CRMをグローバルに活用するためのポイント
CRMをグローバルに活用するために検討すべきことや具体的な流れについて解説します。ここでは、判断に迷うプラットフォームの標準化・統合化のポイントについても説明するので、自社の状況にあてはめて検討を進めましょう。
事業特性の分析
はじめに事業特性を明らかにしましょう。なぜなら、事業特性によって適切なCRMの運用スタイルが変わるからです。具体的には、以下のような要素を分析しましょう。
- 対象地域
- グローバルかローカルか
- 市場
- 顧客(B to B・B to C)・小売店・競合他社など
- 企業活動
- 資源調達・製品生産・マーケティングなど
以下の記事ではBtoB企業向けのCRM選定ポイントを紹介しています。興味のある方はあわせて一読ください。
標準化する範囲の検討
続いて、分析した事業特性を基にCRMシステムを標準化する範囲を決めます。このとき、特に注目すべきなのが対象地域です。
グローバルな範囲の顧客をまとめて相手にする場合は、1つのプラットフォームですべての地域をカバーできるのが理想的です。情報共有がスムーズになり、統制がしやすくなるでしょう。
ところが、特定の地域のみでビジネスを展開するのであれば、グローバルに情報共有するメリットはあまりありません。むしろ、1つのプラットフォームで多様な地域に対応しなければならない分、負担が増大します。
プラットフォームを統一する場合も分ける場合もメリット・デメリットの両方があるため、吟味して最適な選択をしましょう。
各国の規制対応
グローバルなビジネスは各国のさまざまな規制の影響を受けます。規制の目的は、自国の産業保護や犯罪防止、プライバシー保護などです。特に、CRMをグローバルに活用する際に障壁となるのが個人情報に関する規制です。
例えば、2015年にはロシア保護法改正、2017年には中国サイバーセキュリティ法が制定されました。これらにより、国外に顧客データをもち出すのが難しくなっています。個人情報保護への意識は世界中で高まりつつあるため、今後もこのような規制は増加すると考えられます。各国の動向に注意しながら、規制に最適化したプラットフォームの構築を目指しましょう。
なお以下のページでは、CRM製品の最新ランキングに加え、導入事例の確認ができます。実際にCRMをグローバル展開に活用した事例も紹介しているので、ぜひアクセスしてください。

CRMをグローバルに導入する際のポイント
CRMを導入したのに効果がでない、活用してもらえないなどの事態に陥らないためにも、CRMをグローバル導入する際の注意点について確認しましょう。
導入目的を明確にする
CRMの導入目的を明確化することが大切です。目的が曖昧なままだと、CRMを適切に活用できません。一口にCRMといっても、活用する対象は企業によって異なります。
例えば、新規顧客を獲得したいのと、既存顧客の購買額を高めたいのとでは、CRMの使い方は変わってくるでしょう。できるだけ数値を用いてわかりやすい目標を掲げ、目標達成のために必要な機能や仕組みを探ったうえで、CRMをどう活用するのか詳細なビジョンを描きましょう。
CRMの活用方法にあわせて業務プロセスの変更を求められる場合もあります。既存のルールにCRMを当てはめるのではなく、CRM導入を既存の体制を見直すチャンスと考えましょう。
また、CRMの導入を従業員に納得させるためにも、目的の明確化は欠かせません。理由に納得できなければ、従業員にとっては余計な仕事が増えるだけです。モチベーションが低い状態ではCRMの活用は見込めず、十分な導入効果は期待できないでしょう。
部署間で緊密に連携する
目的を明確にした後は、目的達成までの道筋を明らかにしましょう。具体的には、いつ誰がどのようにCRMを活用するのかを決めます。
基本的に、CRMの導入は全社的なプロジェクトです。さまざまな部署が関わってくるため、互いの利害が対立することも珍しくありません。したがって、利害関係を調節しプロジェクトを進める部署横断的なチームが必要になります。
また、部署同士だけでなく、経営層からも協力を得る必要があります。CRM導入の必要性を十分に説明して、いざというときに支援を受けられる体制を整えましょう。
さらに、導入後のこともよく考えなければなりません。CRMを利用する従業員が異動や退職をしたときに、活用体制に支障が出るおそれがあります。不都合が起きないように、あらかじめ人材を選出しておき、体制を維持できる環境を整えましょう。
CRMをグローバルに活用し、情報管理を最適化しよう!
CRMをグローバル展開に有効活用するためには、自社の事業特性や国ごとの規制についても理解したうえで、システムを最適化させる必要があります。活用ポイントを参考に、自社に最適なプラットフォーム構築を実現し、CRMのグローバル活用を成功させましょう。
CRMの新規導入やリプレースを検討中の方には、以下の記事が役立ちます。資料請求やコンシェルジュサービス(いずれも無料)もぜひ活用してください。
