有給管理ソフトとは
有給管理ソフトとは、従業員の有給休暇の付与や取得状況を自動で管理するツールです。年次有給休暇の付与日数・取得期限・残日数などを正確に把握し、企業の法令遵守や業務効率化を支援します。有給休暇の管理ミスを防ぎ、適切な取得促進を実現できるため、人事・総務担当者の負担軽減にもつながります。
有給管理ソフトのタイプ
有給管理ソフトは大きく2つのタイプに分けられます。一つは、勤怠・給与・会計などのバックオフィス全体を連携させて運用する「バックオフィス統合型」。もう一つは、まずは有給管理だけを低コスト・短期間で立ち上げたい企業向けの「単独完結・シンプル運用型」です。自社がどちらの考え方に近いかを先に決めてから製品を比較すると、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
| タイプ | 適した企業像 | 主な目的 | 主な製品 |
|---|---|---|---|
| バックオフィス統合型 | 人事・経理・給与を横断して効率化したい中堅〜大企業 | 有給管理に加え「全体最適化」を実現 |
▶ KING OF TIME 勤怠管理 ▶ ジョブカン勤怠管理 ▶ マネーフォワードクラウド勤怠 |
| 単独完結・シンプル運用型 | まずは法令対応と運用定着を優先したい中小〜スモール組織 | 有給管理だけを低コスト・短期導入で成立 |
▶ クラウド休暇管理システム ▶ 有休(有給)管理システム |
有給管理ソフトの機能
有給管理ソフトには、以下のような便利な機能が備わっています。
- ■有給休暇の自動付与と更新
- 従業員ごとの入社日や勤務年数に応じて、有給休暇を自動で付与・更新できます。手作業での計算が不要になり、付与ミスを防止しながら法定のルールに沿った運用が可能です。
- ■残日数・取得状況のリアルタイム管理
- 有給の残日数や取得状況をリアルタイムで可視化し、従業員・管理者ともにいつでも確認できます。有給の計画的な取得を促進し、未消化のリスク軽減に貢献します。
- ■取得義務や消化率のレポート作成
- 従業員ごとの有給取得状況や消化率を自動レポート化できます。未取得者へのアラート通知も可能で、適切な取得促進を支援します。
- ■勤怠管理システムや給与計算ソフトとの連携
- 有給休暇の取得データを勤怠管理システムや給与計算ソフトと連携することで、申請・承認から給与計算までスムーズに管理できます。手作業によるデータ入力の手間やミスを削減し、業務の効率化を図れます。
有給管理ソフトを導入するメリット
有給管理ソフトの導入により、次のようなメリットが期待できます。
法令遵守とリスク軽減
労働基準法の改正により、年5日の有給取得や管理簿の作成が企業に義務付けられています。有給管理ソフトなら付与日数や取得状況を自動で計算し、期限が近づくとアラートで通知するため、法令違反による罰則リスクを回避可能。監査や労基署対応もスムーズになり、適正な有給管理を実現します。
業務負担の軽減
有給休暇の管理を手作業で行うと、付与日数や残日数の計算、取得状況のチェックに多くの工数が発生します。これらの作業が自動化されることで、担当者の業務負担を大幅に削減可能です。人為的ミスの防止や正確なデータ管理も実現できるため、業務効率が大きく向上するでしょう。
従業員満足度の向上
有給管理ソフトを導入すると、従業員は自分の有給残日数や取得状況をリアルタイムで確認できるようになります。申請から承認までの手続きもオンライン化し、簡単に完結可能。有給休暇を取得しやすい環境が整うことで、従業員満足度の向上や、働きやすい職場環境の実現にもつながります。
有給管理ソフトの選び方
自社に最適な有給管理ソフトを選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。
組織独自の休暇や時間単位の有給取得に対応できるか
企業によっては、特別休暇やリフレッシュ休暇など独自の休暇制度を設けていたり、時間単位での有給取得を導入していたりする場合があります。有給管理ソフトを選ぶ際には、こうした自社のルールに柔軟に対応しているかが重要です。
設定の自由度が低いと手作業が増え、業務効率が下がる可能性があります。導入前に、休暇の種類や取得単位を自由に設定できるかを確認しましょう。
勤怠管理や給与計算と連携できるか
有給管理は、勤怠管理や給与計算と密接に関係しているため、これらとスムーズに連携できるソフトを選ぶことが重要です。連携が可能なソフトなら、申請データや勤怠情報が自動で反映され、二重入力や転記ミスを防ぎます。
また、業務効率化やデータの整合性を維持するために、勤怠管理・有給管理・給与計算を一元管理できるシステムを選ぶのもおすすめです。現在利用しているシステムとの互換性や、過去の連携事例を確認するとよいでしょう。
クラウド型かオンプレミス型か
有給管理ソフトには、主にクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。自社の運用体制やセキュリティ要件にあわせて、適切なタイプを選びましょう。
クラウド型は、インターネット環境があればどこでも利用でき、初期費用を抑えやすいのが魅力です。特にリモートワークや複数拠点を持つ企業に適しています。
一方、オンプレミス型は自社サーバで管理するため、高いセキュリティが求められる企業や特定の環境での運用が必要な場合に向いています。自社の要件と照らし合わせ、最適な提供形態を選びましょう。
【比較表】おすすめの有給管理ソフト一覧
ここでは、中小企業から大企業まで幅広く活用されている有給管理ソフトを一覧表で紹介します。機能や特徴を比べてみましょう。
お急ぎの方や「自社に合うタイプがまだわからない」、という方向けの診断ページもあります。
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▶おすすめの有給管理ソフト【バックオフィス統合型】
まずは、バックオフィス全体の効率化を重視する企業におすすめの製品を紹介します。複数システムを跨がずに有給管理を運用したい場合に適しています。
KING OF TIME 勤怠管理
株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する「KING OF TIME 勤怠管理」は、業界トップクラスのシェアを誇る勤怠管理システムです。有給休暇の自動管理機能を搭載しており、法改正への対応や有給残日数の自動計算・付与がスムーズに行えます。また、ほかの業務システムとの連携にもすぐれ、企業規模を問わず導入しやすい点も特徴です。
【参考価格】初期費用無料、月額300円/ユーザー ※無料トライアルあり
ジョブカン勤怠管理
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン勤怠管理」は、シンプルな操作性と高い汎用性を兼ね備えた勤怠管理システムです。有給休暇の管理やアラート通知機能が充実しており、法令対応や消化義務の管理にも適しています。導入後すぐに運用しやすい点も好評で、中小企業から大企業まで幅広く利用されています。
【参考価格】利用機能一つの場合:月額200円~/ユーザー ※無料プランあり
マネーフォワードクラウド勤怠
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワードクラウド勤怠」は、会計や給与システムと連携しながら有給管理ができるクラウド型システムです。有給の自動付与・残日数管理が可能で、利便性の高さが評価されています。特に、バックオフィス業務の効率化を目指す企業に最適です。
【参考価格】月額300円/ユーザー
▶おすすめの有給管理ソフト【単独完結・シンプル運用型】
つづいて、シンプルな仕組みで使いやすい有給管理システムを紹介します。まずは法令対応と基本運用を最短で固めたい企業や、管理工数を抑えたい企業におすすめです。
クラウド休暇管理システム
株式会社月華堂が提供する「クラウド休暇管理システム」は、シンプルな操作性と低コストが魅力の有給管理ツールです。スマートフォンにも対応しており、有給休暇の申請・承認・残日数の管理をクラウド上で簡単に実施できます。無料プランも用意されているため、初めて導入する企業でも気軽に試せるのがポイントです。
【参考価格】月額110円~/ユーザー ※無料プランあり
有休(有給)管理システム
株式会社システムコアが提供する「有休(有給)管理システム」は、ローカル環境で有給管理を行いたい企業向けのソフトウェアです。クラウド型とは異なり、インターネット接続不要で安全性の高い運用が可能。買い切り型のライセンス方式を採用しているため、長期的にコストを抑えながら運用できる点もメリットです。
【参考価格】9,900円/ライセンス(税込み)
有給管理ソフト導入のステップ
導入前の整理が不十分だと、設定ミスや従業員との認識ズレが発生し、かえって管理が複雑化する場合もあります。スムーズに運用を軌道に乗せるために、以下の導入ステップに沿って準備を進めましょう。
- ■1:現行の休暇管理方法と課題を整理する
- 自社が現在どのように有給を管理しているのか(Excel・紙・勤怠システム連携など)を把握し、 ミスが発生しやすい箇所や手間がかかっている業務を洗い出します。 また、年5日取得義務や時間単位有給など、法令遵守の観点で不足している点も確認します。
- ■2:自社の休暇制度・運用ルールを整理する
- 全休・半休・時間単位有給、特別休暇など、組織独自の休暇区分を明確にします。 所属ごとにルールが異なる場合は、部署別の運用ルールも整理します。 この段階で曖昧なルールがある場合は、システム導入前に統一することが重要です。
- ■3:必要な機能を明確にして製品を比較する
- 必要な機能(休暇付与・残日数管理・自動計算・時間単位対応・勤怠連携など)をリスト化し、 それらが満たされているかを軸に複数システムを比較します。 併せて、クラウド型かオンプレ型か、導入コストや運用負荷も確認しましょう。
- ■4:初期設定とテスト運用を行う
- 有給付与日数、付与タイミング、繰越条件、休暇区分などの初期設定を行い、 少人数のチームでテスト運用します。実業務で問題がないか、残日数や付与計算に誤差が出ないかを確認し、 必要に応じて設定を微調整します。
- ■5:従業員への周知・運用開始
- システムの利用方法や申請手順、確認画面の見方などを従業員へ共有し、本格的な運用を開始します。 初期は問い合わせが増えやすいため、FAQやマニュアルを用意しておくとスムーズです。 運用開始後も、定期的に設定の見直しや制度変更への対応を行うことで、安定的な運用が可能になります。
有給管理ソフトの注意点
有給管理ソフトは、休暇付与や残日数管理を自動化できる便利なツールですが、導入前にいくつか注意すべき点があります。まず、休暇区分や付与ルールなど、自社の休暇制度を正確に設定しないと計算ミスが発生する恐れがあります。
また、利用中の勤怠管理システムや給与計算ソフトと連携できない場合、二重入力やデータ不整合が発生し業務負担が増えることもあります。さらに、初期設定には従業員ごとの付与履歴や繰越条件の登録が必要で、導入直後は手間がかかる点にも注意が必要です。
従業員への申請方法の周知が不足すると、運用トラブルの原因にもなります。法改正への対応状況やサポート体制も事前に確認し、長期的に安心して利用できるかを見極めることが重要です。
まとめ
有給管理ソフトは、法令遵守・業務効率化・従業員満足度向上を支える重要なツールです。有給休暇の管理をスムーズにし、人事・総務担当者の負担を軽減できます。
ただし、ソフトによって機能や料金が異なるため、事前の比較が重要です。自社の運用スタイルに適した有給管理ソフトを選び、法令遵守と業務効率化を実現しましょう。
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