
ワークフローシステムとデータベースを連携するメリット
そもそも、データベースとは検索や蓄積がしやすいようにまとめられたデータ群を指します。必要なときに必要なデータを取り出せることを目的に、データベースが構築されます。一方、ワークフローシステムとは、申請や承認といった業務手続きの一連の流れを電子化・一元管理するシステムです。
ワークフローシステムの内部にもデータベースが構築されており、申請フォームや承認ルートのテンプレート、ユーザーおよび権限情報、申請・承認のログなどさまざまなデータが格納されています。もちろん、基幹システムなど外部のシステムにもそれぞれデータベースが構築されているのです。
システムごとに散在するデータベース同士を連携すると、情報更新があった場合に転記する手間がなく、情報が追加された場合には自動で双方のシステムにデータが反映されます。ワークフローシステムで申請する際のデータはデータベースから反映されて一部の入力が省け、入力漏れやミスも減るでしょう。このように、ワークフローシステムとデータベースの連携は業務効率化のメリットがあるのです。
ワークフローシステムとデータベースの連携方法
大半のワークフローシステムに外部システムとの連携機能が搭載されているので、その機能を使ってデータベースと連携します。CSV出力など難しい操作をせずとも連携できる場合が多く、ベンダーサポートもある製品を選べばより安心でしょう。
以下の記事では、おすすめのワークフローシステムを紹介しています。ERPや人事システム、グループウェアなどとの連携に対応した製品が複数あるので、ぜひご覧ください。
連携すべきケース
どのような場面でワークフローシステムとデータベースの連携が有効なのでしょうか。代表的なケースを2つ紹介します。
契約書の管理
ワークフローシステムがよく使われる場面に、契約書の申請・承認があります。システム上で申請・承認を進められるので決裁までがスムーズになり、意思決定が迅速化される点がメリットです。
そして、電子契約書の保管に必要なのがデータベースです。データベースに保存することで検索性が高まり、必要なときに必要なデータをすぐ取り出せます。取引先担当者の連絡先など、契約に関するデータも一元管理できるため、データを活用しやすくなるでしょう。
ワークフローシステムとデータベースを連携すると、データベースへのデータ保管がスムーズになります。ワークフローシステムで更新した契約書の情報が自動でデータベースに反映されるため、入力作業の二度手間から解放されます。
経費精算
ワークフローシステムでは経費精算のワークフローにも対応しており、交通費や出張費の申請・承認、進捗確認などが可能です。
ワークフローシステムとデータベースを連携すれば、決裁された経費データがデータベースに保存されます。データベースの機能を活用すれば、データにグラフ化などの加工を施すことも可能です。ワークフローシステム単独で利用するより分析しやすいため、今後の経営に役立つでしょう。
連携で効果があった事例
実際にワークフローシステムとデータベースを連携すると、どのような成果が得られるのでしょうか。具体的な連携事例を見ていきましょう。
売上や経費計算データをそのまま月次決算へ反映
ある企業では、経理業務の負担が本社の経理課に集中しているという問題がありました。少数の従業員で計上や精算を行っており、基本的に表計算ソフトを活用した作業で上部に提出する際は、紙に印刷していたといいます。
そこで、この企業はワークフローシステムを導入。データベースとの連携により、決裁された経費精算データや売上データを、そのままデータベースに保存できることに魅力を感じたそうです。
結果として、月次決算の早期化が実現しました。システム上での入力が簡単なため、専門的な知識がなくてもデータの作成ができるようになりました。
そのため、本社に集中していた負担が分散。経理における成功例を踏まえて、この企業はほかの稟議でもワークフローシステムの活用を検討しているといいます。
複数システムとの連携でシームレスな管理を実現
ある企業は、カスタマイズ性に富んだワークフローシステムを導入しました。豊富なオプションプランを利用して自社に合ったシステム連携を構築。ワークフローシステムとデータベースだけでなく会計システムも連携させ、シームレスな管理を実現しました。
決裁データ出力オプションにより、複雑な連携が可能になったといいます。会計システムから検索できるようにしたり、予算の残高から支払い後の予算額確認ができるようにしたりと工夫を凝らしています。また、承認者の履歴表示を押印の代わりにするなど、電子データ特有の管理方法も構築しました。
連携によって作業が複雑になった点は、説明動画で解決。その結果、短期間でのリリースに成功したそうです。
ワークフローシステムとデータベースを連携し、業務効率化!
ワークフローシステムとデータベースを連携することで、入力の二度手間を減らし、データをさまざまな場面で活用できるでしょう。実際にシステムを連携し、業務効率を向上させた企業は少なくありません。ぜひ、これを機に連携を検討してみてください。
