モバイルワークとは
モバイルワークとはテレワークのひとつであり、カフェや移動中の電車内など、いつでもどこでも業務可能な働き方を指します。総務省の令和3年の調査によると、テレワークを導入している企業のうち、約3割がモバイルワークを導入しています。
参考:令和3年通信利用動向調査の結果|総務省
テレワークや在宅勤務との違い
オフィス以外で働く働き方には、在宅勤務・サテライトオフィスなどがあります。これらはすべてテレワークの一種です。それぞれの定義や違いを見ていきましょう。
テレワークとの違い
テレワークとは、「tele = 離れて」と「work = 仕事」を組み合わせた造語で、ICT(情報通信技術)を活用した時間や場所に縛られない柔軟な働き方を指します。モバイルワーク・在宅勤務・サテライトオフィスの3つの形態に分類できます。モバイルワークが移動中やカフェで業務を行うのに対して、テレワークは場所の指定がなく、より広義の意味である点が違いです。
なお類似の言葉として「remote=遠隔」と「work = 仕事」をかけ合わせたリモートワークがあります。いずれもオフィスから離れた場所で働くことを指し、明確な違いはないとされています。
参考:テレワーク総合ポータルサイト|厚生労働省
在宅勤務との違い
在宅勤務とは、従業員の自宅で働くことです。場所が自宅に限定される点でモバイルワークとは大きく異なります。
モバイルワークに比べ、在宅勤務はセキュリティのリスクが少ないものの、移動中や外出先で業務ができない分、自由度が下がってしまいます。また業務とプライベートをしっかり区別したい人には、在宅勤務をおすすめできません。
サテライトオフィスとの違い
サテライトオフィスとは、本社や支店とは別の場所に配置された小規模なオフィスのことです。モバイルワークとは勤務する場所が異なります。
なお、サテライトオフィスは安定した通信環境が欠かせない職種に向いています。例えばコールセンターやSEなど、顧客対応を業務とする職種です。
モバイルワークを導入するメリット
モバイルワークは以下のメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。
- ●業務効率・生産性の向上
- ●コスト削減
- ●無駄な移動の削減
- ●ワーク・ライフ・バランスの向上
- ●良質な人材の確保
業務効率・生産性の向上
モバイルワークは在宅勤務やサテライトオフィスよりも時間や場所を問わず仕事ができるため、移動時間などのすきま時間を有効活用できます。
営業担当者であれば、空いた時間を顧客への連絡や訪問に充てられるでしょう。顧客からの問い合わせや急な資料送付の依頼にも、帰社することなく迅速に対応できるようになります。その結果、業務の効率性と生産性の向上につなげられるでしょう。
コスト削減
モバイルワークを導入すれば、大幅なコストカットが期待できます。例えば、営業職では外回りと家を直接行き来することにより通勤にかかる交通費を削減可能です。
また、モバイルワークに大きなオフィスは必要ありません。職場の設備や備品にかかる経費も最小限にできるでしょう。
無駄な移動の削減
働く場所を問わないモバイルワークであれば、ムダな移動を削減できます。会社で資料を補充してから客先に向かったり、顧客先から帰社して書類や日報を作成したり、わざわざオフィスに戻って仕事をする必要がなくなります。
移動時間が短くなり、不要な移動がなくなれば身体的な負担の軽減にもなるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスの向上
モバイルワークはすきま時間の活用や移動時間の削減によって、労働時間の節約にもなります。
業務効率化につながり、残業時間を削減できれば、プライベートの時間を増やしてワーク・ライフ・バランスの向上にもつながるでしょう。
良質な人材の確保
モバイルワークを導入して業務が効率化し、移動時間が短縮されるとワーク・ライフ・バランスの向上に寄与しますが、同時に人材獲得における強みにもなります。
近年、若者の間でワーク・ライフ・バランスや柔軟な働き方は評価されているので、モバイルワークの導入でより上質な人材の確保が可能になるでしょう。
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モバイルワークを導入するデメリット
一方、モバイルワークの導入にはデメリットもあります。では見ていきましょう。
セキュリティリスクがある
モバイルワークは社外で働く機会が多くなるため、セキュリティリスクが発生します。スマホやタブレットなどの端末を外出先で紛失した場合や、外出先の公共無線LANを利用した場合などは、情報漏えいのリスクが高まります。
勤怠管理・業務管理が難しい
モバイルワークは、上司や同僚の目が届かない場所で仕事を行います。そのため、労働時間を正確に算出するのが難しくなるでしょう。必然的に勤怠管理の負担も重くなってしまいます。
さらに各社員は、自分が担当している仕事の優先度や時間の使い方について、オフィスで働いているときよりも管理を徹底しなければなりません。モバイルワークを導入した結果、社員の労働時間が短すぎる、長すぎるといった問題が起きやすくなります。
業務上のコミュニケーションが減る
モバイルワークでは、オフィスでの業務が減ります。必然的に上司や同僚と直接顔を合わせる機会が少なくなり、コミュニケーション不足に陥る可能性があります。テレワークにおける課題であり、在宅勤務やサテライトオフィスにも共通していえるでしょう。
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モバイルワークを成功させるためのポイント
モバイルワークを導入する際のポイントについて詳しく解説します。
セキュリティ対策を徹底する
端末の紛失や盗難に注意を払うだけでなく、万一の紛失に備えてパスワードロックをかけるなどの工夫は必須です。また端末自体には情報を残さず、クラウド上にデータを置くようにすれば情報漏えい対策に有効でしょう。
そのほか、ノートPCやスマホなど端末のウイルス感染にも気を付けなければなりません。常に最新のウイルス対策をしておきましょう。
モバイルワークのセキュリティ対策に役立つツールについて、以下の記事で紹介しています。「MDM」は業務で利用するモバイルデバイスを一元管理できるツールで、リモートロックやリモートワイプなどの機能を有し、端末の紛失や盗難に備えられます。ぜひ検討材料にしてください。
適切な勤怠管理を行う
モバイルワーク導入後の勤怠管理や労務管理は複雑になりがちです。自由度の高いモバイルワークにマッチした勤怠管理のポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
- ●勤怠管理に関するルールを共有する
- ●「中抜け」はフレックスタイム制で対策する
- ●休憩時間については労使協定を結んで柔軟性をもたせる
- ●時間外労働・休日労働の把握を徹底する
参考:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン|厚生労働省
勤怠管理を工夫して、モバイルワーク導入のデメリットをカバーしましょう。勤務時間を打刻する際に位置情報も加えられる勤怠管理システムなど、勤怠管理の負担を減らし効率アップにつながるツールの紹介はこちらの記事をご覧ください。
ビジネスチャットツールを活用する
モバイルワークを含め、テレワークでは社員間のコミュニケーションが減少しがちです。ミーティングの日を設けたり、グループウェアを活用したりと、こまめなコミュニケーションを行うための環境作りが必要です。
またビジネスチャットツールを導入して、コミュニケーションを活性化するのもよいでしょう。SNSのように手軽にやり取りできるツールが多く、ほかの社員のタスク管理も可能になる機能が搭載されているケースもあります。
モバイルワークを導入して、働き方の自由度を高めよう
モバイルワークはテレワークのなかでも特に時間を有効に使える働き方といえます。適した職種で活用すれば、業務効率と生産性の向上が見込めるため、社員のワークライフバランスを確保しながら、ビジネスの拡大も期待できるでしょう。
一方で、モバイルワークはセキュリティ対策や、正確な勤怠管理が必要となるので、勤怠管理システムなどのITツールの活用がおすすめです。社員が安心して働ける環境を整えて、モバイルワークを導入しましょう。