勤怠管理システムの導入における価格目安と料金体系
勤怠管理システムの導入を検討する際、まず把握すべきは「初期費用」と「ランニングコスト」の2点です。これらは導入形態や利用人数によって変動しますが、一般的な相場を知ることで適切な予算を組むことが可能になります。
クラウド型の月額利用料は1人あたり300円〜500円が標準的
現在主流となっているクラウド型(SaaS)の場合、1ユーザーあたりの月額料金は300円〜500円程度が最も一般的なボリュームゾーンです。なかには100円〜200円といった格安のサービスも存在しますが、多くの企業が必要な機能や十分なサポート体制を求めると、この価格帯に落ち着く傾向があります。また、月額の総支払い額としては、1万円〜5万円程度で運用している企業が多く見られます。
導入時に発生する初期費用のボリュームゾーンは5万円〜20万円前後
クラウド型は「初期費用無料」を掲げるサービスも多いですが、実際には5万円〜20万円程度の初期コストを支払って導入する企業が多い傾向にあります。これは、自社の複雑な就業規則に合わせた設定代行サービスや、マスターデータの移行支援といったオプションを利用するケースが多いためです。一方で、完全に自社で設定を行うことで初期費用を数万円以下に抑えている企業も存在します。
パッケージ型(オンプレミス)の場合に必要となる構築・保守コスト
自社サーバー内に構築するパッケージ型(オンプレミス)の場合、初期費用は30万円〜100万円以上となり、大規模なシステムでは数百万円に達することもあります。導入後の月額利用料はかかりませんが、維持管理のための保守費用として年間30万円〜100万円程度のランニングコストが発生するのが一般的です。
提供スタイルによるコスト構造の決定的な違い
導入形態によって費用の発生タイミングや保守の負担が大きく異なります。
初期投資を抑えて迅速に開始できるクラウド型のメリット
クラウド型は、自社でサーバーを用意する必要がないため、初期投資を極めて低く抑えられるのが最大の利点です。数日から数週間という短期間で利用を開始でき、法改正に伴うアップデートもベンダー側が自動で行うため、専門知識がなくても運用を継続できます。
カスタマイズ性とセキュリティを重視するオンプレミス型の費用感
オンプレミス型は、自社独自の特殊な就業ルールに合わせてシステムを柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。初期費用は高額ですが、クローズドなネットワークで運用できるため、金融機関などの非常に厳しいセキュリティ要件を持つ企業に適しています。
長期間でのトータルコスト比較
導入1年目はクラウド型が圧倒的に安価ですが、3年以上の長期スパンで比較すると、オンプレミス型との差は徐々に縮まります。特に従業員数が多い企業の場合、クラウド型の従量課金が累積していくため、数年間の総額で見るとオンプレミス型の方がコストメリットが出る逆転現象が起こる可能性も考慮すべきです。
組織の規模に応じた予算算出のシミュレーション
企業規模によって、求められる機能やセキュリティレベルが異なるため、1人あたりの単価にも影響が出ます。
小規模組織コストパフォーマンスを最大化する選び方
従業員が少ない企業では、初期費用5万円〜10万円未満、月額1万円〜3万円未満で運用しているケースが中心です。また、10名〜30名以下の少人数であれば、基本機能を無料で提供しているサービスもあり、コストを最小限に抑えての導入が可能です。
中堅・大企業で単価が上昇する背景と高付加価値機能
一般的にSaaSは人数が増えると単価が下がる傾向にありますが、勤怠管理システムでは大企業ほど1人あたりの単価が高くなる傾向が見られます。これは、単なる打刻管理だけでなく、高度なセキュリティ対応や工数管理、入退室システムとの連携など、付加価値の高いオプションを追加することが多いためです。大企業では初期費用だけで100万円以上、月額でも100万円以上を投じているケースが少なくありません。
基本料金以外に発生しやすい付随費用と追加項目
見積もり時には、月額料金以外の「隠れたコスト」に注意が必要です。
ICカードリーダーや生体認証など打刻用端末の購入代金
PCやスマートフォンでの打刻以外に、ICカードや指紋・顔認証などを用いる場合は、専用のハードウェア購入費用が発生します。特に拠点数が多い企業では、端末代金だけで数十万円の予算が必要になることがあります。
運用をスムーズに軌道に乗せるための初期設定代行や研修費用
システムを社内に定着させるための操作研修やマニュアル作成、訪問サポートなどの費用も考慮すべきです。これらのサポートを利用することで、導入後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用開始が可能になります。
給与計算ソフトや他システムとの連携にかかるオプション料
給与計算ソフトや人事評価システムとのデータ連携は非常にニーズが高い機能ですが、API連携が有償オプションとなっているベンダーも存在します。連携の手間やミスを削減するためには、事前に連携実績や追加費用の有無を確認しておくことが重要です。
勤怠管理システムの具体的な費用をチェック
ここではITトレンドで資料請求できる勤怠管理システムの製品の費用相場を一覧で紹介します。
| 製品名 | 価格 |
|---|---|
| ジョブカン勤怠管理 | 初期費用無料、月額200円~500円/ユーザー |
| KING OF TIME 勤怠管理 | 初期費用無料、月額300円/ユーザー |
| タッチオンタイム | 初期費用無料、月額300円/ユーザー |
| セコムあんしん勤怠管理サービス KING OF TIME Edition | 初期費用無料、月額300円/ユーザー |
| CLOUZA | 初期費用無料、月額200円~/ユーザー |
| KING OF TIME(iビジネスパートナーズ株式会社) | 初期費用無料~、月額300円/ユーザー |
| e-就業OasiS | 初期費用250,000円、月額32,000円※100名で利用する場合 |
| レコル | 初期費用無料、月額100円/ユーザー※最低利用価格3,000円 |
| 楽楽勤怠 | 月額30,000円~ |
| カオナビ勤怠 | お問い合わせください |
| アテンリー | 初期費用無料、月額2,500円~ |
| ハーモス勤怠 | 初期費用無料、月額100円~/ユーザー |
| Time-R(タイムアール) | 初期費用11,000円、月額110円~/ユーザー(税込み) |
| TimePro-VG | 1,500,000円~※最低基本価格 |
| TimeWorks | お問い合わせください |
| キンタイミライ(旧バイバイ タイムカード) | お問い合わせください |
| ShiftMAX | 初期費用500,000円~、月額300円~/ユーザー※最低月額利用料60,000円 |
| 皆伝!勤務管理 | 初期費用は別途お問い合わせ、月額471,000円~※30ユーザーの同時接続を想定したプラン |
| CYBER XEED就業 | 初期費用700,000円~、月額380円~/ユーザー |
| ALIVE SOLUTION TA | 7,000,000円~(パッケージ導入費含む) |
| freee勤怠管理Plus | 月額300円~/ユーザー |
| ジンジャー勤怠 | 月額400円~/ユーザー |
| マネーフォワードクラウド勤怠 | 月額300円/ユーザー |
| TimeBiz | 初期費用13,200円、月額15,840円~(税込み) |
※価格は2025年10月24日時点における実数を表示しています。
各システムの情報は以下記事で詳細を確認してみましょう。
導入にかかる実質的な負担を軽減するための対策
コストを抑えつつ高品質なシステムを導入するためのポイントを解説します。
「IT導入補助金」などの公的な支援制度を活用した資金確保
中小企業や小規模事業者がシステムを導入する場合、「IT導入補助金」を活用できる可能性があります。通常枠であれば導入費用の1/2(最大150万円未満)が補助されるため、実質的な負担を大幅に軽減できます。
最小限の機能から段階的に拡張するスモールスタートの推奨
最初から全ての機能を盛り込むのではなく、まずは必要最低限の機能(打刻・集計など)から導入し、運用状況を見ながらオプションを追加していく方法が推奨されます。これにより、無駄なオプション費用を支払うリスクを回避できます。
無料試用期間での操作性検証によるミスマッチと無駄な出費の回避
多くのサービスでは無料トライアル期間が設けられています。実際に現場の従業員に使ってもらい、操作性や自社の就業規則への対応可否を事前に検証することで、導入後の「使いにくい」「ルールに対応できない」といった失敗による買い直しを防ぐことができます。
費用対効果(ROI)を最大化させるための選定基準
価格の安さだけで選ぶのではなく、導入後の「リターン」を意識することが重要です。
就業規則や独自の勤務体系への適応力が運用の成否を分ける
フレックスタイム制や変形労働時間制など、自社の労働時間制度に対応できないシステムを選んでしまうと、結局手作業が残り、導入メリットが損なわれます。自社の就業規則を網羅できるかが、費用対効果を生むための大前提となります。
現場の従業員や管理者の集計工数を削減できる操作性の確認
手作業で行っていた集計作業が自動化されることで削減できる「工数」を金額換算してみましょう。例えば、月20時間の集計作業が1時間に短縮されれば、その分の人件費削減効果だけでシステム費用を十分に回収できるケースが多くあります。
法改正への自動アップデート対応によるコンプライアンス維持の価値
働き方改革関連法などの頻繁な法改正に自力で対応し続けるには多大な労力とリスクが伴います。クラウド型であれば、ベンダーが自動で法改正に対応したアップデートを行うため、法令違反のリスクを回避できるという目に見えにくい大きな価値があります。
まとめ
勤怠管理システムの費用相場は、クラウド型で1ユーザーあたり月額300円〜500円、初期費用は5万円〜20万円が一般的です。
選定の際は安さだけで判断せず、自社の就業規則への対応可否や操作性を無料トライアルで必ず確認してください。集計工数の削減による人件費カットなどの費用対効果(ROI)を意識し、IT導入補助金も活用しながら自社に最適なシステムを選びましょう。


