Excelでワークフローシステムは作れる?専用システムとの違い
Excelを使えば、申請書のフォーマット作成や承認欄の設置、入力項目の整理などにより、簡易的なワークフローを自作できます。小規模な部門内運用や、申請項目を整理する段階であれば、Excelで申請・承認フローを可視化する方法も有効です。
ただし、Excelは本来ワークフロー管理専用のツールではありません。申請件数が増えたり、承認者が複数部署にまたがったりすると、承認状況の確認やファイル管理、権限設定などに手間がかかりやすくなります。まずはExcelでどこまで対応できるのか、専用のワークフローシステムと何が違うのかを押さえておきましょう。
Excelで申請・承認フローを自作する基本手順
Excelでワークフローを自作する際は、まず対象となる申請業務を決め、申請書のフォーマットを整えます。申請日・申請者・金額・申請内容・承認欄などの入力項目を洗い出し、必要に応じて入力規則や条件付き書式を設定しましょう。
次に、承認順や確認者をフローチャートや承認欄で可視化し、実際の運用に沿ってテストします。稟議書や経費申請書、有給申請書など、利用頻度の高い帳票から作成すると、業務の流れを整理しやすくなります。
Excel自作のメリットは、追加コストを抑えやすいこと、既存の帳票を流用しやすいこと、現場が慣れている操作感を保ちやすいことです。まずは申請項目や承認ルートを整理したい企業にとって、有効な第一歩となるでしょう。
Excel自作とワークフローシステムの違い
Excel自作とワークフローシステムの大きな違いは、申請・承認を「ファイル単位で管理するか」「システム上で一元管理するか」です。Excelでは、メール添付や共有フォルダでファイルを回す運用になりやすく、誰が承認待ちなのか、どの申請が滞留しているのかを把握しにくい傾向があります。
一方、ワークフローシステムでは、申請状況や承認待ちを一覧で確認でき、通知や督促も自動化しやすくなります。また、申請者・承認者・管理者ごとの権限設定や承認履歴の保存、過去申請の検索などにも対応しやすいため、内部統制や監査対応の面でも有効です。
Excelは手軽に始められる反面、運用が属人化しやすく、組織変更や承認ルートの変更のたびに手作業で修正が必要になる場合があります。既存のExcel申請書を活かしながら、承認・通知・検索・権限管理を効率化したい場合は、Excel対応のワークフローシステムを検討するとよいでしょう。
Excel運用でワークフロー管理に限界を感じやすいケース
Excel運用は、申請件数が少なく関係者も限定的な場合には有効です。しかし、企業規模が大きくなったり、複数部署をまたぐ申請が増えたりすると、管理負荷が高まりやすくなります。
特に、承認状況の把握やファイルの最新版管理、過去申請の検索・集計に時間がかかっている場合は、Excel単独での運用に限界が近づいているサインです。ここでは、代表的なケースを解説します。
承認状況が見えず滞留しやすい
Excelファイルをメールやチャットでやり取りする運用では、「現在誰がボールを持っているのか」が分かりにくくなります。承認者が外出していたり、メールを見落としていたりすると、申請が止まってしまい、業務全体のスピード低下につながります。
また、承認待ちの申請を一覧で確認できない場合、担当者が個別にメールを確認したり、承認者へ手動で督促したりする必要があります。申請件数が増えるほど確認作業の負担は大きくなり、承認漏れや対応遅れも発生しやすいでしょう。
ファイルの先祖返りや改ざんリスクがある
複数の担当者が同じExcelファイルを編集・保存していく運用では、誤って古いバージョンに上書きしてしまう「先祖返り」が起こる可能性があります。共有フォルダやメール添付で管理している場合、どれが最新版なのか分からなくなるケースも少なくありません。
さらに、Excelは手軽に編集できる反面、フォーマットの変更や数式の破損、入力内容の書き換えが起こりやすい点にも注意が必要です。申請内容や承認履歴を正確に残す必要がある業務では、改ざん防止や権限管理、証跡管理の仕組みが求められます。
検索・集計・証跡管理に手間がかかる
過去の申請書を探す際、Excelファイルの保存場所やファイル名に依存していると、必要な情報を見つけるまでに時間がかかります。特に、部署ごとに保存ルールが異なる場合や、旧フォーマットが混在している場合は、検索性が低下しやすくなります。
また、経理や人事が申請データを別システムへ入力し直す必要があると、二度手間や入力ミスの原因になります。申請データの集計や承認履歴の確認、監査対応に向けた証跡管理が必要な場合は、Excel対応ワークフローシステムへの移行を検討するとよいでしょう。
Excel申請書をそのまま使ってシステム化する方法
「今あるExcel申請書をすべて作り直すのは大変そう」と感じる担当者は少なくありません。既存のExcel申請書をできるだけ活かせるかどうかは、製品選定の重要なポイントです。ここでは、Excel申請書をそのまま使ってシステム化する際の進め方を解説します。
現行のExcel申請書を整理する
まずは、現在使っている申請書の種類や利用部門、更新頻度、必須項目、承認ルートを整理します。似た帳票が重複していないか、旧フォーマットが残っていないかを確認しておくと、移行時の混乱を抑えやすくなります。
Excel取り込み・フォーム再現の方式を確認する
製品によって、Excelファイルをそのままアップロードできるもの、コピー&ペーストでレイアウトを再現するもの、GUIで組み直すものがあります。どの方式が自社の帳票数や更新頻度に合うかを見極めることで、導入工数は大きく変わります。
承認フロー・通知・権限設定を整える
帳票だけでなく、承認ルートや代理承認、通知、検索権限、閲覧範囲などをシステム側で設計することが重要です。見た目をExcelのまま残せても、権限や承認条件の設計が不十分だと、結局運用負荷が残ってしまいます。
Excel申請書の自作運用とワークフローシステムの違い
Excelでの自作運用と専用のワークフローシステムでは、見た目が似ていても運用面に大きな違いがあります。この違いを先に押さえておくことで、各製品の価値を理解しやすくなります。主な違いは次のとおりです。
申請・承認の管理方法
Excel自作では、メール添付や共有フォルダでファイルを回す運用になりやすく、誰が止めているかを追いにくい傾向があります。一方、ワークフローシステムでは、申請状況や承認待ちを一覧で管理しやすく、通知や督促も自動化しやすくなります。
権限管理と内部統制
Excelは手軽に編集できる反面、改ざん防止や閲覧制御には工夫が必要です。ワークフローシステムは、申請者・承認者・管理者ごとに権限を分けやすく、履歴管理や証跡管理にも対応しやすいため、監査対応や内部統制の面で有利です。
継続運用のしやすさ
Excel自作は初期コストを抑えやすい一方、帳票追加や組織変更、承認フロー変更のたびに属人的な修正が発生しやすくなります。ワークフローシステムは、GUI設定や版管理、マスタ連携などにより、長期運用の安定性を確保できる点が違いです。
「自社に合うワークフローシステムを診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
ITトレンドで過去資料を請求した方の、リアルなお悩みや要望から作成した簡単な質問に答えるだけで、最適な製品をご案内します。
無料で今すぐ利用できますので、下のリンクから診断を開始してください。
▶Excel申請書をそのまま取り込めるワークフローシステム
ここからは、Excel対応ワークフローシステムをタイプ別に紹介します。既存のExcel申請書をできるだけ作り直さず、短期間でワークフロー化したい場合は、Excelファイルの取り込みに対応した製品がおすすめです。帳票の見た目や入力項目を大きく変えずに移行できるため、現場の抵抗を抑えながら申請・承認業務の効率化を進められます。
AppRemo
- 既存のExcel申請書をそのまま使って申請が可能
- 条件分岐や代理申請で多様な承認フローを自動化
- ノーコードなので専門知識不要、誰でも簡単らくらく操作
株式会社システムエグゼが提供する「AppRemo」は、既存のExcel申請書をアップロードするだけで手軽に運用を開始できるシステムです。ノンプログラミングで設定でき、申請データのCSV出力など管理者向けの機能も備えています。
Excel申請書を大きく作り直さず、まずは簡単にExcel運用から脱却したい企業に適しています。総務や経理など帳票数が多い部門でも、段階的な移行を進めやすいでしょう。
ワークフローEX (株式会社Knowlbo)
- 申請フォームがExcel
- インストールが不要でWebブラウザー上で動作可能
- ドラッグ&ドロップで申請が可能で操作が簡単
▶既存帳票をフォーム化しやすいワークフローシステム
ExcelやWord、紙で運用している申請書を活かしながら、入力フォームとして整備したい企業には、既存帳票のフォーム化に強い製品が向いています。現在の申請書レイアウトを再現しつつ、承認ルートや入力制御、検索・集計機能を組み合わせられるため、複数の申請書を段階的に電子化したい場合に適しています。
コラボフロー
- お使いのExcelを申請フォームとしてそのまま電子化、導入が簡単
- 誰にとっても「使いやすく、わかりやすい」操作性。
- 4年連続 顧客満足度No.1獲得!安心の高機能ワークフローシステム
株式会社コラボスタイルが提供する「コラボフロー」は、Excelで作成したファイルをそのままフォームに変換できるワークフローシステムです。高度な条件分岐やCSV・SQL Server連携、REST APIなど、拡張性の高さが強みです。
Excelの使い勝手を保ちつつ、申請・承認の統制や外部連携を強化したい企業に向いています。基幹系システムや周辺システムとの連携まで見据えて、申請業務を効率化したい場合に比較しやすい製品です。
Styleflow
- オプション費用一切なし!充実の高機能のすべてを月額350円で
- 進化するワークフロー!お客様に寄り添って成長するサービスです
- 見た目そのまま!既存のExcel/Wordを申請フォームにカンタン変換
TDCソフト株式会社が提供する「Styleflow」は、ExcelやWord、紙の稟議書の見た目をそのままクラウド化できる製品です。組織改編に伴う世代管理機能や、チャットツールなどとの豊富な連携機能が特徴です。
申請画面の見た目を大きく変えたくない企業や、将来的な組織変更に備えたい企業に適しています。1人あたり月額350円から利用できるため、コストを抑えて導入を検討しやすいでしょう。
WebPerformerWf (キヤノンITソリューションズ株式会社)
- ノンプログラミングでGUI開発可能!
- エンドユーザによる開発で複雑なワークフローを実現!
- 業種を問わず、累計350社以上の導入実績!
▶グループウェア連携に強いワークフローシステム
Microsoft 365やGoogle Workspaceなど、既存のグループウェア環境と連携して申請・承認を効率化したい企業には、クラウドサービスとの連携に強い製品が適しています。アカウント情報や組織情報を活用しやすく、日常的に使っている業務環境の中で通知・承認・進捗確認を行いたい場合におすすめです。
グルージェントフロー
- 申請の不備・漏れを防ぐ申請フォームと、柔軟な承認フロー
- Microsoft・Googleアカウントで認証、慣れ親しんだ環境で利用可
- kintoneをはじめ、外部システム連携により、業務の自動化を実現
サイオステクノロジー株式会社が提供する「グルージェントフロー」は、Microsoft 365やGoogle Workspaceと連携しやすいワークフローシステムです。生成AIの活用やExcelからのコピペ作成、多段階承認に対応している点が特徴です。
日常的に使うグループウェアと連携しながら、申請書作成や承認処理を効率化したい企業に向いています。承認スピードの向上と管理性の両立を重視する場合にも、比較しやすい製品です。
GluegentFlow情シスクラウド (サイオステクノロジー株式会社)
- ISO27001:2022年版に準拠
- PDCAを回す機能が豊富
- Gluegentが導入・運用をサポート
ネクストセット・ワークフロー for Microsoft 365 (株式会社ネクストセット)
- 7,300社以上の豊富な導入実績!
- 条件分岐や他システム連携など複雑なワークフローにも対応!
- SharePoint等に搭載しスピード感のあるワークフローを実現
サテライトオフィス・ワークフロー (株式会社サテライトオフィス)
- シリーズ全体で3,736,000アカウント以上もの導入実績!
- リニューアルされる新しいGoogleサイトにも対応!
- 導入時のセットアップサービスあり!
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「帳票電子化ツール」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
Excel申請書に対応したワークフローシステムの選び方
Excel運用からシステムへ移行する際は、「Excelが使えるか」だけで判断せず、現場への定着しやすさや承認ルートの再現性、導入後の運用負荷まで確認することが大切です。ここでは、Excel申請書に対応したワークフローシステムを選ぶ際の5つのポイントを解説します。
既存のExcelフォーマットをどの程度再現できるか
システム移行時に抵抗が起きやすいのが、入力画面や操作方法の変化です。Excel対応ワークフローシステムには、既存のExcelファイルをアップロードし、申請フォームとして活用できるものがあります。
現在の帳票デザインをそのまま活かせる製品なら、現場の従業員も迷わず操作しやすく、教育コストを抑えられます。項目ごとの入力制限や必須設定、自動計算、印刷レイアウトの再現性も確認しておきましょう。
自社の複雑な承認ルートに対応できるか
企業によっては、「金額が一定以上なら役員決裁が必要」「特定の部署が関わる場合は合議が必要」など、条件に応じて承認ルートが分岐します。
役職や部門、申請内容に応じた自動条件分岐のほか、代理申請・代理承認、回覧、並列承認などに対応しているかを確認しましょう。特に人事・経理・総務では、例外ルートへの対応力が運用負荷を左右します。
通知・検索・滞留防止の仕組みが整っているか
Excel運用では、「誰で止まっているか分からない」「過去の申請が探しにくい」といった悩みが起こりがちです。そのため、メールやチャットへの通知、督促、一覧管理、条件検索、CSV出力などの運用機能が重要です。
承認スピードを上げたい場合は、申請フォーム機能だけでなく、滞留を防ぎ、必要な情報をすぐ確認できる仕組みまで比較しましょう。
外部システムとの連携性やデータ活用のしやすさ
ワークフローシステムは、他のシステムと連携することで業務効率化の効果を高められます。たとえば、Microsoft 365やGoogle Workspaceとのアカウント連携、チャットツールへの通知、人事マスタとの同期などです。
最終承認後のデータをCSV出力したり、APIで会計システムや基幹システムへ連携したりできれば、バックオフィス部門の入力作業や転記ミスの削減にもつながります。
将来の運用変更に耐えられるか
ワークフローは一度作って終わりではなく、組織改編や規程改定、申請書追加、承認権限変更などにあわせて見直しが必要です。
管理者がノンプログラミングやGUIで修正しやすいか、版管理や世代管理に対応しているか、ベンダー支援を受けやすいかを確認しましょう。「導入時に作りやすい」だけでなく、「運用し続けやすい」かどうかが長期的な満足度を左右します。
Excel運用からの移行を進めるポイント
製品を選定した後は、スムーズに社内に定着させるための進め方が重要です。総務や人事、経理、情報システム部のどこが主導する場合でも、現場への影響を抑えながら定着させる視点が欠かせません。ここでは、導入時に気をつけたい4つのポイントを解説します。
スモールスタートで検証する
いきなり全社ですべての申請をシステム化すると、現場の混乱を招く恐れがあります。まずは総務部や情報システム部などの特定部門、または「交通費精算」「有給申請」といった利用頻度の高い帳票から始め、運用課題を洗い出しましょう。
利用者の反応や承認スピードを確認しながら対象帳票を広げることで、無理なく社内に定着させやすくなります。申請者向け・承認者向けの簡単な操作案内を用意しておくと、問い合わせの抑制にもつながります。
既存のフローを見直す機会にする
システム化は、これまでの無駄な承認ルートや形骸化したハンコ文化を見直す機会にもなります。現行のExcel申請書をそのまま移すだけでなく、「本当に必要な承認か」「より簡略化できる手順はないか」を整理しましょう。
業務プロセスを見直したうえでシステムに反映すれば、承認スピードの向上や管理負荷の軽減につながり、導入効果を高めやすくなります。
マスタ整備と権限設計を先に固める
承認ルートを自動化するには、組織情報や役職情報、申請権限の整理が欠かせません。組織マスタが曖昧なままだと、条件分岐や代理承認の設定でつまずきやすくなります。
特に人事異動の多い企業では、異動時の更新手順や責任部門をあらかじめ決めておくことが重要です。マスタ整備と権限設計を先に固めておくと、導入後の運用が安定しやすくなります。
この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです。あわせて参考にしてください。
まとめ
Excelは、申請書の作成や簡易的な承認フローの整理に便利ですが、申請件数や関係者が増えると、承認の滞留やファイル管理の煩雑化、検索・集計の手間といった課題が生じやすくなります。
Excel対応ワークフローシステムを活用すれば、既存のExcel申請書を活かしながら、承認状況の可視化や通知の自動化、権限管理、証跡管理を効率化できます。帳票の再現性や承認ルートの柔軟性、外部連携のしやすさを比較し、自社に合う製品を検討しましょう。



