
ワークフローシステムの歴史
昨今の企業では必要不可欠になっているワークフローシステム。実はワークフローという言葉は、第一次世界大戦頃に誕生し、製造効率や生産性の向上は昔から求められていたのです。ここからはワークフローシステムの歴史をたどっていきましょう。
1.システムの誕生
これまで企業では、交通費精算や経費処理、受発注処理、休暇申請などの申請・稟議決裁業務は、紙の書類を使って進めていました。
例として、仮払申請を紙で行う場合で説明しましょう。まず申請書を印刷して必要事項を記入し、上司の机上の「未決」ボックスに入れます。次に、上司が未決ボックスから各種申請書を確認し、ハンコを押して「既決」ボックスに移します。すると事務担当が既決ボックスから仮払申請書を経理担当に持ち運び、経理担当は内容に従って、仮払金を申請者に支払い、手続完了です。これが申請・承認での一連の流れでした。
こうした申請・承認フローをコンピュータで電子化したのが、ワークフローシステムです。ペーパーレスになることで印刷代などのコストを削減し、システム上でやり取りするので業務フローが統一され、一連の流れがスムーズになるといった効果が期待できます。
なお、ワークフローシステムが一般化したのは、2000年前後です。背景には、パソコンが1人1台に普及したことがありました。ワークフローシステムのようなツールは全員がパソコンを持っていなければ成り立ちません。オフィスで一人ひとりがパソコンを使えるようになったので、ワークフローシステムの普及に弾みがついたのです。
以下の記事では、人気のワークフローシステムや操作が簡単な製品、Excelデータを流用できる製品など、さまざまなタイプに分類して製品を比較しています。実際のシステムを見たい方は、以下の記事もご覧ください。
2.内部統制の支援
ワークフローシステムの誕生前に、「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」「BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)」の概念が完成されており、業務フローの改善をいかに進めていくか、さらには全社レベルの業務プロセスをいかに構築していくかが、科学的手法で進められていました。
ワークフローシステムは、紙の電子化というニーズから始まりましたが、BPRやBPMの概念をベースに、企業にとって重要なシステムに発展していきます。その顕著な例が内部統制の支援です。
具体的には、2008年から適用されたJ-SOX法(内部統制報告制度)により、上場企業とそのグループ企業は、財務諸表を適正に作成できていることを外部に証明しなければならず、業務フローの整備や大幅な見直しを求められました。
例えば、定められた金額以上の購買には、2人以上の承認が必要などのルールを設定することがその対応の1つです。1人で発注を完了できる環境を放置しておくと、不正取引の温床になってしまうからです。
品質管理も同様で、製造者と品質管理者を分けなければなりません。このようなルールを再構築し、正規の方法で業務を遂行するには、ワークフローシステムが適していました。
ワークフローシステムでは申請フォーマットや承認ルートをあらかじめ設定し、申請内容に応じて適した承認者のもとへ自動的にリレーされるため、不正なルートで決裁まで進むことはありません。また、誰がいつ何を行ったかの証跡を管理でき、業務進捗のモニタリングも可能となります。システム上には過去の決裁データが保管されているので、監査対応も容易になるでしょう。
3.クラウドとモバイルの活用
インターネットの普及に伴い、2010年代にはクラウド型のシステムが広く利用されるようになりました。ワークフローシステムは早くからクラウド化され、低コストと導入期間の短さから注目されていたのです。
同じ頃、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器が普及していました。モバイル機器はクラウド型ワークフローシステムと相性がよく、場所を問わずいつでもどこからでも申請や承認、決裁が可能です。電車での移動中や出張中でも稟議書と資料を確認して承認できるので、決裁までのスピードが上がります。意思決定の迅速化、生産性の向上につながり、企業の成長も加速させるでしょう。
こうした効果により、ワークフローシステムを導入する企業は増え続けています。さらに最近は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でテレワークが急増したため、在宅でも業務手続きを進められるワークフローシステムが必要とされるでしょう。
クラウド型ワークフローシステムは以下の記事で紹介しています。各製品の機能や価格を比較しているので、導入を検討されている方はぜひご覧ください。
ワークフローシステムで業務フローを効率化
紙の申請書であればオフィス内で回付されるので、承認者が出張などで長期間不在だと決裁までに時間がかかります。しかし、クラウド型ワークフローシステムとモバイル端末の活用で、いつでもどこでも申請・承認ができ、テレワークにも対応可能です。
このように時代や職場環境の変化により、ワークフローシステムも進化してきました。システム化は内部統制の強化にもつながるので、ぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
