
RPAとは?ERPとは?
初めに、RPAとERPの概要を解説します。
RPA:定型作業を自動化できるシステムのこと
RPAは「Robotic Process Automation」の略で、パソコン上で行う定型作業の自動化や、そのために用いるロボットのことです。ロボットとは言われますが基本的にはソフトウェアのことで、物理的な実体はありません。データ入力やメール送信など、誰がやっても同じ作業をソフトウェアで自動化することで、人間はより重要な業務に専念できるようになります。
RPAにはサーバインストール型とパソコンインストール型の2種類があります。前者は高度な作業を行えたり、複数のプログラムを同時に実行できたりするのが特徴です。一方、後者は1台のパソコン内で作動し、プログラムを1つずつしか実行できません。
ERP:複数業務を統合管理できるシステムのこと
ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では統合基幹業務システムと言います。会計・人事・生産・物流・販売といった企業の基幹業務を統合管理するITシステムです。従来は個別に管理されていたこれらの情報を一元管理することで、業務の効率化を目指します。
ERPにはクラウド型とオンプレミス型の2種類の導入形態があります。
前者は、インターネットを介して提供されるERP機能を利用する形態です。自社で何かを整備する必要がないため手軽に利用を始められます。一方、後者は自社でサーバなどの設備を整え、そこにERPソフトウェアをインストールして利用する形態です。自社で全面的に管理できる反面、導入や運用に多くの費用が発生します。
RPAとERPを組み合わせるメリットは?
RPAとERPはそれぞれ異なる性質を持つITツールであり、組み合わせて使うこともできます。具体的には、ERPの操作をRPAで自動化するといった利用方法が可能です。では、組み合わせて使うメリットを2つ見ていきましょう。
ERPの管理業務を効率化できる
前述したとおり、ERPは企業の基幹業務を1つのシステム上で担うITツールです。したがって、ERP上では膨大な情報を処理しなければなりません。これを人手で行うのは大きな負担です。
しかし、ERPの操作は基本的に定型作業であるため、RPAに一度覚えさせてしまえば自動化できます。たとえば、インターネットで受けた注文をERPに取り込み、そこから各種帳票類を発行するところまでRPAに任せられます。
ロボットを効率的に管理できる
RPAは比較的開発が簡単なシステムであるため、社内に乱立するおそれがあります。誰が管理しているのか分からないRPAが大量に生まれると、思わぬエラーによって損失が生じたり、その際の対処方法が分からなくなったりします。特に、社員の異動や退職に伴ってそうした野放しのRPAが発生する例が多いです。
しかし、RPAを利用するのがERP上であればそれほど心配は要りません。すべての基幹業務がERP上で行われるため、大量のRPAを用意する必要がないからです。基幹業務の一元化がRPAの一元化にもつながり、効率的な管理が実現します。
RPAとERPを連携させて、高度な業務効率化を実現!
RPAは定型作業を自動化するソフトウェアのことです。一方、ERPは複数の基幹業務を統合的に処理するシステムです。ERPの操作には膨大な手間が発生しますが、これは定型業務であるためRPAで自動化できます。RPAの管理が一元化されるのも付随的なメリットと言えるでしょう。
以上を踏まえてRPAとERPを連携させ、高度な業務効率化を実現しましょう。
