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HRBPとは何か?人事を通じて事業を成功に導いた事例を紹介

2023年11月20日 最終更新

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HRBPとは何か?人事を通じて事業を成功に導いた事例を紹介

最近、日本企業でもHRBPを人事機能に取り入れる企業が増えてきました。その取り入れ方は、従来の人事機能を再編して、人事部門のうち事業部に関わる人事をHRBPへと置き換える方法が主流です。

では、なぜHRBPは注目されるようになってきたのでしょうか。今回はHRBPの意味や必要性について解説します。

この記事は2022年12月時点の情報に基づいて編集しています。
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HRBPとは?

HRBPとはどのようなものなのでしょうか。まずはHRBPの意味や定義について考えてみましょう。

HRBPの定義

HRBPとは、 人事ビジネスパートナーとも呼ばれ、英語のHuman Resource Business Partnerから頭文字をとった略称です。企業における人事機能のうち、主に事業部門の経営者や責任者のパートナーとして、事業成長上の課題を人と組織の面から解決する役割を担います。

その仕事内容は非常に広範囲です。事業成長を実現するために、人・組織におけるあらゆる問題解決手段を通じて支援します。採用、人材育成、制度設計、労務管理までさまざまな知識が求められる仕事です。

ただし、企業によってHRBPの業務内容や意味は異なります。部門所属の人事担当者をHRBPと呼ぶ場合もあれば、部門に対して人事コンサルティングを行う担当者をHRBPとする場合もあります。HRBPは、一般的には概ね部門の課題解決を行う人事担当者を意味するものの、その内容は企業によって微妙に違いが出る概念です。

ウルリッチの定義

HRBPの概念を最初に定義したのは、ミシガンビジネススクール教授であるデーブ・ウルリッチ氏です。ウルリッチ教授は著書「MBAの人材戦略」の中で、 人材獲得競争が激化するこれからの時代では人事機能を大きく変革させる必要があることを提唱しました。人事はこれまでのような事務処理係ではなく、経営者のパートナーとして経営を支援する存在になるべきだと訴えたのです。

同時にウルリッチ教授はこれからの人事に求められる機能を具体的に紹介しました。そして、新たに提唱する人事機能の一つとして、HRBPの考え方を示したのです。ウルリッチ教授はHRBPについて、部門に近い場所で、部門の人や組織の課題に対して専門的な視点から助言や課題解決を行う機能だとしています。

参考:人事部に適した人材とは?グローバル企業で流行する「ウーリック・モデル」| ソイソースマガジンオンライン

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HRBPが求められる背景

HRBPは現在では人事の主要な機能として認知されるようになりました。なぜここまでHRBPが求められるようになったのでしょうか。

社会環境変化の激化

一つ目の理由は、社会環境変化の激化です。近年はAIやロボティクスなど新たな技術が次々と生まれ、既存の産業がデジタルへと置き換わる時代です。例えば、数年前までは古本の売買はまだブックオフが中心的な存在でした。しかし現在ではメルカリが古本売買の中心になりつつあります。

こうした変化の激しい時代では、早く問題を解決することが事業成長を左右します。そのため、なるべく「現場」に近い場所で人や組織の課題解決をするHRBPが求められているのです。

人材獲得競争の激化

かつてものづくり大国と言われた日本では、以前は工場で働く肉体労働者が多く存在していました。しかし現代では、メーカーの多くは賃金の安い海外へ工場を移転し、日本企業の本社従業員のほとんどが、肉体労働を行わない知識労働者になっています。

例えばソニーやパナソニックなどの製品を見てみると、多くが中国やベトナムなどで生産されていることがわかります。本社の従業員は製品の設計や企画を行う仕事に注力しているのではないでしょうか。

こうした知識労働が中心の時代では、設計や企画の質が事業成長を左右します。例えばアップル社はデザインと設計だけを自社で行い、製造は海外の下請け企業に発注しています。iPhoneのような革新的な製品が生まれたのは、優秀な知識労働者がアップル社にいたからです。

つまり現代では、いかに優秀な知識労働者を獲得するかが、企業にとって死活問題になり得るのです。そのため各企業では、優秀な設計者やエンジニアの獲得にしのぎを削っています。優秀な人材をタイムリーに獲得するには、HRBPが部門の人材ニーズを先読みして人材をベストタイミングで供給する取り組みが必要です。

従来の人事のように、年単位のタイミングで人材を獲得していては事業成長のチャンスを逃してしまうでしょう。部門の潜在的ニーズを理解して機動的に動けるHRBPの存在は事業部門にとって重要な存在になってきたのです。

HRBPと従来の人事との違い

HRBPの概念については理解いただけたのではないでしょうか。一方でHRBPと従来の人事とはどう違うのでしょうか。

HRBPとこれまでの人事との違い

ここまで少し触れたように、従来の人事は事務作業や従業員の管理が中心でした。かつての高度経済成長期のように、右肩上がりに経済が成長する時代では、将来を予測することが容易だったため、人事は年単位で必要な人材を用意すれば大丈夫でした。しかし変化の激しい現代では、環境に合わせた積極的な人材獲得や組織パフォーマンスの調整が必要になります。

こうした取り組みを実現するには、人事は「待ち」の姿勢ではなく、変化を先読みして問題を解決する戦略人事の考え方が不可欠です。HRBPは、現代に不可欠な戦略人事の考え方を実現する重要な存在といえるでしょう。

HRBPと部門人事の違い

HRBPは部門の課題解決を行う人事担当者の名称です。一方で部門の担当人事は以前から存在していました。HRBPと部門人事はどう違うのでしょうか。

従来の部門人事は、本社の人事部門の機能を部門で担当する「出張所」のような存在でした。そのため、あくまでも部門における労務管理や勤怠管理、研修実施が中心だったのです。多くの場合は本社人事から指示された事項を部門で実行する役割として機能していました。

しかしHRBPは、本社人事とは関係なく自らの意思によって部門での問題解決を図る機能です。事業成長を実現するために、部門の問題を早く解決することがHRBPの役割です。時には本社人事に対して提案を行うことや、本社の方針に反対意見を伝えることもあります。

かつての部門人事が本社の「出張所」なら、HRBPは部門専属の「人事コンサルタント」と定義できるでしょう。

HRBPに求められる能力

HRBPには広範囲かつ専門的な能力が求められます。具体的にはどのような能力が必要なのでしょうか。

問題解決力

HRBPには高度な問題解決力が欠かせません。部門専属の「人事コンサルタント」と例えることができるほど、HRBPは問題解決が仕事なのです。問題解決力は基本的なロジカルシンキングだけではなく、問題に対して素早く答えを出して早期に解決を図るスピード感も必要です。

スピード感のある問題解決を行うためには、少なくとも2~3年以上の実務経験が必要でしょう。問題解決力はHRBPであれば誰もが求められる基本的な能力です。

人事の専門知識

HRBPは人と組織に関する専門的な知識を生かして問題解決を行います。そのためには、幅広い人事の専門知識が必要です。多くのHRBPは、採用、育成、労務管理などの分野の中から特定の分野に深い専門性を持ちつつ、他の分野に関しても必要最低限以上の知識を持ち合わせています。

また単に実務的な知識だけではなく、専門家として経営学や心理学、組織行動論といった理論を理解することも重要です。

知識と問題解決力が合わさって初めて効果的に問題を解決することができます。HRBPにとって問題解決力がエンジンであるとするならば、人事の専門知識はガソリンと例えることができるでしょう。

コミュニケーション力

HRBPには高いコミュニケーション力が求められます。部門のパートナーとして、部門従業員から信頼されるとともに、部門責任者の相談相手にならなければなりません。

特に部門責任者と議論する際には、プレゼンテーション力や説得力、交渉力が必要です。時には責任者に対して耳の痛いことを伝える必要もあります。外資系企業では従業員に対して業務改善やリストラを宣告する場合もあるでしょう。

高度なコミュニケーション力は、HRBPの仕事に不可欠な能力であるとともに、部門で関係者の間に挟まれがちなHRBP担当者自身を守るためにも必要な能力です。

HRBPの事例

HRBPについて説明してきましたが、実際にHRBPはどのような仕事をしているのでしょうか。最後に具体的なHRBPの事例をご紹介します。

GEのHRBP

GEヘルスケア・ジャパンでは、2016年からHRBP体制を導入しました。HRBPは事業部責任者のパートナーとして経営戦略や方針にしたがって、組織づくりや人材育成を行っています。

事業成長を実現するためにHRBPは各事業部のビジネスモデルを理解したうえで、人と組織における最適な判断を行っています。そのためHRBPは、事業経験のある人物が選ばれるそうです。

また常に事業成長を実現するために、部門従業員に対してどのような能力が必要か、最適な配置は何かを考え続けています。まさにHRBPの雛形として参考になる事例です。

参考:見えてきたHRBPの本質 ~戦略人事 最前線からのレポート~〈HR RUNNERS vol.6〉 | HR Design Lab. by 博報堂コンサルティング

LINEのHRBP

今では定番のコミュニケーションツールとなったLINEも、最近では関連事業を多く立ち上げています。LINE社では各事業の問題を解決するHRBPを設置しています。

担当者に話をお伺いしたところ、LINE社の場合、事業が安定しているSNSのLINE事業と、急激に事業成長している関連事業の両者が同時に存在しています。そのため安定的な事業に求められる人材・組織と、急成長する事業に求められる人材・組織は全くことなるのです。

HRBPはこうした両者の違いを認識しながら、新たに事業を立ち上げた部門では早く人材を供給するとともに、安定的事業では比較的緩やかに問題を解決しています。既存事業と新規事業を両立する人事の在り方として参考になる事例です。

参考:【REPORT】LINEの人事部門が初開催した「HR Meetup」…会社の急成長を支える人事に求められること | LINE HR BLOG

まとめ

近年の人事では、HRBPの機能はどの企業にとっても必要不可欠なものとなっています。企業によっては、HRBPそのものの機能が存在していなくても、人事部がHRBPのように部門の課題をヒアリングしながら問題解決する在り方が主流になりつつあります。

それだけ現代は変化が激しく、タイムリーに人と組織の問題を解決しなければ事業成長に影響がでる時代になりつつあるのです。

もしまだHRBPを導入していないのであれば、まずは部門の課題をヒアリングするところから始めてみてはどうでしょうか。

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