人事異動とは
人事異動とは、企業が従業員に命じて、主に組織内で地位・配置・勤務形態を変更することです。年度替わり、期替わりといった定期的な時期に限らず、必要に応じて1年中通して行われます。
また、人事異動の主な種類は以下のとおりです。
- ●転勤:同じ企業内で転居が伴う場合
- ●出向:同じ企業に在籍したまま、親会社もしくは子会社といった関連企業へ勤務
- ●転籍:在籍している企業と雇用契約を解除後、転籍先の企業と締結
- ●部署異動:所属部署が変わること(例:営業部→総務部)
- ●昇進:社内での地位が上がること(例:主任→課長)
- ●降格:社内での地位が下がること(例:部長→課長)
人事異動の目的に応じて、種類や規模は大きく異なります。
人事異動の目的
人事異動は組織を効率的かつ効果的に運営するために実施されます。具体的に、どのような目的で行われるのかを以下で詳しく解説します。
経営戦略を実現するため
企業は市場の変化にあわせて柔軟に組織を変えていかねばなりません。部署の新設や統廃合など、事業規模の変動にあわせた適切な人材配置が求められます。そこで採用活動や人材育成を交えながら、経営戦略実現のための人事異動を実施します。
人材教育に役立てるため
従業員の人材教育の一環として人事異動を行う企業も多いでしょう。定期的な配置転換により、従業員に幅広い経験をしてもらい、多面的に能力の向上を図ります。全社的な視点をもち、分野を問わず能力が発揮できるジェネラリストの育成には最適です。
組織をより発展させるため
長く同じ職種や業務をしていると、マンネリ化による生産性低下が避けられません。人事異動により未知の領域を任せると、チャレンジ精神や新しい知識や経験を得ることにつながります。その結果、モチベーション促進や組織の活性化が期待できます。
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人事異動のメリット・デメリット
効果的な人事異動は組織の活性化につながります。しかし、人材の流出や専門性の低下といったリスクもあります。人事異動のメリット・デメリットをそれぞれ理解したうえで、適切に実施しましょう。
人事異動のメリット
- ●組織のマンネリ化を防ぎ、活性化させる
- ●従業員をさまざまな分野に対応できるジェネラリストに育てられる
- ●従業員のモチベーション向上につながる
人事異動のデメリット
- ●引き継ぎにより業務に遅延が生じる
- ●従業員の専門性を高められない
- ●従業員のモチベーション・生産性低下のリスクがある
- ●希望しない部署への異動は離職につながる可能性がある
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人事異動の手順
従業員は、企業からの人事異動命令を原則拒否できません。そのため、決定までに複数回にわたり打診や面談を実施するのが一般的です。ここでは、人事異動がどのような流れで進められるのかを解説します。
- 1.人事異動の目的を明確にする
- まずは部署の要望や、不足している人材の情報などを収集し、人事異動の目的や理由を明らかにします。このとき、人事データを活用すると部門ごとの偏りや課題が分析しやすくなるため、あらかじめ従業員情報を集約・管理しておくとよいでしょう。
- 2.必要な人材の要件を洗い出す
- 求める人材の要件を定義します。スキルやこれまでの経験だけでなく、性格や業務への積極性・協調性の有無といったコミュニケーションスキルについても検討しておくと、より参考になるでしょう。
- 3.候補者を選ぶ
- 候補者を選ぶ際には複数名リストアップし、誰が業務に最適かを検討します。また、候補者が現時点で所属している部署の上長にも打診し、異動の可否を判断します。
- 4.内示を出す
- 従業員と面談の場を設け、人事異動の目的・選ばれた理由・期待する点などを本人に伝えて合意を得ましょう。人事権は基本的に企業側にありますが、候補者の事情に配慮することも必要です。
- 5.辞令を出す
- 辞令の出し方に明確な決まりはありません。社内の掲示板への掲示やメールなどのツールを用いて出されます。
人事異動を行う際の注意点
人事に関する決定権は企業側にありますが、人事異動命令において裁判などのトラブルに発展した例もあるため慎重に進めなければなりません。人事異動を適切に実施するためには、何に注意すればよいでしょうか。
従業員の事情を考慮する
人事異動は、従業員の意思や家族の状況などを考慮したうえで慎重に行う必要があります。例えば、企業の多くが年度末に人事異動を実施するのは、子どもの進学の影響を考慮している側面もあるでしょう。介護や看護など、人事異動により従業員の生活が成り立たなくなるような事情もため、時期や条件など、お互いに合意の得られるラインを探るとよいです。
人事異動の目的を共有する
業務に対するモチベーションが下がってしまったり「今の部署に自分は必要ないのか」と自信をなくしてしまったりと、従業員が人事異動にマイナスなイメージを抱く可能性もあるでしょう。こうした場合は、人事異動の目的・必要性・選んだ基準・従業員に対して期待することなど、できるだけ丁寧な説明が重要です。
人事異動業務を効率的に進めるには
人事異動を効率的に進めるためには人事システムの導入がおすすめです。人事システムでは従業員のスキルや経験、所属の履歴などのあらゆる情報を一元管理できます。製品によってはタレントマネジメント機能や異動シミュレーション機能を有したものもあります。企業規模が大きくなるほど他部門との調整事項は増えますが、社内の従業員のデータが集約されていると調整業務に無駄な工数をかけずに済むでしょう。
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人事異動の知識を深め、効果を高めよう
人事異動を行う際は、企業の方針や従業員の立場を尊重したうえで、従業員に納得してもらえることが重要です。従業員の情報を集約・管理し、適切に人材育成・配置するには人事システムの導入が効果的といえます。人事異動について理解を深め、より効果的な人事施策を講じていきましょう。