案件管理とは
案件管理とは、顧客情報や商談のプロセスを可視化し管理することです。案件ごとに、商談進捗度(プロセス)や受注確度、受注予定日、売上見込額などの管理項目を記録します。担当者別に管理されている案件を透明化し、チーム全体の目標として共有します。
案件が共有されると、マネージャーが状況を把握し営業メンバーへの的確なフォローができるため、受注確度を高められるでしょう。さらに、蓄積された案件データを分析すれば、業務改善や売上の予測も可能です。
エクセルや日報を活用した案件管理の課題
一般的には、エクセルやGoogleスプレッドシート、専用ツールなどが案件管理ツールとして活用されます。日報で案件を管理する場合もありますが、案件情報の詳細を毎日記載することは営業パーソンにとって負荷がかかるうえ、全体像を把握しづらいなどのデメリットもあるでしょう。
エクセルは無料で利用でき、フォーマットも自由に設定可能ですが、複数人で利用しづらかったりリアルタイムな更新ができなかったりするなど、以下のような課題があります。
- ・データの入力作業が煩雑で、営業担当者の負担が大きい
- ・データの記録は可能でも、売上予測などが立てられない
- ・案件数が多くなると管理しづらくなり、ほかのデータとの関連性も不明瞭になる
- ・過去の商談内容が把握しづらいため、業務改善をスムーズに行えない
- ・データ共有がしづらいので、属人化し業務の引継ぎが難しい
- ・リアルタイムな更新ができないため、急な市場の変化についていけない
- ・データの紐づけができず、営業担当者の課題を分析しづらい
特に入力作業における非効率性やデータ共有の難しさは、案件数が増加するほど大きな問題となります。これらの課題を解決するためには、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)の活用がおすすめです。SFAは、属人化しがちな顧客情報を一元管理し、案件の共有や分析を可能にします。案件管理や商談管理、顧客情報管理など営業管理に必要な機能を網羅しており、業務効率化を図れるだけでなく営業活動の質向上に貢献します。製品によっては、日報を入力するだけで商談・案件情報として反映も可能です。
以下の記事では、SFAの基本知識を解説するとともに、おすすめのSFAツール(営業支援ツール)を比較しています。導入時の参考にしてください。
SFAで案件管理を行うメリット
案件管理をSFAで行えば、分析や施策立案がスムーズになり、業務効率化を図れます。さらに、リアルタイムな情報共有が実現し、対応漏れを回避できるなどのメリットがあるでしょう。以下で具体的に解説します。
分析や施策立案に役立てられる
SFAは、取引先企業名・住所・電話番号・取引先担当者・営業担当者・案件受注日・案件内容・進捗状況などを一元管理でき、担当者や期間、集計値別に売上予測を立てられます。リードからアポ取得、クロージングまで各フェーズにおける目標の達成率が一目で把握でき、注力すべき部分が明確化されます。
交渉が進んでいない案件や、見積金額が正当でない案件など問題部分も可視化されるため、業務改善にも効果的です。分析結果から、商機を逃さない戦略立案や無駄のない販売計画に活かせるでしょう。
業務を効率化できる
SFAを活用すれば、日報や案件情報などの入力作業が簡略化されるため、営業担当者の負担軽減につながります。またスマートデバイスで利用できる製品であれば、必要な情報をどこでも入力できるため、帰社して報告作業を行う手間が省けるでしょう。
また、リアルタイムな情報を精査することで、マネージャーは成約につながる効果的なアドバイスを送れます。レポート機能を搭載している場合、資料作成や会議中に新たなデータが急遽必要になったときでも安心です。
案件の対応漏れを防げる
SFAは、リアルタイムに案件情報を更新し進捗状況がシステム上にわかりやすく表示されるため、対応漏れを防ぎます。失注案件や予定変更案件、放置案件などの注意すべき対象は、色分けされたりアラートで通知したりするなどして、担当者に警告を出すことも可能です。
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案件管理に役立つSFAの機能
SFAには、さまざまな営業支援の機能が搭載されていますが、案件管理についていえば、顧客情報の管理機能や商談トラッキング機能、分析機能などが役立ちます。以下で詳しく解説します。
顧客情報の管理
顧客情報管理機能とは、会社名や取引先担当者名、連絡先などの顧客情報だけでなく、取引履歴や営業活動のスケジュール、社内でのディスカッション内容などをまとめて管理できる機能です。製品によっては、名刺を読み取りデータ化することで、顧客情報をスムーズに登録できるものもあります。
商談のトラッキング・可視化
SFAには、商談の取引額や競合、フェーズなど案件内容の詳細をトラッキングする機能があります。外出先からスマートデバイスで最新の商談内容を入力すれば、リアルタイムに反映されるためマネージャーが状況を把握しやすくチームでの共有にも効果的です。放置案件や商談に遅延が生じている案件などにアラートを出し、警告表示する機能を搭載している製品もあります。
案件分析
商談を登録するだけで案件情報が自動更新され、期間や担当者ごとの受注見込や売上予測を集計します。過去の売上実績と対比させて、売上金額や利益の推移を可視化します。
製品によってはAIを搭載しているものもあり、高精度での成約確率予測やリスク分析が可能です。
SFA活用の案件管理を成功させる方法
SFAを活用した案件管理を成功させるには、案件の定義付けを行い営業担当者の認識をそろえておくとよいでしょう。また、社員にSFA活用のモチベーションを与えることも大切です。以下で詳しく解説します。
案件の定義付けをする
案件の定義は、会社・業種・サービスなどの種類によってさまざまなので、自社に最適なものを決めましょう。多くの場合、「リードの抽出から提案」「案件化」「見積もり」「受注」までの過程において案件化する際に、以下の項目を設定します。
- ・案件名
- ・取引先名
- ・担当者名
- ・起案日
- ・商談内容
- ・商材
- ・予算
- ・確度
- ・売上予測
- ・受注予定日
案件管理の目的や管理対象を明確にし、評価・検証項目を具体化した定義付けが大切です。中には商品価格が安すぎたり商品数が多すぎたりなどで、営業担当が介在しないため案件定義が難しいケースもあります。
また、資料やカタログを渡しWebなどで注文を待つようなケースを、一つの営業案件とみなすのは非常に困難です。そのためこのようなケースでは、案件管理ではなく行動管理や顧客管理による定義づけが重要になるでしょう。
SFA活用のモチベーションを与える
経営者にとって、SFAで進捗状況を把握し業績予測することはさまざまなメリットがある施策です。しかし現場の社員にとっては、入力作業が煩雑で営業活動の時間が削がれる、営業報告をしても上司からフィードバックがないなど、負担の割に見返りがないと感じるケースもあります。
SFAを現場に浸透させるには、経営側から社員に対し、SFAを活用するモチベーションを与える必要があるでしょう。経営側と現場社員の間に温度差があると、SFAによる案件管理はうまくいきません。
SFAを活用するモチベーションの一つとして、営業報告の件数を評価するなどして、人事評価に結びつけるとよいでしょう。ほかにも、SFAによるデータ共有から得た成果に応じて、担当者に利益還元するなどの工夫を行います。ヒアリングにより現場社員と経営側のニーズをすり合わせ、双方が納得できる合意形成を目指しましょう。
SFAで案件管理を行い、営業プロセスを改善しよう
SFAで案件管理を行うと、データ共有が楽になり業務を効率化できます。各案件の内容・担当者・進捗状況などを一元管理できるため、意思決定のサポートも柔軟に行えます。リアルタイムの情報更新により、案件の対応漏れも防げるでしょう。営業業務効率化のためにさっそくSFAの資料を取り寄せ、自社に合う製品の比較をしてはいかがでしょうか。