コールセンターにおける課題
コールセンターでは、業務の課題として以下の点があげられます。
- ●問い合わせチャネルの多様化に対応しきれていない
- ●応対品質の向上・標準化が求められている
- ●個々の対応に時間がかかる
- ●人材不足・早期退職
従来のコールセンター業務は、電話対応が主流でした。しかし近年は、電話はもちろん、Web・メール・チャットなど、あらゆるチャネルからの問い合わせに対応しなければなりません。
また、コールセンターのオペレーター職は業務量の多さや顧客応対によるストレスから、離職率が高いといわれています。スキルをもった人材が辞めてしまうと、社内にノウハウが蓄積されません。さらに、採用・教育コストや応対品質の標準化にも影響が及ぶでしょう。

コールセンター業務を効率化する方法
コールセンター業務の効率化には、大きく分けて「処理時間の短縮化」「応対品質の向上」「オペレーターの負担軽減」の3つが求められます。具体的にどのような方法があるのか、その効果とあわせて解説します。
- ■FAQや「よくある質問」ページの導入
- 顧客の自己解決を促し、問い合わせ件数を減少させる。
- ■問い合わせ履歴をデータ化し共有
- 通話内容と応対履歴をテキスト化し、オペレーター間で情報共有する。
- ■顧客対応のモニタリング
- 通話内容をリアルタイムで確認し、管理者からオペレーターへ助言する。通話内容をあとで振り返ってオペレーターの弱点の把握や指導につなげることも可能。
- ■着信の自動振り分け
- 自動応答機能で問い合わせ内容を確認し、各部署へ接続させる。優先度を設定することで、対応するオペレーターも指定できる。
- ■着信時に顧客情報を表示させる
- CRMと連携したCTIシステムやコールセンターシステムに搭載されている。過去の対応履歴なども瞬時に確認できる。
- ■チャットボットの導入
- 24時間365日、時間を気にせず顧客対応が可能になる。
- ■ワークフォースマネジメントの実施
- 入電実績などをもとに、適切なシフト配置を行う。
- ■コールセンターのアウトソース
- キャンペーンにより人員の増減が大きい企業などは外注も視野に入れるとよい。夜間・休日など一部をアウトソースすることも可能。
これらの方法を実践するには、専用システムの導入がおすすめです。具体的には、CTIシステム・顧客管理システム(CRM)・FAQシステム・チャットツール・コールセンターシステムなどがあげられます。特にコールセンターシステムには、業務効率化に必要な機能が集約されており、これからコールセンターをDX化していきたい企業に最適です。
コールセンター業務の効率化に成功した事例
コールセンターシステムの導入で業務効率化に成功した事例を紹介します。
商業施設の設備トラブルや修理手配の代行を行うコールセンターの事例です。自社のPBXを経由し、アナログ回線で固定電話機を利用していました。
入電で固定電話機が一斉に鳴り出すため、一部のオペレーターに業務が偏ってしまいます。また、顧客によってトークや処理方法が異なるため、問い合わせのたびにその顧客の情報が書かれたメモを探し出す作業も課題の1つでした。
コールセンターシステムの導入により、着信をオペレーターへ均等に振り分けられるようになり、業務の偏りがなくなったのです。さらに、着信時に顧客情報がパソコン画面に表示されるため、対応がスムーズになりました。
コールセンター業務を効率化する際のポイント
コールセンター業務の効率化にはPDCAサイクルを回すことが重要です。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を継続することで業務品質が向上します。
例えば、Planで目標を「AHTの短縮」にした場合、目標達成までのプロセスを明確にするため、「ACWの短縮」といったような具体的なKPIを決めましょう。
Doでは「AHWの短縮」を達成すべく、コールセンターシステムを活用しながら計画に沿って業務を遂行します。この際、次のCheckに活かすためにもACW分析に活用できそうなデータを抽出しておきましょう。
Checkでは「ACWの短縮」観点から業務の評価・検証を行います。
この評価内容をもとに、トークスクリプト(台本)やよくある質問の内容をブラッシュアップする、といったActionを打ち出しましょう。Actionは次のPDCAサイクルの基盤となるので、内容を吟味し精査する必要があります。
コールセンター業務を効率化し、迅速な応対を実現!
コールセンター業務は、問い合わせチャネルの増加により業務量の増加や複雑化が課題となっています。人材不足を補い、顧客満足度を高めるには、システムの導入がおすすめです。CTIシステムによる入電の自動振り分けや、CRM・FAQシステムによる応対品質の向上などが期待できます。
インバウンド・アウトバウンド業務により適切なシステムは異なります。費用対効果を検討したうえで、自社のコールセンター業務を効率化できる方法はどれか検討しましょう。
