。営業活動の効率化だけではなく、営業部門全体の営業力の底上げにも貢献するSFA。営業部門に課題を抱えている企業は導入を検討されてはいかがでしょうか。
SFAの製品について詳しく知りたい方には、下記の記事がおすすめです。
