アルバイトやパートの勤怠管理における課題
まずは、アルバイトやパート、派遣労働者を雇う企業・店の担当者からよく聞かれる勤怠管理の課題点を紹介します。
- ■シフト作成に時間がかかる
- シフト制の場合、必要な時間に必要な人員を配置するのは膨大な時間を要します。従業員の希望する勤務時間を満たすようなシフトを組み立てるのに、頭を悩ませる方も多いでしょう。長期休みの日の人手不足など、シフト作成に苦戦する担当者は多いものです。
- ■勤怠データの集計・給与計算が大変
- 人によって時給や勤務時間が違うため、手作業で集計するのはかなりの手間といえるでしょう。
- ■サービス残業が多い
- 閉店後の片付けに時間を要する、店長など役職が高いために業務タスクが多くやむを得ず残業する、といった事例があります。複数店舗を管理する企業では、本部がサービス残業の実態を把握できないことも多いでしょう。
【雇用形態別】勤怠管理のポイント
企業が従業員の勤怠管理をする際には、雇用形態別に管理できる体制をまず整える必要があります。厚生労働省では、以下のように雇用形態が定められています。
- ・正社員(短時間正社員含む)
- ・契約社員(有期労働契約)
- ・派遣労働者
- ・パートタイム労働者
- ・業務委託(請負)契約を結んで働く人/家内労働者/在宅ワーカー
参考:さまざまな雇用形態|厚生労働省
勤怠管理において特に注意したいのが、派遣労働者とパートタイム労働者です。
アルバイト・パートタイム労働者
パート・アルバイトの勤怠管理に欠かせないのがシフト管理です。スタッフごとに勤務日・時間・時給に差があるため、管理が複雑になりがちですが、まとめて把握し出退勤の打刻データと紐付けて正確に管理しなければなりません。シフト管理ができていないと、のちの給与計算にも影響が及んでくるので、正確なデータ集計が必要です。
近年導入が急増しているシフト管理システムや、シフト管理機能を搭載した勤怠管理システムなら、シフトの管理・調整、勤怠管理や給与計算システムとの連携がスムーズにできます。モバイル端末から打刻でき、管理者もリアルタイムに出退勤状況を把握できるので、スタッフと管理者にとってメリットがあるでしょう。
派遣労働者
派遣社員は派遣元と雇用契約を結ぶため、派遣元が賃金を正確に支払うには、派遣先による勤怠情報の正確な管理が重要です。タイムカードなどを用いて派遣社員の出退勤時間を確認していると、派遣元の企業が社員の労働時間をリアルタイムで確認できません。また、提出された出勤表に虚偽がないかのチェックが派遣先企業任せになってしまうといった問題が挙げられます。
派遣社員の勤怠管理に特化した勤怠管理システムなら、派遣社員の契約情報や稼働状況をリアルタイムで把握できるので、勤怠管理システムを活用してもよいでしょう。
【勤務形態別】勤怠管理のポイント
雇用形態別に管理できるようになったら、勤務形態にも目をむけなければいけません。特に、働き方改革の推進によりワークスタイルが多様化している今、勤務形態を複数設定している企業も少なくないでしょう。
代表的な勤務形態には、「固定時間制」「変形労働時間制」「裁量労働制」が挙げられます。なかでも、特に注意して勤怠管理を行わなければならないのは、変形労働時間制と裁量労働制です。
変形労働時間制
通常1日8時間・週40時間を超えて勤務した場合は時間外労働として残業代が発生します。対して変形労働時間制は労働時間を1か月や1年単位で計算し、平均勤務時間が法定労働時間の範囲内であれば残業とみなさないという考え方です。例えば、月初は所定労働時間を短くし、代わりに月末は8時間を超えて勤務することが可能です。季節により繁忙期と閑散期がはっきりしている企業などが採用しているほか、アルバイトやパートタイマーによく用いられている「シフト制」も変形労働時間制の一種といえます。
柔軟な働き方ができる反面、労働時間や休日を正しく管理しないと労基法違反となってしまいます。手作業による計算ミスを防ぐためにも、変形労働時間制に対応した勤怠管理システムを利用するとよいでしょう。
裁量労働制(みなし労働時間制の一種)
裁量労働制は実稼働時間にかかわらず、あらかじめ労使協定で定めた時間分働いたことにする勤務形態です。適用される業務が定められていたり、労使委員会の議決を要件としていたりします。
みなし労働時間が設定されているからといって、労働時間を集計しなくてよいわけではありません。深夜の勤務や休日出勤があった場合には割増賃金を支払う必要があります。また、2019年施行の改正労働基準法により、裁量労働制の従業員にも勤務時間に応じた適度な休憩をとらせるなどの「健康福祉確保措置」が義務付けられました。そのためにも適切な勤怠管理が必要です。
勤怠管理システムなら、従業員ごとに勤務形態をラベリングし、それぞれの出退勤状況をリアルタイムに把握できます。予実管理ができる製品も多く、事前に定めた労働時間からの乖離がすぐにわかるでしょう。給与計算や勤怠データの効率化により人事・労務担当者の負担軽減にもつながるので、うまく活用してください。
イレギュラーに注意!管理監督者の扱いは?
最後に、勤怠管理をするうえでミスしがちな「管理監督者の扱い」についても解説します。
よく管理職になると残業代がなくなるという話を聞きませんか?この根拠は、労働基準法の「管理監督者」にあります。しかし、すべての管理職が管理監督者に当てはまるとは限りません。
- 【管理監督者とみなされる基準】
-
- ・経営者に近い立場や重要な権限を持っている
- ・勤務時間に裁量権がある
- ・管理監督者として相応しい報酬・待遇である
参考:しっかりマスター 労働基準法 管理監督者編|厚生労働省
以上からわかるように、管理監督者は勤務時間に裁量権が認められているため、残業手当や休日出勤手当などの賃金を支払う必要はありません。つまり、一般の従業員のように日々正確な打刻を義務づける必要はないのです。
しかし、深夜業(22時~5時)の割増賃金は支払う必要がありますし、年次有給休暇も取得させる必要があります。
管理監督者は、重要な判断を下したり重責を担っていたりするため、気づけば過重労働になってしまっている可能性があります。打刻の必要がなくとも、一か月に何時間働いているかを把握しておくことは大切です。
反対に、先ほどの条件を満たしていないのに管理監督者としてみなし、残業代を支払わずに働かせることは労働基準法違反です。社内で「課長」「リーダー」という肩書きをつけているケースも見られますが、権限と実態が伴っていなければ管理監督者ではないので、一般の従業員と同様に勤怠管理を行い、残業手当や休日出勤手当などを支払うようにしましょう。
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アルバイト向け勤怠管理システムのおすすめBEST3
ここからは、ITトレンドがおすすめする勤怠管理システムのうち、アルバイト・パート勤務に対応する製品を人気順に3つ紹介します。
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勤怠管理システムの活用で、どんな形態にも対応できる体制を
以上、アルバイトや派遣労働者、変形労働時間制や裁量労働制における勤怠管理の注意ポイントを見てきました。雇用形態や勤務形態によって、適正な勤怠管理を行うポイントは異なります。それぞれ、ミスなく管理するために、慎重に従業員の出退勤管理を行いましょう。
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