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経験学習とは?基本的な概念と事例を紹介

経験学習とは?基本的な概念と事例を紹介

現代の人事を知るうえで、欠かせない知識がいくつかあります。人事担当者は人と組織の専門家だからこそ、基本的な理論を知ることは業務において必要不可欠でしょう。経験学習モデルも近年の人事にとって重要な考え方の一つです。

そこで今回は経験学習について基本的な概念と事例をご紹介します。

この記事は2022年12月時点の情報に基づいて編集しています。

経験学習とは

あなたが人事担当者であれば、ひょっとすると経験学習という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。それだけ経験学習は、現代の人事においてはメジャーな理論なのです。どのような概念なのか改めて考えてみましょう。

コルブの経験学習モデル

経験学習(Experimental Learning)は、一般的に人事の世界では人がいかにして経験から学ぶかをプロセス化した概念と捉えられています。経験学習の理論の中でも、最も企業に浸透しているのがデイヴィット・コルブが提唱した「経験学習モデル」です。コルブの経験学習モデルは、経験したことを振り返り、人は経験から学ぶことを示した理論です。

企業の研修企画部門では、人材育成の基本的な考え方として取り入れられています。企業が経験学習の考え方を取り入れるメリットは、大きく2つあると考えられます。

一つは経験の属人化を防ぎ、経験で得られた知識を社内で共有できるようになることです。二つ目のメリットは、振り返りの機会が必要である根拠を示しやすくなり、研修部門が研修をしやすくなることです。特に研修の重要性を現場や経営陣に理解してもらうことは時に難しい場合もあるため、経験学習モデルは、研修企画時の説得材料として多く使われてきました。

参考:経験学習の理論的系譜と研究動向

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経験学習モデルのプロセス

デイヴィット・コルブは、従来から提唱されていた学習理論を実務家にも使える経験学習モデルとしてまとめました。コルブの経験学習モデルは、経験から人はどうやって学ぶのかを4つのプロセスで示しています。

1.経験

まず最初のステップは、経験です。人は他者や環境に働きかけることで経験を得ます。コルブの経験学習モデルでは、経験自体には意味はなく、単なる中立的な経験と定義されます。

2.内省

次のステップは内省です。内省は「内省的観察」と呼ばれ、「ある個人がいったん職場や実践の場を離れ、自分自身の行為・経験・出来事を俯瞰的に多様な視点から振り返ること、意味づけること」を意味します。私たちは、内省することで初めて経験に意味を見出せます。

3.概念化

3つ目のステップは、概念化です。自分自身の経験を振り返った後に、その経験から何が学べたのかを考えることです。経験を一般化、概念化すると、ほかの状況でも対応できる知識に経験を変換できるのです。

4.実践

最後のプロセスが実践です。どんなに経験をほかの状況でも使える知識として変換したとしても、その知識が使われなければ意味がありません。経験から学んだ知識を実践し、さらなる学びを得ることができます。

このように、経験を振り返り、知識に変換して、さらに実践することで人は成長するサイクルを生み出せるのです。

経験学習モデルの取り入れ方

ここまで経験学習モデルの概念について説明してきました。では、実際に経験学習モデルはどのように業務に取り入れていけばよいのでしょうか。

人材育成

経験学習モデルが最もよく使われるのは人材育成の場面です。人事部で行う研修に限らず、営業部門や技術部門など現場で日々行われる活動にも経験学習モデルは有効です。なぜなら経験から学び、ほかの状況にも応用ができるようにする取り組みが経験学習だからです。

人事部の研修であれば、研修を日常から離れた内省の場として設定すると社員の経験を知識に変換できるでしょう。現場での取り組みであれば、営業活動で顧客へのプレゼン後に毎回振り返りを行えば、プレゼンでの改善点や良かった点を知識に変換できます。

このように、振り返りを行ってほかの状況に使える知識へと一般化、概念化する取り組みは人材育成の基本的な考え方なのです。

評価制度

評価制度に経験学習モデルを取り入れることで、全社視点で経験学習を促進できます。例えば評価制度にプロセス評価を取り入れ、月1回から四半期に1回程度の面談を行います。面談の中で目標に対してどれだけ到達できたか、そしてなぜ到達できなかったのか、振り返れば社員の成長を促進できるでしょう。

ナレッジマネジメント

近年は社内で知識を共有する重要性が高まっています。以前よりも社会が変化するスピードが高まり、目の前に起きている問題を早く解決することが求められているからです。例えば、新型コロナウィルスの影響のように情報を早く入手できれば、それだけ早く感染拡大防止策を検討できます。問題に早く対処するには、社内での知識共有が不可欠です。

そして早く問題に対処するためには、経験から得られた知識を日常的に社内で蓄積しておくことが重要でしょう。日々社員に振り返りを促し、経験から得られた知識をデータベースに登録する仕組みが必要です。

ある企業では日報を使用して社員の振り返りを促し、日報データを蓄積することでさまざまな状況でも過去の経験から対応できる仕組みが構築されています。このように、ナレッジマネジメントでも経験学習モデルは有効な考え方といえるでしょう。

経験学習モデルの成功事例

最後に実際に経験学習モデルを取り入れている企業の事例をご紹介します。

ヤフージャパン

ヤフージャパンでは、経験学習モデルに基づいた人材育成を行っています。長期的な目標に対する実践を振り返る評価制度と、日々の業務レベルで経験を振り返る1on1によって社員の成長を促進しているのです。

また、社員ひとりひとりに人財育成カルテを作成し、部署の役職者が部下一人ひとりの育成計画を検討する人財開発会議も実施しています。こうした経験学習モデルに基づく長期的サイクルと短期的サイクルの両方を回すことで、会社全体としてのパフォーマンス向上を実現しています。

参考:人財育成|ヤフージャパン

Google

Googleも経験学習の重要性を理解して組織運営に取り入れている企業の一つです。Googleでは、学習は日々の業務の中でも行われると考え、従業員同士でのフィードバックを重視しています。そのためGoogleでは社員同士がつながり、互いに教え合う機会を多く提供しているそうです。

実際にGoogle全社のトレーニングのうちG2Gとよばれる、社員同士で教え合うトレーニングが8割にも及ぶそうです。また、Googleでは上司と部下による1on1も実施しています。このように、社員同士がお互いにフィードバックしあう文化を育てることで人事が研修を行う手間やコストが削減でき、組織パフォーマンスも向上するのです。

参考:学習と能力開発|Google Re:work

まとめ

経験学習モデルは、一見すると抽象的でわかりづらい概念のように思えます。しかし、よく調べてみると経験学習モデルは、私たちの日々の業務で何気なく実践している理論であることに気づくでしょう。

同僚同士で教え合うことや、日々の仕事を振り返ることは特別なことではありません。誰もがすぐ取り組めて、簡単に学びを得られる方法です。ぜひ経験学習モデルをもとに、振り返りや互いにフィードバックすることを実践してみてください。

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