コールセンターの顧客満足度を高める重要性
企業の顔ともいえるコールセンターでは、顧客との関わりが密接です。製品やサービスに関する問い合わせはもちろん、クレームを受けることもあるでしょう。コールセンターの応対品質が企業評価に直結します。
コールセンターの応対品質は顧客満足度として数値化されます。顧客満足度が低いと企業のイメージダウンにつながり、些細な事案でもトラブルに発展するかもしれません。
そのため、コールセンターの顧客満足度を向上させようと、さまざまな施策に取り組まなければならないのです。
ただ、顧客満足度調査を定期的に行っているコールセンターは多くはない、というのが現状です。顧客満足度を高めることの重要性を再認識すべきでしょう。
コールセンターにおける顧客満足度を測る指標
コールセンターにおいて顧客満足度を測る指標には3種類があります。それぞれ紹介します。
CS(顧客満足)
CSとは、製品・サービスに対して顧客が満足している度合を表す指標です。コールセンターにおいては、問い合わせした顧客が結果的に問題を解決して満足できたかわかります。
アンケートやヒアリングで顧客満足度調査が行われます。問い合わせ対応の満足度を段階的に評価してもらうと、CSが数値化され、把握しやすくなるでしょう。また、具体的な意見・要望を述べてもらったりして、顧客の声を集めます。
これらのデータはサービス改善や維持に役立てられます。
CX(顧客体験)
CXとは、製品やサービスを利用する中で得られる感動や喜びなど、顧客が感じた心理的な価値を指します。
コールセンターにおいては、オペレーターの態度やつながりやすさ、問題解決までのスピードといった、CSに至るまでの「プロセス」を主観的に評価したものです。この点が、「結果」だけにフォーカスしているCSと異なります。CXが高いと、CSも高くなります。
NPS(顧客推奨)
NPSとは、顧客ロイヤリティを表す指標であり、顧客が製品・サービスを知人に薦める可能性を数値化したものです。電話対応後に顧客にNPS調査フォームを送って記入してもらい、NPSを把握できます。
この調査により、顧客の製品・サービスや企業への愛着度を知ることが可能です。NPSの算出方法は以下のとおりです。
- 1.製品・サービスを推奨する可能性を11段階に分ける
- 2.顧客を「推奨者」「中立者」「批判者」に分ける
- 3.NPS(%)=推奨者(%)ー批判者(%)
CSとNPSの違いは、指標に企業への愛着や信頼が影響しているかどうかです。CSには企業への愛着や信頼は影響しません。一方、NPSは企業イメージや製品・サービスの良し悪しといった、さまざまな要素が数値に影響を与えます。
コールセンターの顧客満足度を向上させる方法
コールセンターの顧客満足度を向上させるにはどうすれば良いのでしょうか。効果的な4つの方法を紹介します。
オペレーターの育成
コールセンターの顧客満足度向上に、オペレーター育成は有効です。
オペレーターのスキルには差があります。どの程度のレベルを求めるのか、明確な基準を設けましょう。こうすることで育成しやすく、オペレーター自身もモチベーションが維持できます。育成する際、以下のポイントを重視すると良いでしょう。
- 正しい言葉遣い
- 顔が見えない分、オペレーターには正しい言葉遣いが求められます。
- 商品、サービス知識
- 商品・サービスの基本的な知識は必須です。
- トークスクリプト作成
- トークスクリプトを作成することで、オペレータースキルの底上げが可能です。同じものを長く使用せず、中身のブラッシュアップを行いましょう。
オペレーターのCSに対する意識付けも重要です。全オペレーターがCS向上にベクトルを合わせる取り組みを行ってください。オペレーターが油断しないよう、ミステリーコールを実施するのも良いでしょう。
アクセス環境の整備
顧客の問題や質問に対しスピーディーに応えることが、顧客満足度の向上につながります。そのため、顧客が知りたい情報を即座に検索できる環境の整備が大切です。
蓄積した情報を分類・整理して、オペレーターの使いやすいFAQシステムを構築しましょう。情報の更新も定期的に行ってください。検索結果の内容に沿って回答するだけで良いFAQシステムは、オペレーターの応答スキルの平準化につながります。
さらに、オペレーター全員が顧客情報にアクセスできる体制を導入しましょう。購入や対応履歴を閲覧しながら、顧客に応じたきめ細やかな対応が可能になります。
顧客向けFAQの整備
顧客向けのFAQも充実させると、効率的に問題を解決できるので顧客満足度を高められます。コールセンターに問い合わせするほどの問題でもなく、自身で問題を解決したい顧客にとってFAQは最適です。顧客はいつでもどこでも情報を検索でき、問題を解決できます。
FAQにはよくある問い合わせといった、顧客からの需要の高い情報を多く記載しましょう。
コールセンターシステムの活用
コールセンターシステムとは受電業務を効率化するシステムです。
自動応答・自動着信分配といった、顧客満足度の向上につながるさまざまな機能を搭載しています。トーク内容を録音し、通話内容をモニタリングしたり、ロジカルに分析できたりする機能もあり、オペレーター育成に役立つでしょう。
さらに、コールセンターシステムには顧客情報を管理・分析するCRM機能をもつ製品もリリースされています。顧客情報を一元管理できたり、コール中にFAQを検索できたりする機能が搭載され、顧客満足度の向上が可能です。
コールセンターの顧客満足度を向上させ、企業評価を高めよう
コールセンターの顧客満足度はセンターの応対品質を表し、企業評価に関わるため非常に重要です。顧客満足度を測る指標には、CS・CX・NPSがあります。コールセンターの顧客満足度向上に有効な方法は以下のとおりです。
- ■オペレーターの育成
- ■アクセス環境の整備
- ■顧客向けFAQの整備
- ■コールセンターシステムの活用
以上を踏まえ、顧客満足度を向上させましょう。