「『購買業務の効率化』というと、コスト削減の観点から取り組む企業が大半でしょう。でも実は、『働き方改革』の観点でも、購買業務にメスを入れれば、大きな成果を得られるんです。」

間接資材の発注をシステム化することで業務効率化を支援しているMonotaROの柴垣さんは、「とりわけ小ロット・低価格の間接資材の購買に目を向けてほしい」と指摘しています。購買業務を見直した先には、「使いたいと思ったときに、すぐそこにモノがある」という、究極に便利なワークスペースの実現が期待できるそうです!具体的な改善策から、未来のワクワクするような予想図まで、柴垣さんにいろいろお話を伺いました!

株式会社MonotaRO
執行役 カスタマーサポート部門長 柴垣 香平さん(右)
コーポレート営業グループ 吉田 茉央さん(左)
(所属・役職は取材当時)

購入コストを下げる努力が損失を生む!?

――働き方改革の観点からみた、購買業務の効率化の意義を教えてください。

柴垣さん(以下、敬称略):わかりました。最初に、少し世の中の流れを振り返ってみましょうか。かつての日本では、ヒトの給料は安く、モノの価格は高かった。「モノ>ヒト」だったんです。1975年の東京の最低時給は258円。2017年の958円と比べたら、隔世の感がありますよね(笑)。時給258円の社員が1時間交渉して、1000円のモノを500円で買えたとします。差し引き242円の価値を会社にもたらしています。ところがいま、時給958円の社員が同じことをしたら、会社にとって458円のマイナスです。

いまは、ヒトの給料が上がり、モノはコモディティ化することで価格が下がっている。「ヒト>モノ」なんです。こういう時代には、モノの購入コストを下げる仕事をさせても、高額あるいは発注ロットの大きいモノ以外、価値を生まないわけです。

働き方改革という観点でみると、生産性は低いどころか、むしろ負の生産性。こうした付加価値を生まないビジネスプロセスが増えているのが購買業務の課題だといえます。

モノを見つけるまでに時間がかかる

――なるほど。少額で発注ロットの小さいモノでは、コストを削減する努力をしないほうがいい場合もあるわけですね。とはいえ、たとえばオフィスで使う文房具とかの購買業務を効率化したところで、労働時間を削減する余地って、そんなにないような気がするのですが…。

柴垣いえいえ。ありますよ。まさに文房具をはじめ少額・小ロットの間接資材の購買業務でムダな労働時間が発生しているんです。

まず、「商品の探索」という作業だけでかなり時間がかかります。「どこで購入すればいいかわからない」というモノってけっこうありますよね。個人としての買い物ではなく、会社のお金をつかっての物品購入ですから、「ネット検索してみて、気に入ったから買った」なんて、いいかげんなことはできません。「品質保証は確かなのか」「在庫はあるのか」「サポート体制は整っているか」といった観点からもサプライヤーを調べる必要がある。時間をかけて、いくつかサプライヤーを見つけると、次に、スペックや納期の調整、見積もりの依頼といった業務が発生します。

また、「モノを必要とする現場」と「購買業務を担当する管理部門」がわかれているケースは、さらに時間と労力がかかってしまいます。「リクエストにぴったりあうスペックのモノがないんだけど、少し低スペックのモノでもいいいか?」とか「『明日までにほしい』という依頼だったが、3日後になりそうだ。大丈夫か?」といったやりとりが発生しています。そして管理部門のところにモノが納品された場合、「現場に届ける」という業務も発生しますよね。

――確かに。言われてみれば、意外に業務時間をつかっているんですね。では、効率化すると、どのくらいの時間削減になるのか教えてください。

柴垣当社のシステムを導入した従業員1万人を超える大手メーカーさんの例をお話ししましょう。システム導入後、現場担当者が購買に関連する業務にかけていた時間が半分になりました。さらに、購買の取りまとめを行う担当者の業務時間も半分になりました。購買担当者が節約できた業務時間を、高額・大ロットのモノの購入金額を安くするための交渉に振り向けた結果、コスト低減の面でも成果がありました。購買業務の全体的な生産性を大きく引き上げることに成功しています。

「ムダをなくす」と社員の意識が変わった

――労働時間が半減ですか! それはすごいですね。具体的に、どうやって業務を効率化したのでしょう。

柴垣低額・小ロットで、そして発注回数の少ないモノの購買業務にメスを入れたのです。その企業では、ロットでみると、年間の発注件数のうち「1個」が48%、つまり約半分を占めていた。単価ごとでは、「1,000円未満」がやはり半数。年間の発注回数でみると「1~2回」で90%以上を占めていました。つまり、「数百円のモノを1個だけ、年に1回だけ発注する」という購買の件数が非常に多かったんです。これは、どこの企業でも似たり寄ったりです。

「数百円でのモノを1個、年に1回だけ」の購買業務では、「次回の発注があるときのために業務プロセスの記録をきちんと残しておこう」という気が起きないでしょう。ですから、たとえば商品の探索にものすごく時間をつかったとしても、次回の購買で、また別の担当者が同じだけ時間をつかってしまうわけです。PDCAが回らないんですね。

システム導入後は、商品の探索の時間が一気に減ります。当社には1,500万点以上の品ぞろえがあり、「見つからない」ことはまずありません。そして、そろえているアイテムはすべて、商品の品質や継続性を私たちがしっかり目利きしています。品質などの心配をすることなく、システム上で簡単に目的とする商品を見つけ、納期の調整をして、発注できるんです。

――先ほど、「『モノを必要とする現場』と『購買業務を担当する管理部門』がわかれていて、その間でのやりとりに時間を費やしている」という指摘がありましたね。どう解決したのですか。

柴垣購買に携わる社員たちの意識を、システムを活用することで変えていったのです。当社のシステムを導入すると、どんなモノの購買であろうと、どこの拠点・部署の発注であろうと、すべての購買業務がシステムを通して行われます。そして管理者がシステムの利用状況をモニタリングできます。「いつ」「どの部門の」「誰が」「何を」「どれだけ」「どのタイミングで」「いくらで」発注したかが可視化されます。そのデータの分析をもとに「これは現場担当者が発注して、現場まで届けてもらうべき」「これは購買部門でまとめて購入して、各拠点に配布するべき」といった具合に、最適化をはかっていったのです。

管理者側がことさらに指示しなくても、「システムを通して見られている」と購買に携わる社員が感じとり、すすんで「ムダをなくそう」と努力してくれるようになったそうです。安易に「買ってしまおう」と判断することが減り、労働時間だけでなくコストの削減にもつながったそうです。

AIが「発注前お届け」してくれる!?

――システム化がさらに進んだ将来、企業の購買業務はどんな姿になっているでしょう。展望を聞かせてください。

柴垣たとえば、あるスタッフの作業用手袋がすり切れてしまったとして、「しまった。買い置きがない。発注しなきゃ」という事態はもうなくなっているでしょう。購買システムにAIが搭載され、「いつごろ、どの手袋がダメになるか」を非常に高い精度で予測できるようになり、先んじて発注をかけてしまうからです。必要な時に、必要なだけ、必要な場所に、ある。そんな状況になると思います。

――では、最後に、購買業務の効率化に関心をもつ経営者・管理部門担当者にメッセージをお願いします。

柴垣企業活動に必要な間接資材の購買業務の効率化は、大企業特有の問題ではありません。購買ボリュームが小さく、価格面で不利になる中小・ベンチャー企業のほうがより切実に、経営に直結してくるテーマだと思います。自社の購買プロセスに着目し、戦略的に見直せば、コストと同時に社員の労働時間も大幅に削減され、企業の生産性向上につながっていきます。そのためにも、当社のシステムをうまく活用していただきたいですね。

──お話をお伺いして、MonotaROさんのシステムが、間接資材の購買を効率化するばかりか、『購買に対する意識の変化』をも提供するプラットフォームであることがよくわかりました。本日はありがとうございました!

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