ICカードを使った勤怠管理システムとは
勤怠管理システムの中には、ICカードで打刻ができる製品もあります。ICカードをカードリーダにかざすだけで出退勤時刻が記録される便利なシステムです。利用できるICカードの種類や用意するものについて解説します。
ICカードの種類
勤怠管理システムで活用できるICカードの種類として以下のものがあります。
- ■FeliCa(フェリカ):ソニーの非接触ICカード
- 日本ではメジャーなカードで、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードやおサイフケータイ、WAONやnanaco、Edyなどの小売店系ICカードがある。
- ■Mifare(マイフェア):NXPセミコンダクターズ社の非接触ICカード
- 国際的に広く使われている規格で安価なのが特徴。日本ではマイナーだが、Taspoや社員証などで使われる。
ICカードリーダーの準備が必要
ICカードを利用して打刻を行う場合には、専用のカードリーダーが必要です。PaSoRi(パソリ)などパソコンにつなげて利用するものや、壁付けにして利用するタイプのカードリーダーなどがあります。
現状、多くの勤怠管理システムがICカードでの打刻に対応しており、導入のハードルはそう高いものではありません。2021年度のITトレンド上半期ランキング(勤怠管理システム・就業管理システム部門)においても、ランクインしたほとんどの製品がICカードに対応していました。
以下の記事で、人気の勤怠管理システムを確認できます。対応できる打刻方法やICカードの種類もわかるので、ぜひ参考にしてください。
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ICカードを使った勤怠管理システムのメリット
まずはICカードを用いた勤怠管理システムのメリットを3つ紹介します。
- ●簡単に導入できる
- ●打刻・集計業務を効率化できる
- ●コスト削減も期待できる
簡単に導入できる
ICカードによる勤怠管理システムは、導入の手間が少ないのが魅力です。まず、パソコン上で操作する勤怠管理システム本体と、ICカード、カードリーダー以外に準備するものはありません。また、交通系ICカードなどに対応したシステムを選べば、ICカード自体は新たに用意する必要もないでしょう。従業員にとっても持ち物が増えずに済み、気軽に利用できます。
打刻・集計業務を効率化できる
一般的な勤怠管理システムでは、始業・終業時刻を手入力します。しかし、これでは入力のたびにシステムにログインしなければならないうえ、入力ミスのリスクも高いです。
一方ICカードを使う場合、従業員情報とICカード情報を紐づけられれば、カードリーダーにかざすだけで打刻が完了します。複雑な設定も必要ありません。適切な労働時間管理ができ、正確な給与計算にもつながります。
さらに交通系ICカードを利用する場合は、交通費精算をまとめて行えるのも魅力でしょう。交通系ICカードには交通機関の利用履歴が残っているため、正確な交通費精算が実現します。
またICカードを使った勤怠管理システムは、不正打刻を防ぎやすい点もメリットです。一般的なタイムカードでは同僚に代理で打刻してもらうなどの不正が成立しますが、交通系ICカードなら、それを誰かに貸せば通勤時に困るため、不正が行われにくくなるでしょう。
コスト削減も期待できる
先述したように、すでに従業員が保有しているICカードを利用できるため、会社は新しくICカードを作る必要がありません。発行から配布までの手間がなくなり、紙のタイムカードと違い保管場所も不要です。また従業員にとっても、カードを何枚ももつ煩わしさから開放されるメリットもあるでしょう。
ICカード対応の勤怠管理システムがおすすめな企業
ICカードの社員証をすでに導入している、従業員の多くが交通系ICカードや決済系ICカードを所持しているといった場合以外にも、導入を検討したいケースがあります。ここでは、ICカード式の勤怠管理システムが適した企業について解説します。
人の出入りが多い場合
工場や飲食店・小売店などにはICカードを使った勤怠管理システムがおすすめです。こうした業種で手書きやタイムカード方式の勤怠管理を行うと、集計・給与計算などの際も転記や入力作業など管理者の負担が大きくなり、コア業務に手が回らなくなる恐れがあります。
ICカード方式ならワンタッチですぐに勤怠情報を登録でき、集計もシステムが自動で行うため、事務作業に割く時間を短縮できます。管理担当者がコア業務に集中できるためビジネス全体の生産性向上につながるでしょう。
交通機関を使った移動が多い場合
営業先への訪問など交通機関を利用することが多い場合、交通費の申請も増えますが、これには意外と工数がかかります。
勤怠管理システムには交通費精算機能を使えるものもあり、交通費の清算も勤怠情報と一緒に処理できるでしょう。またスマホ対応の勤怠管理システムと組み合わせて使えば、打刻や交通費精算だけでなく直行直帰申請もできるようになり、営業職の働きやすさ向上に貢献できます。
ICカード対応の人気の勤怠管理システムを紹介
2021年上半期ITトレンド資料請求数ランキングをもとに、ICカード対応の勤怠管理システムTOP3の製品を紹介します。
《ジョブカン勤怠管理》のPOINT
- 働き方改革関連法案にも対応!
- 勤怠管理・シフト管理共に業界トップクラスの機能をご用意!
- 導入実績70,000社以上! あらゆる業界、企業規模に対応可能!
「ジョブカン勤怠管理」は2021年ITトレンド上半期ランキング1位、導入実績60,000社以上を誇るクラウド型勤怠管理システムです。出退勤管理・シフト管理・休暇申請管理など豊富な機能を搭載しており、SuicaのなどのFelicaカード打刻にも対応しています。トライアルは30日間できるほか、無料プランも提供しているのでぜひお試しください。
《タッチオンタイム》のPOINT
- 勤怠管理システム シェアNo.1 / 利用ID数230万突破!
- 働き方改革で義務化となる 有給休暇、残業時間の管理ができる!
- 初期費用0円、300円 /人の従量課金制で導入しやすい
「タッチオンタイム」は、低コストで運用できるクラウド型勤怠管理システムです。指紋認証・ICカード認証・従業員ID+パスワード認証の三種類の認証方法から選択でき、PC不要の「タッチオンタイムレコーダー 」は一番人気のタイムレコーダーです。またICカード認証用にPaSoRi(パソリ)のタイムレコーダーはもちろん、Webブラウザ打刻、指ハイブリッド認証(指紋+指静脈)など、さまざまなタイムレコーダーも用意しています。
《KING OF TIME》のPOINT
- 18年以上要望に応え続けた圧倒的信頼性!細かな要望に応えます!
- 導入から運用後も。豊富なノウハウと体制万全のサポート!
- 2019年4月からの「働き方改革関連法」にもバッチリ対応!
「KING OF TIME」は、アクティブユーザー200万人以上の圧倒的信頼性を誇る勤怠管理システムです。液晶付きのICカードリーダー専用端末やPC接続するタイプのICカードリーダー、指ハイブリッド+ICカードリーダーなど、ニーズに合わせたさまざまなタイプのICカードリーダーを提供しています。
このほかにもICカードに対応した勤怠管理システムは、多くあります。ひとまず最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
ICカードを使った勤怠管理システムの選び方
最後に、ICカードを使った勤怠管理システムの選び方を解説します。機能面やセキュリティに注目してみましょう。
必要な機能が搭載されているか
勤怠管理システムには、打刻以外の機能も備わっています。自社の場合はどのような機能が必要なのか検討して製品を選びましょう。
具体的には、以下の機能を備えている製品があります。
- ■勤務集計
- ■労務アラート
- ■申請(残業、有給など)
- ■交通費精算
- ■シフト管理
- ■工数管理
- ■日報作成
- ■年末調整
- ■データのダウンロード(Excelファイルなど)
- ■他システムとの連携(給与計算システムなど)
- ■打刻忘れなどへのアラートメールやプッシュ通知
- ■食事管理(弁当の注文など)
- ■多言語対応
例えば、営業職の社員が多いのなら日報作成が役立つでしょう。またビジネスを海外展開しているのなら、多言語への対応機能も重要です。製品によっては、実際に使ってみなければよくわからない機能を備えているケースもあります。できれば導入前に無料トライアルなどを利用し、使用感を確認しましょう。
セキュリティ対策は万全か
勤怠管理システムにおいて、セキュリティ対策は非常に重要です。まず、勤怠情報には社員の個人情報が含まれます。特にICカードを利用する場合は、カードに保存されている交通機関の利用履歴やクレジット情報も管理しなければなりません。これらが流出すれば、社会的信頼を大きく損なうでしょう。
さらに、企業は勤怠管理情報を一定期間適切に保存することが義務付けられています。管理を怠れば法律違反になる可能性もある以上、十分な注意が必要です。
したがって勤怠管理システムを選ぶ際には、セキュリティ対策にも注目しましょう。例えばプライバシーマークやISO27001を取得している企業は信頼性が高いといえます。また自社内でセキュリティ対策を施したいのなら、クラウド型より自社でサーバを管理するオンプレミス型のシステムがよいでしょう。
ICカードを使った勤怠管理システムを導入しよう
人の出入りが多い職場や交通機関を使った移動が多い場合には、ICカードを使った勤怠管理システムを導入することで、打刻や集計作業を効率化できます。
また従業員をが保有するICカードを活用するので、新規でカードを作成する手間やコストが省けます。さらにシステム本体とタイムレコーダーさえあれば、利用開始できるので導入も容易でしょう。
自社に必要な機能を洗い出し、セキュリティ対策が十分施されているかを確認したうえで、最適な勤怠管理システムを導入してください。