コールセンターシステムの構築前に必要な準備
コールセンターシステムを構築するには、事前にさまざまな準備を実施しておかなければなりません。ここでは、システム構築以前に必要な準備について紹介します。
コールセンターとしての目標を設定
どのようなコールセンターにするのか、具体的なKGIを設定しましょう。KGI(Key Goal Indicator)は、重要目標達成指数を意味する言葉です。
企業の売上アップや顧客満足度の向上など、コールセンターはさまざまな目標を達成するためにあります。まずは自社が求めるコールセンターの形やゴールなどを明確にし、縦軸をしっかりと建てましょう。
現状・課題の洗い出し
設定した目標を達成できるコールセンターにできるよう、企業としての現状を把握し、それに関連する課題を明確にしておきましょう。プロセス・マネジメント・育成やフォロー体制・組織体制などの観点で現状を可視化することで、課題が明確になります。
また、現状や課題の洗い出しは、コールセンターのシステムを新たに構築する場合だけでなく、既存の状態を見直すのにも役立ちます。コールセンターの観点における自社の状況を把握し、それに対する施策を練ることが重要です。
業務プロセスやマネジメントの設計
先ほども触れましたが、コールセンターシステムの構築には業務プロセス・マネジメントの方針を定めておく必要があります。
目標の優先順位や意思決定プロセスの明確化、緊急連絡先の設置や報告業務のマニュアル化など、まずは業務プロセスを設計しましょう。業務プロセスの設計後は、それらのマネジメント方法を数値化します。数値化することで、目標達成までの動きがより明確になるでしょう。
組織体制の決定
コールセンターの構築に必要な人員数を割り出します。ここまでの工程で明確になった目標を達成できる組織にふさわしい人材を選出しましょう。
また、コールセンターに配置する人材の育成環境を整えることも大切です。コールセンターに配属された人材が、安心して働き続ける環境を作りましょう。
コールセンターの構築にかかるコストを把握しておく
コールセンターの構築には、以下のコストがかかります。
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コールセンターシステムの設計に必要な作業
- ●初期費用
- ●人件費
- ●採用費
- ●維持費
コストについて把握しておくことで、より明確な計画が立てられるでしょう。

コールセンターシステム構築の3ステップ
コールセンターシステムの構築方法を3つの手順で紹介します。
ステップ1 システム導入のニーズを把握する
構築前の準備段階と同様に、目的を明確化する「アセスメント」が重要です。「なぜコールセンターシステムを導入するのか?」「現状にどのような問題点があって、どのように改善したいか?」など、コールセンターシステムへのニーズを明確化することが重要です。
これは、構築すべきコールセンターシステムの使命と役割を定めるだけにとどまりません。マーケティング戦略や商品・サービス設計、今後の顧客とのコミュニケーション計画など、企業の成長戦略を視野に入れ、多角的にコールセンターシステムへのニーズを考察・分析する必要があります。
こうした、コールセンターシステムへのニーズ分析をしっかりと行うことで、センターの業務量と業務内容にマッチした、最適なコールセンターシステムを構築できます。
ステップ2 必要な要件を正しく定義する
アセスメントを通して、コールセンターシステム構築の目的が明確となったら、次は「業務設計」を行います。 これまでコールセンターで行ってきた業務はもちろん、企業戦略も視野に入れたうえで、顧客へのアプローチ方法や通話時のトークスクリプトなど、業務の使用を細部にわたって決定する作業です。
業務設計が完了したら、いよいよ必要十分なコールセンターシステムを構築するための「要件定義」に入ります。システムの要件定義に際して検討すべき項目は、以下のように多岐に渡ります。必要な要件を正しく定義し、最適なコールセンターシステムを構築しましょう。
- ・業務種別
- インバウンド、アウトバウンド、両方を行うコールブレンディングのいずれかの形態を決定。
- ・規模
- 必要となる回線数やオペレーターの座席数を確定。
- ・所要機能
- 業務設計に基づいて必要な機能を選定。
- ・顧客応対ソフト(CIS)、データベース、他システムとの接続有無
- 業務プロセスにあわせて、その有無と内容を決定。
- ・予算
- 費用対効果を検討のうえ、必要とする規模や機能を見極めて決定。
ステップ3 操作性の高い設計を行う
システムの要件を定義できたら、いよいよ実際のコールセンターシステムを設計します。主に必要な作業を以下で紹介します。
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コールセンターシステムの設計に必要な作業
- ●ハードウェア選定
- ●データベース設計
- ●画面設計など
快適なコールセンターシステム運用に欠かせないレスポンスタイムは、ハードウェア構成の決定と、データベース設計によって決まることが多く、慎重に検討すべきです。また、オペレーターが実際に操作する画面は、操作性の高いものを目指して設計、改良をする必要があります。
ハードウェアの構成と各種設計によってコールセンターシステムの使い勝手は大きく変わります。実際の運用を視野に入れ、十分な検討を重ねての構築が重要となるのです。
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コールセンターシステムの構築を理解して適切に運用しよう
成功するコールセンターシステム構築には、その目的を明確にする「アセスメント」、目的を実現するための「業務設計」と「要件定義」に加え、運用を視野に入れた慎重な「システム設計」という手順を踏むことが非常に重要です。確認すべきポイントを押さえ、最適なコールセンターシステム構築を目指しましょう。
