Web-EDIによる自動化を実現させるメリット
これまで納品書や請求書はFAXや郵送でやり取りされていましたが、これは負担の大きい作業です。送付そのものに手間がかかるうえ、相手に文書が届いたかどうかを確認するために電話をするケースも少なくありませんでした。
しかし、Web-EDIを使えばそれらの文書のやり取りをインターネットを介し、ブラウザ操作だけで自動化できます。郵送やFAXよりもはるかに手間が少なく済み、従業員の負担が軽減します。

Web-EDIによる自動化を進める際の注意点
Web-EDIによる自動化を進める際は、Web-EDIの仕様が統一されていないことに注意しましょう。これは、発注企業によってWeb-EDIの仕様が異なるため、受注企業はそれぞれに対応しなければならないことを意味します。発注先ごとに独自のフォーマットで、通信プロトコルさえも標準化されていないのです。
特に注意すべきなのは通信プロトコルです。取引先が利用する通信プロトコルに対応した製品を選ばなければやり取りを行えません。
Web-EDIで用いられる主要な通信プロトコルは以下の5種類です。取引先がどれを利用しているのか確認しましょう。
- ■JX手順
- ■EDIINT AS2
- ■ebXML MS
- ■OFTP2
- ■SFTP
Web-EDIによる自動化をさらに進める方法
先述のとおり、取引先によって仕様が異なることが多く、Web-EDIだけで受発注取引業務をすべて自動化するのは困難です。
たとえば、受注企業は複数の企業から受注する際、その都度ログインやファイルのアップ・ダウンロード、社内システムとの連携操作といった単純作業を人力で繰り返さなければなりません。
そのような作業も自動化するにはRPAの利用が有効です。RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、日本語に訳すと「ロボットによる作業の自動化」です。単純作業をソフトウェアに代行させる取り組みや概念を指します。
Web-EDIとRPAを併用することで、受発注データのやり取りを全面的に自動化できます。
Web-EDIによる自動化に成功した事例
ある通信企業では、Web-EDIを利用する取引先の増加によって、ログインやファイルのアップ・ダウンロードなど人手を介する作業が増えました。
そこで、これらの負担を軽減するためにRPAを導入しました。その結果、ログインなどの自動化のみならず、複数のWeb-EDIを連続・並行処理するバッチ化や異常時のメール通知などが実現し、負担が軽減したといいます。
また、卸売業を営むある企業もWeb-EDIを使う取引先に頭を悩ませていました。従来の流通BMSを使っている取引先のデータはツールによって自動取得できましたが、Web-EDIには対応できず手作業が必要でした。
そこで、この企業もRPAの導入を決意します。安定してRPAが稼働するよう、メンテナンス性や障害発生時の原因調査のしやすさなどを踏まえて製品を選定したといいます。その結果、従来と同程度の安全性を確保しつつ、自動化を実現できました。
Web-EDIで自動化を行い、業務負担を軽減させよう!
Web-EDIによって受発注データの送受信を自動化できます。しかし、Web-EDIは標準化されておらず、取引先によって仕様が異なることが多いです。そのため、ログインやファイルのアップ・ダウンロードといった作業までは自動化できません。そこでRPAを利用すれば、それらの作業も自動化できます。
以上を踏まえ、Web-EDIとRPAで受発注業務の自動化を推進し、業務負担の軽減を目指しましょう。
