
ワークフローにおける課題
ワークフローシステムを導入していない現場では、以下のような課題があります。
- 1.申請の作成に時間がかかる
- 申請書を印刷して手書きで記入しなければならない、書類作成のためだけに社内に戻る必要がある、差し戻しがないよう記入漏れがないか確認を入念に行わなければならない、など手間と時間がかかります。
- 2.承認漏れが生じる可能性がある
- 承認フローが複雑化していたり、誰の承認を得るべきか周知されていなかったりする場合、承認漏れが生じるかもしれません。さらに、承認者が出張などで不在であれば、決裁までに時間もかかります。どこで承認が止まっているのかも把握しにくいでしょう。
- 3.文書の改ざんなど不正のおそれがある
- ワークフローが不透明だと、正規のルートで承認されなかったり、記入ミスや漏れがあるにもかからわず承認されたり、不正が起きるかもしれません。文書の改ざんや紛失のおそれもあります。
- 4.申請・承認にコストがかかる
- 申請書類の印刷費や郵送費など、紙の文書はコストがかさみます。また、申請書類を保管する場所が必要になり、保管期限を過ぎたら処分しなければなりません。
ワークフローシステムの導入効果
ワークフローシステムを導入すると、以下のような効果が得られます。課題の解決に役立つでしょう。
1.申請書を簡単に作成できる
ワークフローシステムには、申請書の作成をサポートする機能が搭載されています。申請書のフォーマットはシステム上で管理されており、申請内容に応じて適したものを簡単に検索可能です。どのフォーマットを使うべきか迷うことがなく、システム上に入力するので印刷の手間もありません。なお、最初から種類豊富なテンプレートが用意されている製品や、項目や書式をカスタマイズできる製品もあります。
また、複製機能や、ほかのシステムとの連携によって申請書へのデータ入力も簡略化されます。例えば交通費精算のワークフローにおいては、経費精算システムと連携すれば経費データをそのままワークフローシステムに反映可能です。手入力が減るとミスも自然となくなるでしょう。
2.承認漏れがなくなり、スピーディーになる
システム上で申請・承認のステータスを一元管理し、どこで承認が滞っているのかがわかります。申請があった際に承認者のもとにメール通知やプッシュ通知が届き、未読の場合は催促を行えば、承認漏れの心配もないでしょう。
さらに、スマートフォンに対応したワークフローシステムなら、社外からでも承認を行えるので出社の必要がありません。承認者が出張で長期間不在にしている場合は決裁までに時間がかかりますが、場所を問わず承認できれば円滑に進みます。
申請内容に応じて承認ルートを自動判定し、次々に承認者に回付されるので申請者の負担も少ないでしょう。差し戻しがあっても、通知が届けばすぐに対応できます。
3.プロセスが可視化される
ワークフローシステムで申請・承認を行うと一連の流れが記録され、証跡や決裁情報を可視化できます。これは内部統制監査において役立ちます。承認ルートや権限設定が可能なので、不正な承認や文書の改ざんも防げるでしょう。
さらに、申請書にミスがあればアラートが表示される機能があり、ダブルチェックや差し戻しの手間を省けます。規定通りの申請・承認フローでスピーディーに業務を進められます。
4.ペーパーレスになり、コスト削減が可能になる
システム上で申請・承認の流れを管理するため、紙の書類は必要ありません。ペーパーレス化によって、印刷代や郵送費といったコストの削減はもちろん、保管や破棄にかかっていた手間も不要です。
決裁後の書類のファイリングや検索が簡単で、紛失のおそれもないでしょう。また、保管期限を過ぎると自動で破棄するよう設定できます。文書管理をするための人員が最小限になれば、人件費の削減にもつながります。
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効率的なワークフローで業務プロセスを効率化しよう
ワークフローシステムを導入すると、申請書の作成が簡単になるほか、決裁までのスピードアップや内部統制、コスト削減にも効果があります。さらに、現状のワークフローをシステムに反映する必要があるので、属人的かつ複雑な業務フローを見直すよい機会となるでしょう。
月の承認数が多く、承認までの平均日数が長いほど、ワークフローシステムの導入効果は高くなります。事前に現場の課題を整理して指標を確認しておけば、システム導入後の効果測定もしやすいので、まずは現状把握からはじめてみてはいかがでしょうか。
なお、以下の記事では、ITトレンド編集部がおすすめするワークフローシステムや製品の選び方を紹介しています。人気製品のほか、システム連携がしやすい製品や操作が簡単な製品など、特徴別に分類しているので、最適な製品を探してみてください。
