経理・財務分野での導入が期待されるRPA

こんにちは、『ITトレンドスタイル』ライターのあやかです! 最近、周りでよく聞く話題のひとつが「今の仕事、そのうちロボットに取って替わられちゃうのかな…」という話。っていうか、私にとっても他人事じゃないんです。だって、文章が書けるAIもすでに登場しているって言うし! このコーナーが「ロボットライターが駆け回る!」になって、私はクビに…(泣)。ロボットなんて敵よ敵!

いくら働き方改革に欠かせないツールといっても、人間の仕事がなくなってしまっては本末転倒。よし、ここはまず「敵」を知ることで、対策を立てよう! そう意気込んだ私が向かったのは、東京ビッグサイトで3日間にわたって開催されている『総務・人事・経理ワールド』。この中の会計・財務EXPOの目玉のひとつとして、『RPAによる経理業務改革』をテーマにしたセミナーがあるのです。

「RPA」とはロボティック・プロセス・オートメーションの略。その名の通り、「ロボットによる業務自動化の取り組みやソフトウェア」を指す言葉です。人事、労務、法務、経理などオフィスワーク全般で使えるのですが、特に業務が煩雑で時間がかかり、ミスも起こりがちな経理・財務業務への導入が期待されているそう。

RPAは「期待するほど万能じゃない」って本当?

一人目の登壇者は、一般社団法人日本RPA協会 専務理事の田中淳一さん。講演タイトルは『経理・財務におけるRPA/AIのインパクト・具体策と今後の働き方』。なんだか難しそう…最後まで起きていられるかな。…いや! 気合いを入れて聞こうじゃないの!

KPMGコンサルティング(株)執行役員 パートナー デジタルレイバー&トランスフォーメーションビジネスユニット統括 / (一社)日本RPA協会 専務理事
田中 淳一さん

開口一番、田中さんから飛び出したのは、「RPAは期待するほど万能ではありません」という言葉。それって、ロボットは取るに足りない敵ということ? そう思ったのもつかの間、「ただし、工夫次第では非常に対応範囲が広がります」と、話は続きます。

RPAができることとは、PC上で作業ができるもので、ルール化された仕事。つまり、人が一定のルールに基づいてPC上で行っていた作業は、RPAというロボットがすべて代行できるというわけです。

これまでの導入効果を見てみると、「固定資産の洗替え:45分→2分」「入金出金のゼロバランス業務:206時間→25時間」「請求書の処理:7割の工数削減」など、どれも目を見張るような効率化を成功させているそうです。ミスも少なく、業務の品質も向上したとか…さすがロボット、おそるべき処理能力!

でも、「自動化できる業務は全体の数%ほどだから、ウチには必要ないよ」という声もまだまだ少なくないそう。

そんな中、「2020年には70%の企業にRPAが導入される」と田中さんは予想しています。「ひとつの業務すべてではなく、業務内のいくつかのプロセスを自動化する」「ルール化されていない業務でも『〇〇の場合はこう処理する』『××の場合はここに振り分ける』などとルール決めする」ことで、自動化の範囲はぐんと広がるのだとか。

ルール決めをすることで、RPAで業務の2~3割は削減できるとのことだから、RPAってすばらしい。でも、そのうち削減される業務が2~3割から10割に増えて、ロボットに仕事をとられちゃうんじゃないのかな…?

人は「人ならでは」の仕事を

そんな不安をぬぐいきれない私ですが、田中さんから耳よりな情報が!

「実は、RPAはおろか、自己学習機能をもつAIでさえも、『新しいことを発見する』『工夫してひねり出す』ということは不得意です。むしろ、今のところまったくそれができそうな気配すらありません」。

はい、ここ大事ですよ、みなさん!

AIは膨大なデータを処理したり、ルールに従って情報やデータの仕分けをしたり、データに基づいて成功パターンなどの法則を導き出したりすることは得意。でも、ゼロから何かを生み出したり、感覚やセンスを活かして考えたりすることはできないそう。そのうえ、共感をもったコミュニケーションもできません。冒頭で田中さんが「RPAは万能ではない」といった真意はここにあったのでしょう。

講演ではRPA導入のメリットとして

  • 効率化=業務時間が減る、もしくは実質作業量をゼロにできる
  • 品質向上=ミスが減る
  • 高度化=人間はより高付加価値業務に集中できる

の3つをあげていました。

いま、「無成長」「低生産性」の問題を抱える日本経済。でも、より付加価値の低い単純作業はロボットがおこない、付加価値の高い業務を人間が担うことで、労働生産性を上げることができる。「手を動かす作業」はロボットに任せ、人は人にしかできない仕事に専念する。そうすれば、もう一度、成長することも可能なのです。

なるほど、これが「働き方改革にRPAが有効」たるゆえんだったのですね! 日々、ルーティンワークに追われていた人も、より付加価値の高い業務に携わるチャンスではないですか! ビバRPA! ライターのお仕事にRPAが導入されたら、私が企画を立てて、ロボットに指示するだけで、あとは私が寝ている間に原稿を書き上げてくれるようになるかも? さっきまで「敵」だと思っていたロボットが、「相棒」に変わりました。

経理・財務パーソンの将来がアツイ!

続いては、公認会計士であり一般社団法人日本CFO協会・主任研究委員などの肩書をもつ櫻田修一さんの講演です。タイトルは『デジタルテクノロジーを駆使する経理財部門の目指すべき姿』。少々難しそうですが、かみ砕けば「ロボットに単純作業を任せ、空いた時間を人は何に使う?」、つまり「経理や財務にとっての高付加価値業務とは?」という話です。

(株)アカウンティング アドバイザリー マネージングディレクター 公認会計士 / (一社)日本CFO協会 主任研究委員 AI・ロボティクス部会 座長
櫻田 修一さん

結論は、「数字やデータを経営に活かす」というものでした。RPAなどのITによって蓄積された膨大なデータを「武器」として、これまでの取引と数字をひもづけて、将来の市場予測や経営方針の決定に活かすことがミッションなのだそう。「今後の経理・財務は、ビジネス推進業務を担うことになります」と櫻田さん。

今まで経理や財務を「地味だな~」と感じていた私。ホント失礼ですよね、すみません! でも、完全に見る目が変わりました! ITと数字を駆使して、経営戦略に切り込む。これからの経理・財務はそんなイメージになるのでしょう。

そうそう、櫻田さんの言葉でもう一つ大事なこと。「起業を考えている人や規模の小さな企業は、最初からフルデジタルを目指してください。いま実行すれば多くの上場企業の先を行くことになり、確実に最先端になれます」。昨今は電子レシートや金融資産負債管理など、RPAを補完する役割の「魔法の杖」的なシステムがたくさん出ているそう。これらをうまく組み合わせることで、リーズナブルかつ効率的なデジタル化が実現できるそうです。

バックオフィスの革新ニーズは高まる一方

難しいところもあったけどいろいろ勉強になったし、私も賢くなれた(気がする)! 満足しながら講演会場を出ると、そこには、あわただしく行き交う人の波。そういえばこのセミナーも、『総務・人事・経理ワールド』の一環でしたね。

人事支援サービスや働き方改革支援サービスなど、企業や組織の運営に役立つ製品やサービスを展開する企業が一堂に会し、企業・官公庁・病院などの担当者へ直接アピールする場であるこのイベント。

今では東京・大阪・名古屋で年3回開催しており、出展社数は右肩上がりで増加中。今年は過去最多の850社が出展し、それに比例して昨年よりも1万6000人近く多い、6万1000人超が来場したそうです。私も中をのぞいてきましたが、とにかく人・人・人。この分野って、本当に高い関心を集めているんですね。


RPA関連のエリアにも人だかりが。かっぷくのいい経営者風の人から、現場をひっぱるリーダー層まで、男女問わずさまざまな職務を担っているであろう人たちが、パンフレットを片手に熱心に説明に聞き入っていました。

敵だと思っていたRPAは、単純作業を任せて一緒に仕事ができれば、私たちは人にしかできない仕事に集中できるようになるのだから、味方だよね! 私もライターの仕事にRPAが導入される日を夢見て頑張ろうっと。

さっそく編集長に今日の学びを報告しなくちゃ。編集長に共感されるようにはたらきかける。これも、ロボットにはできなくて、人にしかできない仕事。っていうか、気難しい編集長をあやしてあげられるのは、世界で私一人だろうなぁ。私って価値が高い! そんな発見ができた、あやかでした!

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