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フレックスタイム制での残業の考え方と計算方法を詳しく解説!

フレックスタイム制での残業の考え方と計算方法を詳しく解説!

フレックスタイム制は柔軟な働き方として根づいてきましたが、コアタイムの範囲内で始業・終業を労働者自身が自由に決めることができ、1日の労働時間が固定されないため、残業時間の管理が課題になることが多いでしょう。

この記事ではフレックスタイム制における労働時間の考え方、残業時間の計算方法、勤怠管理の留意点まで徹底解説します。適切に残業時間を算出する参考にしてください。

なお、勤怠管理システムをお探しの方は、以下よりまとめて資料請求(無料)もできるのでご利用ください。

この記事は2023年9月時点の情報に基づいて編集しています。
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フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、企業が定めた一定期間の総労働時間内で、従業員が始業・終業時刻、労働時間を自由に決めて働ける制度です。実際の労働時間が総労働時間を満たしていればよいので、定時で働く形態よりも柔軟に働けるのが特長です。業務の進捗状況やプライベートの用事にあわせて労働時間を日ごとに調整でき、ワークライフバランスの実現に一役買うことでしょう。

フレックスタイム制では、「コアタイム」と「フレキシブルタイム」を定めて従業員の労働時間を管理するのが一般的です。コアタイムは必ず勤務する時間帯です。フレキシブルタイムはコアタイムの前後の時間帯で、従業員自身で自由に出退勤時間を決められます。

フレックスタイム制における労働時間の基本的な考え方

フレックスタイム制における労働時間の考え方

フレックスタイム制では終業時間が定められていないため、残業の判断が難しいと考える方も多いでしょう。ここからはフレックスタイム制において、労働時間と残業時間をどのように考えるのかを解説します。一般的な勤務体系と比較してみるとより特徴がわかりやすいでしょう。

フレックスタイム制の導入ルール

フレックスタイム制を導入する際は、自社の就業規則にもとづき従業員と企業間で労使協定を締結する必要があります。労使協定で決める内容は一般的に以下のとおりです。

  • ●適用する従業員の範囲
  • ●精算期間
  • ●精算期間内の所定労働時間
  • ●1日の標準労働時間
  • ●コアタイム・フレキシブルタイムの規定
  • ●超過・不足時間の取り扱いについて

従来フレックスタイム制では、精算期間の規定により、1か月の総労働時間を定めることしかできませんでした。しかし、2019年4月に労働基準法が改正され、精算期間が最大3か月間に延長したことでよりフレキシブルな働き方が可能になったといえます。

参考:「働き方」が変わります!! 2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されます!【監督課】働き方改革関連法について |厚生労働省 石川労働局

フレックスタイム制で勤怠管理する際の注意点

フレックスタイム制で労働時間を管理する際の留意点を紹介します。

特例措置対象事業場は週の法定労働時間が異なる

通常、1週間の法定労働時間は40時間と定められています。しかし特例措置対象事業場においては、法定労働時間が44時間となるので計算の際は注意しましょう。なお特例措置対象事業場とは、労働者の使用を常時10⼈未満とする商業、映画・演劇業(映画製作事業を除く)、接客娯楽業、保健衛⽣業を指します。

不足時間は次の清算期間に繰り越せるが、超過分は繰り越せない

フレックスタイム制では、清算期間内の実労働時間が総労働時間に満たなかった場合、不足分を次の清算期間に繰り越せます。

例えば、清算期間の総労働時間が160時間なのに155時間しか働かなかったとします。この場合、次の清算期間の総労働時間に5時間を上乗せして相殺するという処理が可能です。しかし総労働時間を超過した残業については、次の清算期間に繰り越せません。残業に対する賃金は、必ず清算期間内の給与に組み込んで支払いましょう。

フレックスタイム制でも時間外労働の上限規制がある

フレックスタイム制でも通常の労働と同様に、時間外労働には上限規制(月45時間以内、年360時間以内)があるので覚えておきましょう。特別な事情がある場合は36協定にもとづき、月100時間未満、複数月で平均80時間以内、年間720時間以内にできます。ただし、月45時間を超えられるのは年6回までです。

残業時間:法定労働時間の総枠の超過で決まる

一般的な勤務体系では、残業は法内残業と法外残業(時間外労働)に分けて考えられます。

■法内残業
所定労働時間を超過しているが、法定労働時間には達していない残業
■時間外労働
法定労働時間を超過した労働

法内残業には通常の賃金が支払われ、割増賃金の義務はありません。対して、時間外労働には割増賃金が発生します。

フレックスタイム制では、法定労働時間である「1日8時間・週40時間」を超えてもすぐには残業となりません。精算期間内の実労働時間に応じて判断されるため、「法定労働時間の総枠」を超過した分が時間外労働となります。

例えば、清算期間が1か月(暦日数28日)で総労働時間150時間、実労働時間が165時間と仮定して考えてみましょう。このとき、法定労働時間の総枠は160時間です。よって法内残業は10時間、時間外労働は5時間となります。

フレックスタイム制は日々の勤務時間や週単位で残業を判断しないため、企業によっては残業代が減る可能性もあります。しかし、こうした管理は手動で行うのは非常に手間がかかったり、ミスが発生したりしがちです。勤怠管理システムで精算期間内の労働時間を把握しておけば、残業時間の把握や集計がしやすいでしょう。興味のある方は以下より最新の人気製品ランキングをチェックしてみましょう。

フレックスタイム制が違法になるケース

時間外労働の上限を超える残業命令が下されている場合

フレックスタイム制においても時間外労働の上限規制が適用され、以下の時間内に収める必要があります。

  • ・月45時間以内
  • ・年360時間以内
  • ・時間外労働が720時間以内
  • ・時間外と休日労働が2~6か月の平均がすべて1か月あたり80時間以内
  • ・時間外労働が月45時間を超えられるのは、年6か月まで

また、フレックスタイム制で時間外労働をするためには36協定の締結・届出が必要です。違反をした場合は、管理者に対して6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課される場合があります。

時間外労働に対する適正な残業代が支払われていない場合

清算期間における労働時間が所定労働時間に達していなかった場合は、不足した労働時間数を次の清算機関に繰越せます。しかし、総労働時間を超えた分は次の清算期間に繰越せません。

労働者は時間外労働に対する残業代を会社に請求できます。企業側はその残業代を支払わないと違法にあたるため注意しましょう。

フレックス制における残業時間の計算方法

ここでは残業代の計算方法を詳しく紹介します。それぞれ計算方法が異なるため、適切な方法を覚えておきましょう。

残業代の計算式

一般的に、残業代は以下の式で求められます。

残業代=1時間あたりの基礎賃金×残業時間×割増率

基礎賃金とは、各種手当を除いた給与額のことです。基本給をひと月の平均所定労働時間で割って算出します。

割増率は、労働基準法により以下の数値が定められています。

  • ●時間外労働:25%以上
  • ●時間外労働(月60時間を超えた分):50%
  • ●深夜労働:25%以上
  • ●休日労働:35%以上
  • ●時間外労働かつ深夜労働:50%以上
  • ●休日労働かつ深夜労働:60%以上

1か月の時間外労働が60時間を超えると割増率が倍になります。中小企業は2023年3月までは法定割増賃金率の引き上げが猶予されていましたが、既にその猶予期間は終了しているので、同様に注意が必要です。また、法内残業は就業規則に定めのない限り、通常の賃金が支払われます。

清算期間が1か月を超える場合の残業代の計算方法

時間外労働の発生条件

フレックス制では、法定労働時間の総枠を超過した分が時間外労働です。しかし清算期間が1か月を超える場合は、条件が少し異なります。以下のいずれかの場合が時間外労働になると定められています。

  • 1.1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた分
  • 2.1を除いて、清算期間全体の労働時間が法定労働時間の総枠(週平均40時間)を超えた分

例えば、清算期間が3か月で、「1か月ごとの労働時間が週平均50時間以内、3か月の労働時間が週平均40時間以内」であれば時間外労働は発生しません。

しかし「1か⽉の労働時間が週平均50時間を超過」、または「3か⽉の労働時間が週平均40時間を超過」この場合は時間外労働となります。

各月で支払う時間外労働分の計算式

上表1の「1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた分」については、各月の給与に反映します。計算手順は次のとおりです。

1.週平均50時間となる⽉間の労働時間数を求める
50時間×(各月の暦日数÷7日)
2.⽉間の実労働時間数から1で算出した時間数を引く
月間の実労働時間数-週平均50時間となる月間の労働時間数
=週平均50時間を超える労働時間数(※)
3.2で算出した時間数に割増率を掛けて割増賃金を求める
※この計算結果がマイナスになった場合、週平均50時間を超える労働はない

最終月に支払う時間外労働分の計算式

上表2の「清算期間を通じて法定労働時間の総枠を超えて労働した分(1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた分は除く)」は、最終月に支払います。計算手順は次のとおりです。

1.清算期間の法定労働時間の総枠を求める
1週間の法定労働時間(40時間)×(清算期間の暦日数÷7日)
2.清算期間の実労働時間数から1の時間数を引く
3.2から「各月で支払う時間外労働分の時間数の合計」を引く
4.3の時間数に割増率を掛けて割増賃金を求める
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フレックスタイム制で勤怠管理する際の注意点

フレックスタイム制で労働時間を管理する際の留意点を紹介します。

特例措置対象事業場は週の法定労働時間が異なる

通常、1週間の法定労働時間は40時間と定められています。しかし特例措置対象事業場においては、法定労働時間が44時間となるので計算の際は注意しましょう。なお特例措置対象事業場とは、労働者の使用を常時10⼈未満とする商業、映画・演劇業(映画製作事業を除く)、接客娯楽業、保健衛⽣業を指します。

不足時間は次の清算期間に繰り越せるが、超過分は繰り越せない

フレックスタイム制では、清算期間内の実労働時間が総労働時間に満たなかった場合、不足分を次の清算期間に繰り越せます。

例えば、清算期間の総労働時間が160時間なのに155時間しか働かなかったとします。この場合、次の清算期間の総労働時間に5時間を上乗せして相殺するという処理が可能です。しかし総労働時間を超過した残業については、次の清算期間に繰り越せません。残業に対する賃金は、必ず清算期間内の給与に組み込んで支払いましょう。

フレックスタイム制でも時間外労働の上限規制がある

フレックスタイム制でも通常の労働と同様に、時間外労働には上限規制(月45時間以内、年360時間以内)があるので覚えておきましょう。特別な事情がある場合は36協定にもとづき、月100時間未満、複数月で平均80時間以内、年間720時間以内にできます。ただし、月45時間を超えられるのは年6回までです。

フレックスタイム制における残業時間を正しく把握しよう

フレックスタイム制では労働時間の設定が通常の勤務形態と異なるため、残業の考え方も違ってきます。また、清算期間を2~3か月に設定した場合は残業代計算も複雑になるため、苦労している担当者も多いことでしょう。勤怠管理システムを導入すれば、労働時間の集計や残業の計算にかかる時間が大幅に短縮できるので便利です。従業員の勤怠管理が正しく行え、給与計算もスムーズになります。

以下の記事では、勤怠管理システムを導入する際のポイントや便利な機能、定番製品の紹介、一目でわかる比較表を掲載しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事 【2025ランキング】勤怠管理システム比較29選!料金や満足度も紹介
疋田 大
社会保険労務士
疋田 大さんのコメント

フレックスタイム制度は働き方改革にも繋がる非常にいい制度ですが、管理運用が少し複雑になるというデメリットもあります。特に清算期間が1か月を超える場合には労基署への届出が必要になり、届け出る以上、制度のルールを知らなかったは許されません。きちんとした運用方法を決めておかなければ、複雑な勤怠集計に気付かないうちに間違えたり、未払い賃金のリスクを抱えることになりかねません。

私は顧問先のクライアントからフレックスタイム制の導入を相談された場合は、必ず勤怠管理システムとセットでの導入をすすめております

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