タレントマネジメントシステムとは
タレントマネジメントシステムとは、従業員のタレント(能力や才能・資質)やスキルを効率的に管理するためのシステムです。
ビジネスのグローバル化への対応や、人材の有効活用のためにタレントマネジメントは欠かせません。タレントマネジメントシステムに搭載されたスキル管理や後継者育成のための機能を活用すれば、より効率よくタレントマネジメントを進められます。
タレントマネジメントシステムについては、次の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
タレントマネジメントシステムの導入事例
実際にタレントマネジメントシステムを導入した企業がどのような成果を得られたのか、知りたい方も多いでしょう。ここからは、タレントマネジメントシステムの導入事例をご紹介します。
HRBrainの活用事例
医療法人での活用事例を紹介します。
離職率を大幅改善
1〜2年程度と短期間で退職するスタッフが多いことに悩んでいた医療法人では、戦略人事を実現するタレントマネジメントシステム「HRBrain」を導入しました。
タレントマネジメントシステムを導入したところ、マネージャー自身が自分の部署の目標を決めるようになったことで、部署の他の社員も自分の目標を決めやすくなり、目標の設定に対する熱量が変わったと感じているようです。
結果として、スタッフの在籍期間が3〜5年程度まで延びたと言います。また、産休から戻る職員も増えたことで、大幅に離職率が改善されました。また、スタッフ一人ひとりの成長を入職時から振り返られる点もメリットだと感じているようです。
目標への意識が向上
スタッフの目標への意識が向上したと感じている声もあります。
スタッフが目標を入力すると管理者に通知が届きます。管理者は目標をすぐに確認できるため、入力された内容に関してスタッフとスムーズなコミュニケーションが可能です。
また、スタッフ同士がお互いの目標を確認できるようになったことで、他者からも学びを得られるようになったと言います。
さらに、タレントマネジメントシステムの導入により、人事管理に必要な各種集計やグラフの作成が不要となりました。今まで集計やグラフ作成に費やしていた時間で、より創造的な仕事に取り組めるようになった点も、メリットだと感じているようです。
参考:HRBrainとは?価格や機能・使い方を解説
サイダスの活用事例
銀行や専門サービス、小売業の事例を紹介します。
キャリアプランに沿った育成計画を実施
大分銀行様では、タレントマネジメントシステム「サイダス」の導入によって、各社員が将来のキャリア設計をどのように考えているのかわかるようになったと言います。
従来は、人事育成のために年次で決まった形式的な研修を実施していました。しかし、タレントマネジメントシステムを導入したことで、個人のキャリアプランに沿った育成計画を作成し、最適な研修が実施できるようになったそうです。
社員の主体性を重視した目標管理
専門サービスを提供する企業では、社員の主体性を高めるような目標管理をしたいと考え、システムを導入しました。
運用中の評価制度に合わせたシートの設定が可能なため、社員の主体性や強みを高めるための評価制度を運用できるようになったと言います。
また、タレントマネジメントシステムの導入によって目標設定や評価の運用がシンプルになったことで、社員の負担が軽減したこともメリットと感じているようです。
データにもとづく人材配置の実現
小売業を営む企業では、評価の点数集計など人事評価に大きな負担がかかることを課題と感じていました。また、過去の店舗経歴や店舗人員も把握しきれていない部分があったようです。
そこでシステムを導入したところ、人事評価にかかる負担が軽減されました。さらに、異動や人間関係などの情報も可視化され、データにもとづく人材配置が実現できるようになったそうです。
店舗数や異動が多い業態の場合でも、タレントマネジメントシステムを活用すれば過去のデータを簡単に参照できます。
参考:サイダスとは?価格や機能・使い方を解説
タレントマネジメントシステムの導入・運用でよくある失敗例
タレントマネジメントシステムは便利なツールですが、やみくもに使っても十分な効果が発揮できません。ここでは、タレントマネジメントシステムの導入・運用でよくある失敗例を紹介します。
目的があいまいなままシステムを導入した
タレントマネジメントでは、目標から逆算して必要なデータを収集する必要があるため、目標を明確にしておかなければ、十分に活用できません。
目標があいまいなままでは不必要なデータも収集してしまい、データを正しく分析するのは困難です。つまり、労力がかかるばかりで十分な効果が出ない可能性が高いでしょう。
タレントマネジメントシステムを導入する前には、システムによって何を実現したいのか考えておきましょう。事前に目的を明確にしておくことで、自社にあったデータの収集や分析が可能です。
既存のシステムとの違いが把握できていなかった
従来の人事システムとタレントマネジメントシステムの違いを把握できていないと、十分に活用できない可能性が高いでしょう。
人事システムは、基本的に人を管理するためのものです。人事評価を効率化し、公正な判断ができるように活用されます。
対してタレントマネジメントシステムは、従業員が持つ「才能」や「スキル」を管理するためのものです。過去の経験や持っているスキル、本人の資質、希望のキャリアプランなどを考慮しつつ人材配置に活かし、よりよい組織運営を目指すために活用するのがタレントマネジメントシステムです。
それぞれの違いを把握するだけでなく、現在利用している人事システムや制度とどのように連携するのかも考えておくと、タレントマネジメントシステムを十分に活用できるでしょう。
社員の理解が得られていなかった
タレントマネジメントシステムを導入する意義を社員に理解してもらえないと、失敗に終わる可能性があります。
タレントマネジメントシステムでは、社員の目的やキャリアプラン、過去の経歴などさまざまなデータを収集する必要があるため、社員の理解を得られない状況ではデータの収集が難しいでしょう。
まずは事前にタレントマネジメントシステム導入の目的を周知するとともに、社員にとってのメリットを説明しておく必要があります。
データが更新されていなかった
タレントマネジメントシステムを効果的に活用するためには、こまめなデータの更新が欠かせません。
社員の経験やスキルは常に変化するものです。また、家庭の状況が変化することで、目指すキャリアに変化が生じる場合もあります。こまめに情報が更新されていないと、現状に即した対応ができません。また、異動案が社員の希望やキャリアプランに反してしまう可能性もあります。
定期的に情報を確認する機会を設けるとともに、状況が変化した際に登録してもらえるような仕組みを整えておきましょう。
収集・分析したデータを活用できていなかった
データの収集や分析を行っていても、十分に活用できていない場合には失敗の原因になってしまいます。例えば分析結果が人事評価や異動に反映されない場合、社員のモチベーションは低下してしまうでしょう。
タレントマネジメントで活用するデータは、目的を明確にし、必要なものだけを集めなければなりません。しかし、最初に多くのデータを集めすぎてしまうことで、使いこなせず形骸化してしまうケースもあります。
収集したデータが活用されないと、徐々に社員の協力が得られなくなる可能性もあります。タレントマネジメントシステムを導入する前に、分析結果をどのように活用するかも検討しておきましょう。
事例を参考に自社への導入方法の検討をしよう
タレントマネジメントシステムとは、従業員のタレントやスキルを管理できるシステムのことです。導入によって、さらなる人材の有効活用が期待できます。
十分な導入効果を発揮するためには、事前に目的や活用方法を考えておくことが欠かせません。この記事で紹介した事例を参考に、自社への導入方法を検討してみてください。
タレントマネジメントシステムの一括資料請求も可能なため、導入検討中の方はぜひお役立てください。