ERPアプリとは
ERPアプリとは、会計や販売、購買、在庫、人事などの基幹業務を統合管理するERPを、スマートフォンやタブレット、Webブラウザから利用しやすくした仕組みです。外出先や在宅勤務中でも業務状況を確認できるため、承認待ちや情報共有の遅れを減らしたい企業に向いています。
例えば、外出中の管理職が経費申請を承認したり、営業担当者が受注状況を確認したりできます。社内に戻らないと処理できない業務を減らせる点が特徴です。ERPをアプリやモバイル端末から使えるかどうかは、働き方や拠点運営の柔軟性にも関わります。
スマートフォンアプリとの違い
ERPアプリという言葉は、スマートフォンにインストールする専用アプリを指す場合と、クラウドERPをモバイル端末から使う場合の両方で使われます。
比較時は「専用アプリがあるか」だけで判断せず、スマートフォンのWebブラウザでどこまで操作できるかも確認しましょう。承認や閲覧だけでなく、入力や添付ファイルの扱いまで見ると実務にあうか判断しやすくなります。
クラウドERPとの関係
ERPアプリを検討する企業では、クラウドERPが候補に入る傾向があります。クラウドERPはインターネット経由で利用するため、社外や在宅勤務でもアクセスしやすいからです。
ただし、すべてのクラウドERPが同じ操作性とは限りません。画面の見やすさや権限設定、通信環境が不安定な場合の扱いも確認しておくと安心です。
ERPアプリでできること
ERPアプリでできることは、製品や権限設定によって異なります。代表的なのは、申請承認や業務データの確認、レポート閲覧、通知の確認です。現場で必要な操作を整理すると、自社に必要な機能を見極めやすくなります。
申請や承認を進める
ERPアプリの活用場面として多いのが、経費や購買、休暇、稟議などの申請承認です。管理職が外出中でも内容を確認し、必要に応じて承認や差し戻しを行えます。
承認が止まりやすい企業では、通知機能も重要です。スマートフォンに通知が届けば、処理漏れに気づきやすくなり、月末や締め日前の滞留を減らせます。
販売や在庫の状況を確認する
営業や店舗、倉庫の担当者が、販売実績や在庫数を確認する用途にもERPアプリは役立ちます。現場で最新情報を確認できれば、電話やメールで本部へ問い合わせる手間を減らせます。
特に在庫や納期に関わる業務では、情報の古さが判断ミスにつながります。リアルタイム性を重視する場合は、データ更新のタイミングも比較しましょう。
経営指標を確認する
経営層や部門責任者は、売上や原価、利益、受注残などの指標を外出先から確認できます。会議前の状況把握や、異常値の早期発見にも役立つでしょう。
ただし、スマートフォン画面では複雑な分析に限界があります。詳細分析はパソコンで行い、アプリでは速報値や重要指標を確認する運用が現実的です。
法制度対応を支える
ERPアプリは、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を支援する関連機能と組み合わせて使われることがあります。請求書や証憑の確認、承認履歴の管理をデジタル化しやすくなるためです。
国税庁は、電子取引に関する取引情報を含む電子データについて、保存義務や保存方法を電子帳簿保存法で定めていると案内しています。ERP選定では、会計や請求関連機能の対応範囲も確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「ERP」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
ERPアプリが向いている利用シーン
ERPアプリは、社外からの確認や承認が多い企業で効果を発揮しやすい仕組みです。導入目的を明確にせずに選ぶと、機能を使い切れない場合があります。ここでは、特に相性のよい利用シーンを紹介します。
外出や出張が多い企業
営業職や管理職の外出が多い企業では、承認や情報確認が社内滞在時間に集中しがちです。ERPアプリを使うと、移動中や訪問先でも必要な確認を進められます。
ただし、移動中の入力作業は負担になりやすい面もあります。スマートフォンでは承認や閲覧を中心にし、複雑な登録作業はパソコンで行う運用が現実的です。
拠点や店舗が分散している企業
複数拠点や店舗を持つ企業では、各拠点の売上や在庫、発注状況を本部が把握するまでに時間がかかることがあります。ERPアプリを活用すれば、現場と本部が同じ情報を確認しやすくなります。
拠点ごとに入力ルールが異なる場合は、導入前に項目や承認フローを整理しましょう。運用ルールをそろえることで、集計結果の信頼性も高まります。
在宅勤務を取り入れる企業
在宅勤務では、社外から基幹業務にアクセスできず、申請や確認が出社時まで止まってしまうことがあります。クラウド型のERPアプリなら、権限に応じて必要な業務へアクセスできます。
一方で、在宅勤務ではセキュリティ対策が重要です。多要素認証や端末制限、アクセスログの取得に対応しているか確認すると、安全な運用につながります。
現場入力を重視する企業
製造や建設、物流などの現場では、作業後に事務所でまとめて入力する運用が残りやすいです。ERPアプリを使えば、作業完了や出荷、検収の情報を現場で登録しやすくなります。
入力のしやすさは、現場定着に直結します。画面の項目数や選択式入力、写真添付の有無など、実際の作業導線にあうかを確認しましょう。
ERPアプリの比較ポイント
ERPアプリを選ぶ際は、機能数だけでなく、操作性や権限管理、既存システムとの連携を確認することが大切です。スマートフォンから使う場面を具体化し、必要な機能を優先順位づけして比較しましょう。
利用できる業務範囲
まず確認したいのは、スマートフォンやタブレットで利用できる業務範囲です。閲覧だけ対応している製品もあれば、申請や承認、入力、レポート確認まで対応する製品もあります。
次のように、業務ごとに必要な操作を整理すると比較しやすくなります。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 申請承認 | 経費や購買、稟議などを端末から処理できるか |
| データ閲覧 | 売上や在庫、受注、会計情報を確認できるか |
| データ入力 | 現場で入力しやすい画面か、添付ファイルに対応するか |
| 通知 | 承認依頼やエラーを見逃しにくい仕組みがあるか |
操作性と画面の見やすさ
ERPは扱う情報が多いため、スマートフォン画面では使いにくさが出る場合があります。小さな画面でも必要な項目を探しやすいか、承認までの操作数が少ないかを確認しましょう。
可能であれば、デモ画面で実際の操作を試すことが大切です。現場担当者や承認者にも確認してもらうと、導入後のギャップを減らせます。
セキュリティと権限管理
ERPアプリでは、社外から重要な基幹データへアクセスするため、セキュリティ対策が欠かせません。多要素認証や端末制限、アクセス権限、ログ管理の有無を確認しましょう。
退職者や異動者の権限を速やかに変更できるかも重要です。人事情報と連携できる製品なら、権限管理の負担を抑えやすくなります。
既存システムとの連携
ERPアプリを導入しても、周辺システムと連携できなければ二重入力が残る場合があります。会計ソフトや販売管理、勤怠管理、給与計算、顧客管理との連携可否を確認しましょう。
連携方式も比較ポイントです。標準連携やAPI連携、ファイル連携のどれに対応するかで、導入後の運用負荷が変わります。
「自社に合うERPアプリを診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
ITトレンドで過去資料を請求した方の、リアルなお悩みや要望から作成した簡単な質問に答えるだけで、最適な製品をご案内します。
無料で今すぐ利用できますので、下のリンクから診断を開始してください。
おすすめのERPアプリを比較
ここでは、ERPの導入検討時に比較候補となる製品を紹介します。スマートフォンやタブレットからの利用可否、クラウド対応、承認や情報確認のしやすさなど、自社の利用シーンに照らして確認してください。
マネーフォワード クラウドERP
- バックオフィス全体をシームレスに連携!面倒な手作業を自動化
- 事業フェーズに合わせて、機能を組み合わせることが可能
- 様々なサービスと連携!利用中のサービスと柔軟に連携可能
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウドERP」は、会計や人事労務などのバックオフィス業務を組み合わせて利用できるクラウド型ERPです。クラウド上で業務データを管理できるため、オフィス以外の場所からも必要な情報を確認しやすくなります。経理や労務のペーパーレス化を進めつつ、拠点や在宅勤務から業務を進めたい企業に適しています。
Microsoft Dynamics 365 Business Central
- 世界196カ国で22万社以上の導入実績!(2018年9月時点)
- 多言語・多通貨対応のグローバルERPソリューション
- 複数拠点展開に最適な統合型ビジネス管理ソリューション
富士フイルムPBC株式会社が提供する「Microsoft Dynamics 365 Business Central」は、中小企業向けのビジネス管理ソリューションです。財務や販売、サービス、オペレーションなどの業務をつなげて管理できます。Microsoft Learnでは、Business Centralのモバイルアプリに関する案内も公開されており、端末利用を含めて検討したい企業に適しています。
Oracle NetSuite
- 財務・販売・在庫・購買を一気通貫で管理可能なERP
- 脱Excelで業務標準化と可視化を同時に実現
- リアルタイムなデータ連携で経営判断を迅速化
日本オラクル株式会社が提供する「Oracle NetSuite」は、会計や販売、顧客管理、在庫などを統合管理できるクラウドERPです。公式のモバイルアプリでは、ダッシュボード確認やレコード操作、承認などの業務を端末から行えます。海外拠点や複数部門を含めて、統合的に業務管理を進めたい企業に向いています。
クラウドERP ZAC
- 業種に特化した機能をパッケージにより低コスト・短納期で提供
- UIを2022年末に刷新。以後3ヶ月おきにバージョンアップ
- 業務に紐づくワークフローにより内部統制も強化
株式会社オロが提供する「クラウドERP ZAC」は、案件やプロジェクトを軸に、販売や購買、勤怠、経費、工程、経営管理を一元化するクラウドERPです。案件別の収支管理を重視する企業や、プロジェクト型ビジネスの管理を効率化したい企業に向いています。外出先からの確認や承認を想定する場合は、利用端末での操作性をデモで確認するとよいでしょう。
キントーン
- 自社の業務にフィットする業務アプリをシュシュッとつくれる
- 基幹システムや会計システムと連携。転記も不要に
- プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、ノーコードで業務アプリを作成できるクラウドサービスです。ERP領域では、部門ごとの申請管理や案件管理、在庫情報の共有など、現場にあわせた業務アプリを構築したい企業に向いています。スマートフォンからの確認や書き込みにも対応しており、現場入力を重視する場合に比較候補となります。
この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです。あわせて参考にしてください。
ERPのアプリ利用に関するFAQ
ERPアプリの導入前には、スマートフォンでどこまで操作できるか、セキュリティは問題ないか、既存ERPでも使えるかといった疑問が生じやすいです。ここでは、比較検討時によくある質問を整理します。
- Q1:ERPアプリだけで全業務を完結できますか?
- すべての業務をスマートフォンだけで完結する運用は、現実的でない場合があります。承認や確認、簡単な入力はアプリに向いていますが、詳細な分析や大量データ入力はパソコンのほうが適しています。利用場面を分けて考えると、無理のない運用になります。
- Q2:既存ERPをアプリ化できますか?
- 既存ERPの種類によって対応は異なります。標準でモバイル対応している場合もあれば、追加開発やクラウド移行が必要なケースもあります。まずは現在利用しているERPの提供会社に、モバイル対応範囲や追加費用を確認しましょう。
- Q3:セキュリティ面で注意すべき点は何ですか?
- 端末紛失や不正アクセスへの対策が重要です。多要素認証や端末制限、IPアドレス制限、アクセスログ、権限管理に対応しているか確認しましょう。社外利用を許可する場合は、社内ルールと教育もあわせて整備する必要があります。
- Q4:無料アプリでERPを代替できますか?
- 小規模なタスク管理や簡易的な台帳管理であれば、無料アプリが役立つ場面もあります。ただし、会計や販売、在庫、人事などの基幹業務を統合管理するには限界があります。内部統制や監査対応を考える場合は、ERPとしての機能を備えた製品を比較しましょう。
- Q5:導入前に確認すべきことは何ですか?
- 確認すべきなのは、利用端末や利用部門、操作範囲、権限設計、既存システム連携です。特にスマートフォンで使いたい業務を明確にしないまま選ぶと、導入後に利用が定着しにくくなります。デモや資料で具体的な画面を確認しましょう。
まとめ
ERPアプリは、基幹業務の情報確認や申請承認を、社外や現場から進めやすくする仕組みです。外出や在宅勤務、複数拠点運営が多い企業では、業務停滞の軽減に役立つでしょう。
一方で、製品ごとに利用できる業務範囲や操作性、セキュリティ機能は異なります。自社の利用シーンを整理したうえで、複数製品を比較し、必要に応じて資料請求することをおすすめします。



