人事評価システムとは
人事評価システムとは、人事評価に関わる業務を自動化するためのシステムのことです。従業員それぞれの業績や能力を適切に評価し、給与や昇級、人材の配置に反映させるまでの一連の流れをサポートしてくれます。
具体的には、評価シートの作成や目標設定・達成度合いの確認、フィードバックなどがシステム上で可能になります。これまで人の手で行ってきたデータ収集や管理、分析といった手間を、削減できます。
人事評価システムは、人事評価業務の標準化や業務負担の軽減を目的に、すでに多くの企業で導入されています。
人事評価システムの詳細機能や導入メリットについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
医療・介護業界に人事評価システムが必要な理由
システムを導入すれば、人事評価に関わる業務負担を軽減できます。従業員一人ひとりのデータをシステム上で一元管理し、個々の目標設定から達成までの進捗も把握・共有できるでしょう。各種データをもとに自動で評価・分析する機能もあるため、従来よりも客観的な評価結果の提示が可能になります。
また労務管理や勤怠管理、給与計算システムとの連携も可能です
- ・人事評価システムによって得られた結果を給与に影響させる
- ・労務・勤怠管理で得られたデータを評価に反映させる
人材不足や業務負担の増加が問題視される医療・介護業界では、人事評価システムが特に重要視されている状況です。システム導入が必要だといわれる、3つの理由を解説します。
従業員の早期離職を防ぐため
特に介護業界において、人材不足は非常に大きな問題となっています。高齢化が進むにつれて、介護サービスのニーズは増加する一方で、労働人口は緩やかに減少しています。介護職に対する「体力的にも精神的にもきつい」「低賃金」といったイメージは根強く、必要とされる人員を確保するのに、苦労している事業所は決して少なくありません。
また介護事業所における人材不足問題は、離職率の高さが原因になっているケースも多く見られます。限られた人員でハードな仕事をこなしているにもかかわらず、適正に評価されなければ不満は溜まる一方です。人材不足が恒常化している介護業界では、求人情報も常に豊富です。より適正に評価してくれる職場を求めて、転職を考える人も少なくないでしょう。
人事評価システム導入によって公平・公正な評価が可能になれば、状況は変わります。不満が溜まるのを防ぎ、モチベーション向上に役立てられる可能性があるでしょう。適切に評価されているという思いが、早期離職予防につながります。
効率よく人材を育成するため
人事評価システムを活用すれば、システム上で従業員それぞれの目標と達成度を管理できるようになります。情報が見える化され、わかりやすく管理できるようになることで、一人ひとりの自発的な行動を促せるでしょう。
目標を立ててはいても、達成のために具体的に何をすべきなのかわからない人は少なくありません。ひと目で把握できるようになれば、具体的な行動につながりやすくなるはずです。また周囲と情報共有できれば、フォローやアドバイスといった関わりも増えていくでしょう。効率のいい人材育成につなげられます。
従業員の入れ替わりが激しい介護の現場において、人材育成の効率アップは急務です。システム上で共有された情報を人材配置に活用することで、より効率のよい事業所運営ができるでしょう。
人事評価業務負担を軽減するため
さまざまな勤務形態がある医療・介護業界において、人事評価業務は非常に複雑です。また人と人との関わりが基本となるなか、評価を数値化するのが難しいという事情も抱えています。人事評価を担当する側の負担は、非常に重くなってしまうでしょう。
事業所によっては、1人で大人数の評価を担当せざるを得なくなることもあるでしょう。膨大な事務作業を処理するなかで、評価の仕組みそのものが形骸化してしまうようなケースも多く見られます。
人事評価システム導入によって関連業務を効率化できれば、その分の人手や時間をそのほかの場所に回せます。評価ののちのフィードバックや教育に力を入れるようになるでしょう。
介護・医療業界向け人事評価システムの選び方
実際に人事評価システムの導入を検討する際、介護・医療業界ではどこに注目して選べばよいのでしょうか。選び方のポイントを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
必要な機能が搭載されているか
人事評価システムに搭載されている機能は、製品によって異なります。必要な機能が備わっているかどうかを、最初に確認しておきましょう。
人事評価システムの主な機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・従業員情報管理機能
- ・目標設定機能
- ・進捗管理機能
- ・評価機能
- ・人事管理機能
これらが搭載されていれば、従業員それぞれの目標や評価、人事にまつわる情報を一元管理できるでしょう。介護・医療現場では、これらに加え、以下のような機能が搭載されているとより便利に使えます。
- ・評価項目カスタマイズ機能
- ・コミュニケーション促進機能
先述のとおり、医療・介護業界における人事評価は非常に複雑です。また何をどう評価するのかは、事業所によって異なるでしょう。カスタマイズ機能があれば、運営実態に沿ったきめ細やかな対応が可能となります。
またスムーズな事業所運営のために、従業員同士のコミュニケーションは必須です。システムを通じてきっかけを増やせれば、より働きやすい環境を実現できるでしょう。
サポートが充実しているか
新たなシステムを導入・運用するためには、専門知識を備えた担当者が必要となります。しかし、ただでさえ人手不足が深刻な医療・介護現場において、条件に該当する人材をすぐに確保できるとは限りません。だからこそ、サポートが充実しているシステムを選ぶことも重要です。
何か問題が発生した際に、システム提供企業が素早く対応してくれれば、従業員の負担は最小限に抑えられます。導入時のサポートが充実していれば、スムーズに運用を開始できるでしょう。
操作性に優れているか
人事評価システムは、あくまでも業務負担を軽減するためのツールの一つです。たとえ多くの機能を搭載していても、それを使いこなせなければ意味がありません。特に医療・介護業界では、人事評価システムを扱う人がITスキルに明るいとは限らないでしょう。
直感的に使えるかどうか、できれば本格導入前のデモ利用で確認しておくのがおすすめです。
介護・医療業界で人事評価システムを導入する場合の注意点
人同士が深く関わる医療・介護業界では、一般企業とは異なる評価基準が存在します。人事評価システム導入時には、こうした特殊な事情に対応できるかどうかが重要なポイントとなるでしょう。
勤怠状況や担当業務への意欲・姿勢などを評価する情意評価や、数値に表せない項目を評価する定性評価。これらは介護・医療業界との相性もよいものです。2つを含めた、さまざまな評価手法に対応できるシステム設計が必須だといえるでしょう。カスタマイズなどで対応してもらえるシステム提供企業を選ぶことが大切です。
医療・介護現場におすすめの人事評価システム
医療・介護現場で人事評価システムを導入するなら、どれを選べばよいのでしょうか。おすすめ人事評価システムを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
《sai*reco(サイレコ)》のPOINT
- 評価スケジュールの設定や、評価シートの配布・回収・保管が可能
- リマインドや評価調整をシステムで実施、評価時期の業務を効率化
- 評価制度構築や教育研修、給与代行などの人事課題解決もサポート
《CYDAS》のPOINT
- 組織の評価制度にあわせて柔軟に評価シートを設定できる
- 成長につながる評価サイクルを回す仕組み作りができる
- 業務アウトソーシングで評価運用をまるっとおまかせ可能
《360(さんろくまる)》のPOINT
- 評価を実施時のみ料金が発生。管理画面いつでも利用できる
- 結果の資料を自動作成、フィードバック資料として使える
- スマホ・タブレットでいつでもどこでも評価を入力できる
《HR-Platform》のPOINT
- 面倒な調整や試算関連業務もクラウド上で完結!
- 専門的なスタッフによる要件定義で導入はおまかせ!
- 評価制度の変更や人事異動の設定もラクラク対応!
Geppo(ゲッポウ)
「Geppo(ゲッポウ)」は、株式会社リクルートと株式会社サイバーエージェントの社内サーベイより生まれた人事業務サポートツールです。従業員のコンディションを把握できる個人サーベイと、組織が抱える課題を明確化できる組織サーベイの両方からアプローチ可能です。個人向けの質問数が少なく、従業員側が負担なく利用できるというメリットがあります。専任従業員による充実したサポートも魅力的です。
人事評価システムの導入で医療・介護が抱える課題を解決しよう
医療・介護現場が抱える人手不足や従業員の不満感といった課題は、非常に深刻です。人事評価システムの導入によって解決できる可能性は高いため、ぜひ積極的に検討してみてください。医療・介護現場で本当に使えるシステムを導入するためには、導入前の比較検討が必須です。まずは気になるシステムの資料請求からスタートしましょう。