ワークフローとは
ワークフローとは、業務開始から完了までに必要な流れのことです。 会社の業務はさまざまな人間が関わっており、1人で仕事が完結することはほとんどありません。たとえば経費精算書を提出するだけでも、担当者から部署長、経理部の担当者、経理部の部署長へと承認フローが受け継がれます。
ワークフローは、このような会社の業務を、誰でも簡単に行えるようマニュアル化したものです。稟議書・見積依頼書・出張報告書など、さまざまな書類の手続きに活用されています。最近のIT化の流れを受けて、導入を検討する企業も増えています。

ワークフローにおける承認ルートの種類
ワークフローにはどのようなパターンがあるのでしょうか。承認ルートの種類について解説します。
決められたルートで進める「直線型」
「直線型」は、業務開始から完了まで一貫した流れに沿って承認フローが受け継がれるパターンです。「申請者→承認者→決裁者」といった流れになります。決裁者や承認者は、申請者より上位役職の人間であることが多いです。
途中から承認者が派生する「指名型」
「指名型」は、業務開始から完了までの一貫した流れに沿って、新たに特定の承認者を配置するパターンです。「もともと直線型で承認フローを組んでいたけれど、途中から特定の人物に承認をお願いしたい」といったケースに適用されます。最初に直線型に設定するのではなく、承認者が次の承認者を指名し、バケツリレー形式で承認フローを形成していくパターンもあります。
申請内容によって承認ルートが異なる「条件分岐型」
「条件分岐型」は、申請時の内容によって承認フローが分岐するパターンです。会社にとって重要な申請になるほど、上位役職の人間が承認者・決裁者になります。
たとえば金額が20万円未満なら課長を決裁者に、20万円以上なら課長を承認者・部長を決裁者に、といった条件分岐が可能です。重要度に応じてワークフローを決められるため、 効率的に承認業務を完結できます。
同時に複数の承認ルートで進める「並列型」
「並列型」は、複数の承認フローが同時並行で進んでいくパターンです。複数の部署が関わるような大規模プロジェクトのワークフローに採用されています。 どのように決裁に至るかは、企業によってさまざまです。すべての承認フローが終わらないと決裁できないものや、1つでも承認フローが達成されると決裁まで進むものなどがあります。 「並列型」は、決裁に至るまでさまざま人間が関わります。そのため、紙の申請書を利用していると途中で進捗状況がわからなくなりやすいです。
ワークフローが複雑化しやすい理由
一般的にワークフローは複雑化しやすいと言われていますが、それはなぜなのでしょうか。
紙とハンコで進めているため
紙とハンコで進めると、次の承認者を探したり申請書を手渡ししたりするのに時間がかかり、ワークフローが複雑化します。進捗状況を確かめるためにいちいち担当者へ確認しなければならない状態は、業務効率化を妨げる要因です。
決裁権限者が多く、合意プロセスが複雑なため
日本企業におけるワークフローの傾向として、決裁権限者に到達するまでのプロセスが複雑化していることが挙げられます。決裁権限者へ申請書が届くまでに、6人~7人の承認者を経由することも珍しくありません。
日本企業におけるワークフローは、多くの人間が決裁に関わることで、運命共同体的な価値観を形成する目的があります。そのためしっかりと申請内容を確認するのではなく、「信頼できる人が承認しているからハンコを押す」という承認者も存在するでしょう。特に稟議においては、しっかりと順番を経て決裁まで進むことが重要視されています。
課題を解決する「ワークフローシステム」とは
ワークフローシステムとは、業務開始から完了までの流れを自動化できるツールのことです。各種申請業務を電子化できるため、日本におけるワークフローの欠点を解消できるツールとして注目されています。
ワークフローシステムでは、従来のような紙とハンコを使用しません。システム上で進捗状況が一目でわかり、いちいち担当者に確認を取らなくても承認フローを完結できます。合意プロセスが可視化されているため、意思決定のスピードが早く、複雑な承認フローでも問題ありません。 非常に便利なツールなので、ワークフローを効率化したい企業はぜひ導入をご検討ください。
ワークフローとは何かを知って、効率化を目指そう!
ワークフローは、各種申請業務を可視化するために不可欠な考え方です。会社全体の業務効率化にも関わるため、直線型など種類別の特徴を押さえて適切に設定しましょう。 特に日本企業はワークフローが複雑化しやすい慣習があるため、ワークフローシステムを導入して効率化を迅速に進めることをおすすめします。 ワークフローについての理解を深め、業務効率化を目指しましょう。
