エクセルを使ったタイムカード管理のメリット・デメリット
エクセルを利用したタイムカード管理にはメリットとデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
メリット:自由度が高く誰でも使える
エクセルは非常に自由度が高いです。シンプルな表計算ソフトでありながら、関数やマクロを駆使すれば高度な処理も実現できます。
また、多くの企業ではすでにエクセルが使われており、ほとんどのビジネスマンが基本的な使い方を習得しているのも強みです。新しいソフトを利用するよりも学習にかかる負担が少なく、費用も発生しません。
デメリット:ミスや管理工数が増える
紙で管理するのに比べれば楽ですが、エクセルの入力にも一定の手間が生じ、かつ手入力のためミスやエラーが発生しがちです。また、編集と保存を繰り返していると、
どれが最新版なのか分からなくなる、関係者間での共有が困難、意図的な改ざんなどのリスク
も存在します。
そのほか、近年増えてきたフレックスタイム制やリモートワークなどに対応するには、複雑な関数を組まなければなりません。計算が複雑になるほどシートの構築は難しくなり、トラブル発生時の手間も増大します。効率や正確性を追求したいのであれば、エクセルでの勤怠管理はやがて限界を迎えるでしょう。
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エクセル(関数)を使ったタイムカードの集計・管理方法
続いて、エクセル関数を用いたシートの自作方法を解説します。
1.勤務時間の合計を求める
勤務時間は出社時刻と退社時刻の差から、休憩時間を差し引いて算出します。たとえば、出社が9時、退社が18時、休憩が1時間であれば「18ー9ー1=8時間」という計算になります。
エクセルでこの計算を自動化するには、SUM関数を利用しましょう。上述の例に関して、ある日の出社時刻がB5、退社時刻がC5、休憩時間がD5に入力されるのならば、関数は「=C5-B5-D5」となります。この数式をE5に入力しましょう。
1か月分の表を作り、各日付の勤務時間を算出したら、それらを合計することで1か月分の合計勤務時間を計算しましょう。この場合もSUM関数を用います。上述の例に関して、E5が3月1日の記録なら、E35が3月31日の記録となるはずです。よって、3月の合計勤務時間は「=SUM(E5:E35)」で算出されます。
2.給与計算をする
合計勤務時間を求められたら、これに時給をかけることで1か月分の給与を計算できます。上述の例に関して、合計勤務時間の算出結果をE37、時給の金額をE38に入力したら、給与の関数は「=E37*E38*24」となります。
最後の24は、時刻のデータを正しく計算に反映させるための処理です。エクセルには24時間を1として扱う性質があるため、これに伴う不都合を解消するために24をかけています。
一方、交通費の算出も可能です。1か月分の交通費は「勤務日数×1日当たりの交通費」で計算されます。よって、まずは空白ではないセルを数えるCOUNTA関数を利用し、勤務日数を求めます。合計勤務時間を求める際は「=SUM(E5:E35)」としていたものを、「=COUNTA(E5:E35)」としましょう。
この値をE40、1日当たりの交通費をE41に入力したら、1か月の交通費は「=E40*E41」で求められます。最後に、1か月分の給与と交通費をSUM関数で足せば、支払うべき金額が算出されます。
エクセルで管理する際の注意点
エクセルでタイムカードを管理する場合、出勤や退勤時刻の入力が必要です。勤怠管理システムで起こる打刻漏れは、エクセルでも発生する可能性があります。また時刻の入力ミスが起こることを留意しておきましょう。エクセルは何度も入力ができるため、データ改ざんが行われる可能性も出てきます。
さらに残業代や休日出勤に対して、労働基準法で定められている時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要です。法改正により割増賃金が変わる場合は、計算式を変更しましょう。エクセルでタイムカードを作っている場合は、手動で計算式や関数を変更する必要があります。変更を加えなかった場合は、法律違反になる恐れがあるでしょう。
タイムカードの記録をエクセルで集計・管理する方法2つ
タイムカードの打刻記録をエクセルで集計・管理するには、主に2つの方法があります。
無料で配布しているテンプレートを活用する
エクセルの無料テンプレートは、インターネット上で多く配信されています。勤怠管理用のテンプレートも少なくはなく、ダウンロードすればすぐに使いはじめられます。
無料でありながら高機能なテンプレートも豊富です。
たとえば、あるテンプレートはタイムカードの記録を入力すると、早出や残業などを自動計算してくれます。また、時給計算機能を備え、アルバイトやパートの勤怠管理に適したテンプレートもあります。自社の場合はどのような機能があると便利なのか、事前に洗い出してからテンプレートを選ぶとよいでしょう。
関数を使って自作する
エクセルの関数を用いて、タイムカードの管理シートを自作するのも1つの方法です。利用する関数次第で、勤務時間の集計から給与計算まで行えるようになります。
もっとも基本的なのは、出社時刻と退社時刻の差から勤務時間を算出するシートです。各労働者のタイムカードに記載された時刻をエクセルに転記すれば、勤務時間が自動的に算出されます。また、その勤務時間に時給をかければ、給与の計算も行えます。
一方、マクロを使えば複数の工程をまとめて自動化し、より高度な処理を実現することも可能です。単なる数値の計算だけでなく、データの転記などを含む複雑な工程を自動化したい場合はマクロの利用も検討しましょう。
手入力の煩雑さを解消できる!「勤怠管理システム」とは
タイムカードとエクセルによる勤怠管理に限界を感じたら、勤怠管理システムの導入を検討しましょう。勤怠管理システムとは、タイムレコーダーや勤務時間の算出、有給管理など勤怠管理に必要な機能を備えたITシステムのことです。
記録された打刻データは、リアルタイムに集計されます。そのデータを出力し、給与計算システムに取り込めば、スムーズな給与計算が実現するでしょう。
また、システムによっては、スマートフォンと連動して遠隔地から打刻でき、出張やリモートワークなどの場面で活躍します。
具体的にどのような特徴を備えているかは製品によってさまざまです。自社の働き方などを踏まえ、適切な機能を持った勤怠管理システムを選びましょう。
タイムカードやエクセル以外の勤怠管理方法も検討してみよう
タイムカードの打刻記録をエクセルで集計するには、無料配布テンプレートを利用するほか、関数で自作する手もあります。SUM関数・COUNTA関数を駆使し、打刻記録から自動で勤務時間や給与が算出されるシートを作りましょう。
一方、エクセルでの管理は手間がかかるうえ、入力ミスや改ざんのリスクもあります。安全かつ効率的な管理のために、勤怠管理システムの導入を検討してはいかがでしょうか。
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