
ERPにおけるRFPとは?
ERPにおけるRFPとは、ERPベンダーに製品の提案を依頼する書類のことです。 自社に最適なERPを導入するのに役立つため活用されています。
現在のERPは、国内だけでなく海外企業も多く導入しており、機能や料金も多種多様です。そのため、既存のラインナップから自社に最適なERPを正確に選ぶためには情報の整理が必須といえます。
RFPの目的は
RFPの目的は、自社の求める機能をベンダーに伝え、よい提案を受けることです。ベンダーからの提案が自社の希望にマッチするほど、導入後の業務効率化も進みます。
そこで、ベンダーに製品の提案を依頼するRFPをしっかり作成することで、「どのようなERPを希望しているか」が正確に伝わります。あらかじめ必要な機能やスペックが分かるため、製品のミスマッチが起きにくくなるのです。
RFIよりも詳しい情報が得られる
RFIは、提供製品の基本スペックや種類、実績などの情報の開示を、ベンダーに依頼する書類です。べンダーに情報を求めるという点ではRFPと同じですが、RFPよりも情報の精度が低くなります。回答期間は短めですが、カタログやパンフレットに載っている程度の情報しか得られず、依頼の内容も基本的なことが多くなります。
一方RFPは、「提案の範囲や要件」「提案者に守ってほしいこと」などが明確に決まっており、依頼の内容も多種多様です。ベンダーの回答範囲が限定されているため、その分価値のある情報を取得できます。たとえば見積金額などは、より正確に提示されるでしょう。
つまりRFPを提出する前段階に行うのが、RFIとなります。
コレが基本!RFPの作り方
RFPの具体的な作成方法を紹介します。作成のタイミングは、開発ベンダーとの契約から、数カ月前が一般的です。書類内容は、大まかに分けると3項目あります。
1.自社の現状・システム構築の目的
自社の現状やERP導入の目的などを、ベンダーに分かりやすく説明します。詳細なほど自社に最適な提案が受けられるので、会社の方針や人材の有無、優先的に解決すべき課題なども具体的に記載しましょう。作成の際は、RFPによってERPの全体像が分かるように、問題の背景や環境も明記してください。
それぞれの課題解決が、目標の方向性とマッチしているかが大切です。
2.機能・導入要件
必要な機能・人材・予算・スケジュールなど、ベンダーに回答してほしい内容を書きます。コストが過大にならないように、現実的な範囲での要望を記載しましょう。既存システムの種類や連携方法・頻度、サーバのOSやブラウザ、ウイルス対策ソフトなど、導入後に想定されるシステム環境も提示します。
開発メンバーは、この段階で決めるのがおすすめです。プロジェクトリーダーは、性格や人柄、ベンダーとの相性によって決めます。
導入要件は、「4W1H」の型に当てはめると書きやすいです。
3.補足事項
検討事項・提案書への記載順・対応窓口・選定基準など、書類の提出に関する細かな事項をまとめます。作成段階では解決できない疑問点を記載しておくと、回答を得られやすいのでおすすめです。
補足事項をしっかり書くことで、複数のベンダーを比較検討しやすくなります。検討過程や内容を客観視する効果もあるため、最終チェックという観点でも活用可能です。
ERP導入を成功させる!RFPの作成ポイント
RFPの作成において、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
機密保持契約を交わす
ベンダーに情報を提示する際は、機密保持契約の締結が必要です。機密保持契約がない場合、どこまで情報を開示すればよいか分からず、RFPの内容が薄くなります。依頼内容が不十分だと、ベンダーも最適な回答ができません。
機密保持契約を結ぶことで、自社の機密情報を必要な範囲で必要なだけ提供できます。複製の許可や使用後の返却・廃棄についても設定可能なので、情報提供後の漏えいリスクも抑えられるでしょう。
具体的な回答を得られるようフォーマットを工夫する
求める回答を得るために、回答形式をある程度統一し、質問も詳細に書く必要があります。ベンダーごとに回答形式が異なると、複数のベンダーを比較検討するときに混乱するためです。
詳細な回答が欲しい場合は、Excelファイルなどで別途回答フォーマットを作成しましょう。見積金額も、ライセンス費用・メンテナンス費用・5年総額など、項目を指定しておくと分かりやすいです。求める回答内容を記したチェック表を、RFPに添付するのもよいでしょう。
誰が見ても読みやすい内容にする
作成の際は、専門用語や難しい言い回しは避けましょう。誰が見ても読みやすい内容にすることで、提案を受けられる可能性が高まります。記載する内容は、以下を参考にしてみてください。
- ■機能要件
- ■導入目的や背景
- ■優先的に解決すべき課題
- ■予算
- ■システム環境
- ■スケジュール
上記の内容なら、適度なボリュームになり、ベンダーも理解しやすいです。
RFPを作成して、自社に最適なERPを見つけましょう
RFPは、ERPベンダーに製品の提案を依頼する書類です。自社のシステム環境や要望を伝える重要な書類なので、慎重に作成しましょう。作成手順は、以下のとおりです。
- 1.自社の現状・システム構築の目的を書く
- 2.機能・導入要件を書く
- 3.補足事項を書く
作成時は、機密保持契約を交わし、回答フォーマットを工夫します。誰が見ても分かる内容にすることも大切です。
RFPを作成して、自社に最適なERPを見つけてください。
